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JIROの独断的日記
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2005年08月29日(月) 記者クラブでの党首討論要旨

◆背景説明:本日、日本記者クラブにおいて行われた、党首討論(記者との質疑応答)の記録である。

 

 本日、日本記者クラブにおいて、各政党党首が一堂に会して、党首討論が行われた。

 こういう大事なことは、出来るだけ多くの有権者が見ることが出来る、週末に行うか、平日なら、夜に行うべきだ。

 月曜日の午後など、有権者の中心である勤め人は見ることが出来ない。勿論、各家庭のDVDだか、HDDレコーダに録画は可能だが、討論会が行われること自体を知らなかった人も多いだろう。

 そこで、討論要旨をウェブサイトに載せている新聞は無いか、捜してみた(夕刊には絶対間に合わない。明日の朝刊には載るだろう)が、全国紙は根性ないね。どの社も載せていない。
 色々探したら、本来、外為や金利や株のディーラー向けの情報を提供している、ブルームバーグという会社のWebサイトだけが、【衆院選05】6党首激突、討論・質疑応答の詳報−日本記者クラブ を掲載していた。

 一応リンクを貼ったけれども、ご承知の通り、ニュースサイトの記事は数日から数週間で無くなってしまう。

 そこで、私は、Blogないし、日記は「記録」という機能があるわけだから、自分で、保存しておくことにした。

 但し、全文は長すぎるし、党首討論そのものは、小泉首相が、例によって、すぐに話をすり替えて、はっきり言って余り討論になっていない。

 それよりも、討論の後に行われた、マスコミ各社と各党代表、特に、小泉首相との質疑応答が参考になると思うので、その部分を残すことにした。

 日頃は頼りないマスコミだが、今日は、歯に衣着せぬ、鋭い質問を小泉首相にぶつけており、なかなか、いい。

 興味を持たれた方は、上にリンクしたWebページをローカルに保存しておくことをお奨めする。なお、私のコメントは途中、青文字で記している。


◆【衆院選05】6党首、質疑応答の詳報−日本記者クラブ (抜粋)


 ◆【質疑応答】

 

【郵政解散】

――今回の解散は、参院で否決されて、衆院を解散した。議会制民主主義を否定するものだという意見がある。また郵政民営化の是非を問う国民投票と位置付けているようだが、解散権の乱用ではないか。(全くその通り。国政選挙たる衆議院選挙を、郵政民営化の是非を問う選挙だ、という小泉首相は、議院内閣制が分かっていない。)

首相:「これは異例といえば異例だと思う。1法案に対して、小泉内閣の改革の本丸だと位置付けてきた。だからこの重要性はよく理解していただけたと思っている。法案が否決されるということは、小泉内閣に対する不信任と同じだと申し上げてきた。その中で、衆参の意見が違ったが、結果的に国会は否定した。郵政民営化は必要ないと」

首相:「そこで異例中の異例だと思うが、解散に踏み込んで国民に聞いてみたいと。これは憲法にのっとって手続きしているわけだ。野党は衆院で内閣不信任案を提出した。そういうことから、これは私は憲法にのっとって正式な手続きを踏んで解散した。憲法違反ではない。あとは国民がどう判断するかだ」

――参院不要論があるが。

首相:「これは2院制の中で、いつも議論がある。衆院と同じような結論を出すなら参院はいらないのではないか。有害だという議論がある。これは今後、多くの方が政治的な議論されると思うが、今回は衆院選で国民が郵政民営化は必要だという結論を出せば、参院も今までの対応と違ってくると思う」

――小泉さんの努力があまり見えず、最初から解散に踏み切りたかったのではないかという観測もあったが。

首相:「私は解散よりも郵政法案の成立を心から望んでいた。まさか衆院で通過したものが、参院で与党が野党と一緒になって廃案にすることは、想定していなかったわけだ。こういうことはまさかしないだろうと。しかししてしまった。その時は私は前から、解散という言葉を使わなくても不信任だという覚悟でやっていると。それを真に受けなかったのだろう」(だから、最初から解散するつもりだったのかどうかを訊いているのだよ。質問に答えろ。)


