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JIROの独断的日記
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2006年07月18日(火) お薦めCD。今日は4枚一度に書きます。

◆大抵1枚か2枚に絞るのですが。

先日、ナクソス・ミュージックライブラリーという、クラシック音楽専門、

しかもダウンロードしない(違法な手段を用いなければ、です)ストリーミングだけの音楽配信サービスが大変良いという話を書きました。

何しろ、一ヶ月1900円で、どれだけ聴いても構わないのですから、これからとりあえずクラシック名曲に親しむという方も、

普通のは大抵聴いてしまって、誰も知らないような作曲家や有名ではないが、すぐれた才能を持った演奏家を見つけたいという方、どちらの方も便利です。

CDを買うとなると、聴いたことのない作曲家や演奏家のものは敬遠しがちになります。

このサービスはそういうのをいくら聴いても良いわけで、つまらなかったら止めればよいのですから、宝の山です。



今日は、現在世界的に最も注目されている1人で、凄い才能を持つ若手バイオリニスト。

ナクソス・ミュージックライブラリーで見つけた、先日のトロンボーンよりももっと珍しいテューバ(最低音域を担当する金管楽器。馬鹿でかいラッパ)の天才。

それから、すでに有名ですが、とてもユニークなバイオリニスト。

音だけ聴くと女性とは思えず、かつ驚異的なテクニックを持つトランペット奏者。を紹介します。全てCDでも買えますので、ご心配なく。


◆バッハ:バイオリン協奏曲集(ヒラリー・ハーン)

ヒラリー・ハーンは今ではすっかり有名になったアメリカの女性バイオリニストです。

昨年も今年も日本に来ました。昨年はN響のソリストとしてプロコフィエフのバイオリン協奏曲を演奏しました。

プロコフィエフのピアノやバイオリンの協奏曲は素人が聴いても明らかに高度な技術を要求されていて、プロのソリストなら当然の如く弾けなければならないし、

技術の向上には役立つでしょうが、これはあくまでも私個人の趣味ですが、聴いていてもあまり面白くない。で、バッハにしました。



ヒラリー・ハーンは約10年前にCDデビューしたのですが、それが何とバイオリニストのバイブルみたいな曲なのです。

バッハの無伴奏ヴァイオリン・ソナタとパルティータ(全部じゃないです)。

こういうのは、プロになるような人は、若いときでも弾けるのですが、あまりにも「音楽の粋」みたいな作品なので、人前で弾くと、才能というか音楽性が一遍でばれてしまう。

ところが、くどいですけど、ヒラリー・ハーンはいきなり、17歳で無伴奏パルティータ第2番&第3番、ソナタ第3番でデビューしたもので、

みんなひっくり返ったのです。特にパルティータ2番の「シャコンヌ」は、西洋文化2000年の最高傑作の一つ、なんて云われるほどの作品です。

弾くにはそれ相応の覚悟が要ると思われます。ということは、ハーンは、それだけ、才能と自信があったのでしょう。

ですが、お薦めするには、無伴奏はちょっと重いのです。

最初はバッハのバイオリン協奏曲が良いとおもいます。

協奏曲第1番は、颯爽、かつ毅然として、背筋がピンと伸びるような音楽です。

第2番は暖かくて上品(一番が下品ってわけじゃないよ)。

そして、「二つのバイオリンの為の協奏曲」があります。

実は私はこれが一番好きなんですが、2人のソロバイオリンの掛け合い、難しい言葉だと対位法というのでしょうか。

二本のバイオリンが違う旋律を奏でながらも実に上手く絡み合うのです。

ソロが奏でるメロディーの初め、音の跳躍がとても印象的です。


◆ヴァイオリン名曲ア・ラ・カルト ギトリス(イブリー)

