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JIROの独断的日記
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2006年02月05日(日) 「イラン核、安保理付託 IAEA緊急理、賛成多数で決議」←安保理「付託」っていうとちょっと深刻なんですよ。

◆記事:イラン核、安保理付託 IAEA緊急理、賛成多数で決議(産経新聞) - 2月5日2時38分更新

 

 【ウィーン=黒沢潤】国際原子力機関(IAEA)緊急理事会は四日、イランの核問題を国連安全保障理事会に付託する決議案を賛成多数で採択した。

 イランに対する国際社会の圧力は強まり、発覚から約三年半が経過したイランの核開発疑惑は新たな局面を迎えた。

 決議はイランの核開発に深刻な懸念を表明し、ウラン濃縮関連活動の停止を勧告、

 IAEAに安保理付託を求めた。理事国三十五カ国のうち二十七カ国が賛成、三カ国が反対、五カ国が棄権した。

 米国など安保理の五常任理事国は、三月上旬のIAEA定例理事会まで安保理が具体的行動を取らないことで合意しているが、

 常任理事国のロシアと中国は経済制裁に反対しており、安保理が今後、一致した行動を取れるかは不透明だ。

 イランは二〇〇四年十一月、英仏独三カ国との交渉で、ウラン濃縮関連活動を停止したが、

 先月十日、核研究開発活動を再開し、国際社会から批判を浴びている。

 IAEAから安保理への付託は二〇〇三年二月の北朝鮮核問題以来となる。



 【決議の骨子】

 


  • 保障措置(核査察)協定の義務に対するイランの度重なる不履行、不順守を確認

  •  核開発計画の重大点が解明されていないことに深刻な懸念を表明

  •  事務局長に国連安保理への付託を求め、イランにIAEAの解明努力への協力を求める

  •  イランのウラン転換活動およびウラン濃縮活動の再開措置に深い遺憾を表明



◆解説&コメント:何が問題になっているのか?

 

 人間ってのは、バカで勝手ですね。

 一応説明します。

 イランは、1970年に「核不拡散条約(NPT:Treaty on the Non-Proliferation of Nuclear Weapons)」に加盟しています。

 この条約自体、勝手な内容です。

 「核保有国と認められている」アメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中国以外の国は核兵器を開発し、保有してはいけない、という条約です。



 とにかく、イランはNPTに加盟しているので、国際原子力機関(IAEA)という国連の「関連機関」の査察を受ける訳です。

 抜き打ち検査です。内緒で核兵器を作っていないか、調べる。



 まず、2002年にイラン中部に核施設が存在することが、イランの反対派のチクリで発覚しました。

 こりゃ、大変だって云うんで、翌2003年6月、IAEAが査察したら、イランはこっそり核兵器の原料となる物質を輸入していることがバレてしまいました。

 それで、やり玉に挙げられて、イランは一度2004年に「ウラン濃縮関連活動を止めます」と英国などヨーロッパの三カ国と約束したのです。

 ところが、昨年(2005年)8月、ウラン濃縮の前段階に当たる「転換作業」を再開していることが判明しました。

 それで、いろんな国が騒いでいるのです。約束違反だと。

 まず、核不拡散条約(NPT)に違反して、2004年欧州三カ国との約束も破った、ということですね。


◆国連安保理に「付託」っていうと、穏やかじゃないのです。

 

 国際原子力機関(IAEA)は憲章で、加盟国の協定違反などが有った場合に、国連安全保障理事会と国連総会に「報告する」と規程しているのです。

 「報告」は文字通り報告で事実を伝える、ということですね。

 ところが、「国連安保理付託」

 「国連加盟国に対する経済制裁や軍事行動などの強制措置を決定する権限を持つ安全保障理事会に対応を委ねる措置。」

 ということで、「何とかしてくださいよ」というニュアンス。

 はっきり言えば、IAEAが安保理に「イランに『おしおき』してください」と主張していることになります。



 こうなると、安保理は何らかの制裁措置、普通はまず経済制裁ですが、そういうことを決める可能性が高い。

 そうなったら、イランは余計ムキになるでしょうね。

 イランは、ウラン濃縮を始めたと云っても、まだ核兵器そのものを持っているわけではないのです。

 「作ろうとしている」のがけしからん、と他の「核保有国」が主張しているのです。

 滑稽だと思いませんか?


◆イランが核兵器を開発してはいけないのなら、何故、安保理常任理事国は核保有して良いのか?

 

 結論から言えば、国連は第2次世界大戦の「連合国」つまり勝った国、あるいはそれに味方した国、

 または、逆らわなかった国が中心になって作られているからです。

 60年以上前の戦争で勝った国が、現在、核兵器を保有するのは当然だ、と言う主張を合理的に説明することは不可能です。

 安保理常任理事国だけが核兵器を持って良いというのは明らかに理不尽で、

 こんな物騒なものは、世界中、どこの国も持ってはいけない、という決議をするべきなのですが、

 何しろ保有国ばかりが常任理事国だから、自分たちに不利な決議をするわけがないのです。


◆イランは何故核兵器を持とうとするのか?

 

 一般的にいえば、弱い国ほど持ちたがるのですね。

 北朝鮮を見れば分かるでしょう?食い物が無くて餓死者が出ている。

 本来、核兵器どころではないはずです。
 しかし、現実には「核兵器をつくるぞ」といって、完全に世界を振り回している。

 北朝鮮の国力(GDP)なんて日本の200分の1ぐらいなんです。それで他の国からひねりつぶされないのは、核をちらつかせるからです。

 なんだかんだ云って、核兵器は、国際関係で切り札になってしまうのです。

 日本だって、それは作ろうと思えば作れるけど、絶対に作らないのが偉いのです。これを変えてはいけません。


◆結論:目くそ鼻くそを笑うですよ。

 

 各国のマスコミ、特に欧米人、とりわけアメリカは「イランは約束を破って核兵器を持とうとしている危険な国だ」と盛んに喧伝していますが、噴飯ものです。

 ブッシュさん。お前の所が一番危ないんだよ。

 イランの核兵器開発は歓迎できませんが、どこの国も歓迎できない。

 そして、既に持っている核兵器を決して手放そうとしない、常任理事国五カ国は偉そうなことを言えた義理ではないのです。


2005年02月05日(土) 「トランペット・ヴォランタリー」 (モーリスアンドレ)ぜったいに、「スカッ」とした気分になります。
2004年02月05日(木) 「米兵輸送は戦争加担でない 参院予算委で首相表明」小泉君がどのように、約束を破るかをお見せしましょう
2003年02月05日(水) イラクが核兵器開発を否定。米パウエル長官「証明してみろ」←「無い事の証明は出来ない」のだ。

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