外国為替証拠金取引
JIROの独断的日記
DiaryINDEXpastwill


2005年12月28日(水) 「プロジェクト X」は、やはり、良い。

◆NHKで「プロジェクトX」特集を放送していましたね。

 

 「プロジョクトX」が終了するにあたって、「視聴者が選んだプロジェクトX」を放送している(12月28日(水)21時40分現在)。

 昨今、NHKに対する風当たりが強く、受信料の支払いを拒否する人は「プロジェクトX」を見たことがあるのだろうか?

 他にも優れた番組はあるかも知れないが、少なくとも誰もが見られる時間帯に放送された番組で、

 これは、極めて少ない「見るべき」番組だった。

 仕事をしている人間なら、「青函トンネル」、「VHS」、「スバル360」、「富士山レーダー」、

「生体肝移植」、「南極観測隊」(あくまで、たまたま今、私の頭に浮かんだテーマを書いただけで、それ以外の「作品」が劣るという意味では決して、無い。)

 を見て、感動しない方がおかしい。


◆かなり、忠実に丹念に取材している。

 

 この番組を作った中核は30代のNHKスタッフだというから感心する。

 しかも、ヤラセは入っていない。

 「生体肝移植」に関しては、親戚があのチームにいたので、実際の様子を聴いていたし、親戚の者も、

 「番組の内容で事実に反することは一つもない(もちろん、番組で取り上げていない、細かい話は沢山あるが、

 それは、番組を一定時間内に収めなければならないのだから、やむを得ないだろう)」、と云っていた。


◆泣けますよね。

 

 あの番組を見て、泣いたことがあるか否かで、その人間の感受性がある程度推察できる、と私は「独断的」に、思っている。

 感受性は、さておき、 毎回感心するのは、登場する市井の一般人が皆、持っていた「仕事への責任感、使命感」、である。

 スバル360を作った人々は、途中、強度に問題があることがわかり、はじめから設計をやり直した。

 青函トンネル工事中に岩盤が崩れ大量の海水が流入したとき、責任者は、逃げようとしなかった。

 日本で初めての生体肝移植を行った島根医大の永末医師は、もしも、手術が失敗したら、

 大学を追われるどころか、医師を辞めなければならないことまで、覚悟した。




 いけしゃあしゃあと、人命に危険を及ぼす可能性がある、欠陥建築物を設計したり、

 売ったりしている今の一部の人間が 同じ「日本人」と思いたくない。


◆リヒテルが愛した日本製のピアノ

 

 ヤマハのピアノ職人は、「18世紀のモーツァルト、19世紀のショパン、20世紀のリヒテル」と呼ばれるほどの20世紀最高のピアニスト、

 スビャトスラフ・リヒテルが、世界の名器スタインウェイよりも気に入るピアノを創りあげた。

 「あの世界のリヒテルが日本人がつくったピアノを愛用している」という話は瞬く間に世界に広まった。



 リヒテルは飛行機嫌いで、日本に来ることは無い、と云われていた。

 しかし、すっかりヤマハのピアノを気に入ったリヒテルは、1970年、万国博覧会の際に初来日した。

 なんとシベリア鉄道でナホトカまで来て、船で大阪に着いたのだった。



 日本を気に入ったリヒテルは、1979年、3度目の来日の際に、「私のピアノを作ってくれているヤマハの人たちへのお礼に、工場で演奏をプレゼントしたい」と云った。

 びっくりしたヤマハ(浜松)の人々は大いぞぎで工場内のピアノ試聴室に、ピアノを整えた。観客は作業服姿のピアノ技術者ばかりである。しかし、リヒテルは云った。

 

「私はこれほど緊張して演奏した記憶がありません。何故なら、ここにいるのは本当にピアノを愛している人たちばかりだからです」

 コンサートは2時間も続いた。ピアノ職人達は、自分たちのピアノに命が吹き込まれた、と涙を流した。


◆株でいくら儲けても・・・・。

 

 今日も、日経平均株価は年初来最高値を更新した。明らかにバブルである。

 全国消費者物価指数が前年同月比+0.1%だったからといって、デフレ終了、景気回復というのは、早計である。



 今年は、「ヒルズ族」にマスコミが群がった。

 目立つ存在にブンヤ(新聞屋=新聞記者)やテレビ屋が群がるのは今に始まったことではない。

 しかし、彼らはもてはやされるに値する存在ではない。

 村上ファンドに代表される、ファンド(マネージャー)が自らは何も作りださない。サービスも提供しない。

 つまり、何一つ他人様の役に立つことをしているわけではなく、他の会社の株を買って、値上りしたら売って差益をあげているだけである。

 最近では、素人までが、仕事を辞めて自宅でデイトレーディング(1日の中で何度も売買を繰り返し、細かく収益を積み上げていく投機方法)をするらしい。

 それで大儲けしたお嬢ちゃんが「先生」と呼ばれ、講演会を開くと、欲に目が眩んだ連中が殺到する。



 勿論、資本主義経済であるから、株式を買ってくれる人がいなければ、株式会社が成り立たない。

 自己資本が集まらない。その意味では株式投資は「悪いこと」ではない。

 だが「投資」とは、長いスパン(期間)で行うもので、本業をほったらかしてチョコマカ売買することではない。


◆もしも、世の中皆が株に熱中したら、国は潰れる。

 

 しかし、世の中全員が、「真面目に働くのはアホくさい」といって働くのを辞め、自宅にこもって株の売買に熱中したら、大変なことになる。

 食べ物を作る人。或いは海外から輸入する人がいなくなる。売る人も株に熱中するのでいなくなる。とたんに国民は飢えてしまう。

 電気・水道・ガスがとまる。社員が全員株に熱中して仕事をしないからだ。

 投資どころか、凍死する人が続出するだろう。

 電車もバスもタクシーも姿を消す。

 医者も看護士も株の売買に熱中し、いなくなる。病気の人を手当てする人間がいない。

 大怪我をしたら最後、じっと死ぬのを待つだけだ。


◆虚構の世界に夢中になってはならぬ。

 

 このように考えると、何もモノ・サービスを作り出さないで収益だけ上げている連中は、

 世の中の大多数の人が真面目に汗水流して働いているからこそ存在できる、狡い存在であることが分かる。時代の寵児でも何でもない。

 日本人は、たった十数年前、土地への投機を繰り返していた不動産屋達、一般企業、そして彼らにカネを貸した銀行が、

 地価の暴落=バブルの崩壊とともにどういうことになったか、もう忘れてしまったのか。


◆「プロジェクトX」の日本人を思い出せ。

 

 何と言っても勤勉に働き、良質のモノやサービスを作り出す人々が日本を支えてきた。

 今も支えられている。

 これからも支えられてゆく。

 株でいくら金持ちになっても、「リヒテルが愛したピアノ」を創りあげた人々のように、

 世界の称讃を浴びることは、絶対にないだろう。


2004年12月28日(火) <インド洋津波>「日本の防波壁が首都を守った」モルディブ こういうのを「人道支援」というのでしょう。
2003年12月28日(日) 「イラン地震で自衛隊派遣、首相が検討を指示」←これは、良い事だ。
2002年12月28日(土) 天皇陛下、前立腺癌との診断。御快癒をお祈り申し上げます。 <バリ島爆弾テロ>容疑者が日本向けテロを予告 HPで

JIRO |HomePage

My追加