月並みな表現しか出来なくて残念ですが、「個性的」という言葉はギトリス先生の為にあるのではないか、と言うぐらい独特の、誤解を恐れずに言えば「癖のある」演奏です。

それは奇を衒っているのではなくて、ギトリス氏にとって自然な演奏なのでしょう。

慣れるとやみつきになります。ヴァイオリン名曲ア・ラ・カルトです。

楽しい曲ばかりです。この中で簡単にギトリス先生の「個性」が分かるのは「金婚式」だと思います。

この曲は、プロの演奏家はもちろん、弾くだけならアマチュアでも弾ける曲ですけど、こんな簡単な曲ですら、独自の感性で演奏している。

気をつけて聴くとすぐ分かりますが、最初から終わりまで常にテンポが変化するのです。

普通の4拍子なのですが、一拍といえども同じ長さにならない。伸び縮みするんです。

でも、聴いていてとても心地よい。却って自然に聞こえます。こうなると、一定のテンポで弾く方がむしろ不自然なのかも知れないと思います。

音も美しい。バイオリンの魅力を一枚で知りたいと言ったら、これです。


◆気を確かに持って聴かないと気絶します。「テューバ・カーニバル」エイスティン・ボーズウィック (Oystein Baadsvik)

お薦めするのは、Tuba Carnival です。

先日はトロンボーンで「熊ん蜂の飛行」を吹く男。を御紹介しました。

プロのクラリネット奏者の方から、トロンボーン奏者の世界では、リンドベルイというトロンボーン奏者は、「変態だ」(無論、これは敬意を込めた表現なのです)と言われている、と教えていただきました。

そうなると、このボーズウィックというテューバ奏者は「異常者」ぐらいで丁度良いのではないかと思います。

トランペットからテューバまで金管楽器の勉強にはアーバンという人が書いた教則本を使いますが、

そのアーバンが書いたベニスの謝肉祭変奏曲という、とても難しい、目の回りそうな早いパッセージを吹きまくる難曲があります。

比較的小回りが利くトランペットですら、誰でも吹けると言うわけではありません。それを、何と、チューバで吹きこなしている。

実はこの人が初めてじゃないのです。「ベニスの謝肉祭」をテューバで吹くのは。

この人のすごいのは、まだテクニックに余裕があるのです。

テクニックギリギリの限界で演奏すると、如何にもしんどそう、無理してるな、と分かるものですが、そうじゃないのです。音楽的なのです。

でかいラッパだからと言って大きな音を不必要に出すことを絶対にしない。だからお薦めするんです。

更に一言付け加えるなら、最初に録れてある、ヴィヴァルディの四季から「冬」。

四季ってのはバイオリン協奏曲ですが、そのバイオリンパートをテューバで正確に吹いているのですね。一体どういう人なんだ・・・。


◆この女性がプロのトランペット奏者だと想像できる人は地球上にいないと思います。

さて、最後は、トランペットです。最近は上手い人がどんどん出てくるけど、女性でここまで上手い人を私は知りません。


この人の写真だけ見て、ラッパ吹きだと分かる人はいないと思うのですが、演奏を聴くと、男とか女とか関係ない。

Bach: Works for Trumpet。Alison Balsom(アリソン・バルサム)という人です。

完璧なテクニック。トランペットでバッハの無伴奏バイオリンソナタ、パルティータの一部を吹いてしまった凄腕です。

この他、このCDにはマルチェルロのオーボエ協奏曲で「ベニスの愛」という映画で使われたことで有名な曲も録れてあります。



いま、発見したのですが、オリコンで試聴、ダウンロード出来ます。

CDより当然ながら安い。Windows Media Playerがあれば聴けます。

オリコンというのは、昔は歌謡曲のヒットチャートを出す会社だったのですが(今もやっていますが)、クラシックのダウンロード配信までしているとは知らなかった。

しかもこんなマニアックな録音を配信しているとは。ちょっと、驚きました。

今日は、全く統一性がないのですが、一枚ずつ御紹介していくのがじれったいので、まとめて書きました。

ご了承下さい。


2005年07月18日(月) 緊迫郵政:解散風? 与野党、にわかに選挙準備に走る←当然解散するべきでしょう。
2004年07月18日(日) <曽我さん一家>インドネシアを出発 今夕、羽田に到着 一家が再び離散するようなことがなくて、本当に良かった。
2003年07月18日(金) 病気や病人を理解しようとしない者は怠け者である。

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