【郵政民営化 】

――自民党内で反対が出たのは、自らの責任問題ではないか。理解を求める努力が足りなかったのではないか。(そうだ。行政府たる内閣が、議会に政策を理解して貰って、信任を得るのが議院内閣制というものだ)

首相:「自民党も野党も全部反対の法案だった。本音は民営化反対なんだ。だからまさに政治分野の改革だと思っている。なぜ『民間にできることは民間に』と言いながら、与野党が郵政関係の公務員の要請ばかりに振り回されている。公務員が選挙運動、選挙支援してくれてありがたいという構造を直さないといけない。しかし国民全体の利益はどうなるのかと憤りを常々持っていた。これは経済問題のみならず政治改革だ。本当に国民が公務員の既得権を守るという構造を許していていいのかということを白日の下にさらして国民の意見を聴きたいから解散に踏み切った」(つまり、脈々と続いてきた、特定郵便局長に支持された旧田中派をぶちこわしたいというのが、小泉氏の郵政民営化の一つの大きな動機だが、それを「国民のため」と称するのは偽善なのだ)

――衆院選後に与党が過半数を維持し、特別国会で郵政法案の審議が始まったとしても、構成が変わっていない参院でまた法案が否決されたら総辞職するのか、それともまた解散するのか。

首相:「まだ選挙の結果は分かっていない」

――首相の基本的な民主主義観をうかがっている。首相自身が納得するまで解散をし続けるのか。 (いいぞ。そのとおりだ。小泉首相は議会は首相に必ず賛成するべきものと考えているフシがある。それは専制君主と変わりがない。)

首相:「私はね、人によっては変人以上と言う人がいるが、自分では穏やかな常識人だと思っている。自民党、公明党に過半数の議席を与えてもらえれば、参院で反対していた自民党議員のかなりの部分が賛成に回ってくれると確信している」(そんなこと、分からないじゃないか。何ら合理的根拠がない)

「民主党だって郵政民営化に変わってきたから、自民党も変わっていくと思う」

岡田氏:「郵政民営化法案には反対だ」

――小泉首相の任期は2006年9月まであと1年余りしかないが、衆院選は今後4年間の政権運営をゆだねることになる。小泉首相は政治責任を担えるのか。あと1年しか命のない人が解散した。 (同感である。私も8月24日の日記で全く同じ疑問を呈した)。

首相:「それは議院内閣制だし、党の公約だ。今回初めて自民党の候補が郵政民営化に賛成だ。私の任期は来年9月までだ。それまでに民営化法案を成立させたい。党の公約だから、後に引き継ぎは党の公約に基づいてやってもらう。あと1年間精一杯やる」 (自分が精一杯やるかどうかじゃなくて、お前さんが辞めた後、同じ政策が継承される保障はどこにあるのか?と訊いているのだ)

――そうであるなら、ポスト小泉の方向性を示すべきではないか。 (賛成。)

首相:「イメージはずいぶん出ているのではないか。相当、ポスト小泉を狙っている人がいるのではないか。あと1年、私がこれで国民から支持を得て過半数の議席を得れば、1年の間に今、名前が挙がっている人たちから『われこそは次の首相だ』という分かりやすい姿勢を国民に示してくるだろう」 (全部、小泉首相個人の希望的観測であり、何の約束にもなっていない)

――首相が解散したことをめぐり、世論調査では支持が高いことをどう見ているのか。(大衆は、ものを考えないということだ)

岡田氏:「私は順序は違うと思うが、しかし解散の権限は首相にあるから異論を唱えるものではない」

志位氏:「今の議論を聞いていて、小泉首相は郵政民営化一本に絞って他のことは一切言わない。そして郵政民営化法案を9月の国会に通すといっている。そうなると9月までの公約しか言わず、あとは全部白紙委任で任せろというものだ。それは民主主義を壊す独裁政治だ」

福島氏:「わたしは争点隠しだと思う。郵政民営化はもちろん重要な問題だが、この4年4カ月の小泉政治の下では雇用、福祉、平和、靖国、外交の問題を前々争点にしないのは無責任だ」

――郵政民営化こそが改革の本丸だと主張しているが、自民党のマニフェスト(政権公約)で、例えば戦略的外交ができないという構成になっているが、これはいくらなんでもこじつけではないか。
首相:「郵政民営化は経済活性化のためにある手段だ。世界のグローバル化、変化に対応できるような態勢を取っていくということだ。経済発展なしに戦略的な外交も進んでいかないと取っていただければいいのではないか」(郵貯・簡保は国債を引き受けるために、340兆円の大部分を使ってしまっている。民営化しても、手持ちのカネがない。カネを作ろうとしたら、国債を売るしかない。そんなことをしたら、国債価格が暴落、金利が急騰して、景気にはマイナス要因にしかならない。経済活性化にはつながらない。仮に、奇跡が起きて経済が活性化したところで、戦略的外交とは何を意味するのか。また、それと郵便、又は、郵貯・簡保がどのように関係するのか、全く、不明である。)

【靖国問題】

――日中、日韓関係は小泉首相の靖国神社参拝問題をめぐり、ことし靖国参拝する考えは変わらないのか。

首相:「これはどんな質問をされても適切に判断するとしか言いようがない。外交上、お互いの立場があるから、中国自身もよく分かってくれている。経緯などでああだ、こうだと言える問題ではない。私は日中関係がおかしいと言われるが、靖国神社に参拝しなければ中国との関係がうまくいくとは思っていない。30年、40年後に日本の戦没者に敬意を表することにいろいろ言われているが、(参拝を)やめればすべて2国間関係がうまくいくとは思っていない」

「日中交流、日韓交流は、かつてないほどあらゆる分野で交流が進んでいる。経済、文化、スポーツでもだ。その中で今後の日中、日韓友好を考えていくべきではないか。中国、韓国が『靖国神社参拝しないでくれ』と言って、そのようにして関係がうまくいくという問題でもない」

――靖国神社の問題は自然に発生したのではなくて、小泉首相が持ち出したから問題になっている。有権者としては、指導者が靖国を参拝するのかしないのかを見極めたいだろうと思う。この場で腹の内を話してはどうか。 (記者が正しい。)

首相:「これははっきり申し上げている。今も申し上げた通り、適切に判断する。私の実績を見ていただければ、どういう行動を取るかお分かりいただけるのではないか」 (適切に判断するのは、全ての職業人の常識。)

――必ずいくけれども時期は考えるということですね。

首相:「そういうことも言わない方がいい。外交だから中国当局もよく理解している」

――首相は就任時に8月15日に参拝すると表明した。これまで8月15日ではないが。 (2001年、小泉純一郎氏が首相に就任したときの公約には、「どのような反対があっても、必ず、8月15日に靖国神社に参拝する」という項目が、含まれていたのだ。)

首相「適切に判断した結果だ」 (だからさ。わざわざ「不適切に判断した」という奴はいないんだよ。)

(後略)。


◆コメント:小泉首相には言語はあるが、思想がない。

 

あまりにも長くなるので、途中で終わらせていただいたが、大体の様子は分かるでしょう。

 記者の質問に対して、ピタリと照準の合った答えが返ってこない。何だか訳の分からない言葉の羅列である。

 小泉純一郎内閣総理大臣には、言語はあっても、思想が無い。


(エンピツをご覧の方。字数制限があり、大分割愛せざるを得ませんでした。

 JIROの独断的日記ココログ版には、「ノーカット版」があります。よろしければ、

 ご覧下さい。


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