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2005年09月26日(月) |
ショパンのワルツとか、どうですか? |
◆ショパン・コンクールってのが、ついに始まりました。
一昨日からワルシャワでは5年に一度のショパンコンクールが始まってます。
とにかく、世界一権威のあるピアノ・コンクールです。
「クラシック」、「権威」と聴いただけで、反感を覚える人もいるでしょうね。 まあ、そう、ムキになりなさんな。
ここでいう「権威」とは、「評価が正しい」ということなのです。
上手いピアニストは若い人でも沢山いますよ。そりゃもう、並のピアニストだって、子供の頃は神童と言われていたのだから。
だから、テクニックなんかはもうできあがっている人ばかりなのですね。そんなのは、最低条件(にもならないかな?)。
但し、ただ、「上手い」というだけではダメで、将来そのピアニストがどれぐらい伸びるか。
難しく言うと、どれだけ、この先音楽的に成熟するか、ということを見極めるのは大変難しい。
はっきり言って、そういう天賦の才があるかどうかは、天賦の才がある人にしか分からんのです。
ショパンコンクールで優勝した人が、その後全員世界的なピアニストになったわけではないけれど、アシュケナージ、アルゲリッチ、などなど、
もの凄い大家は、皆、若い頃、ショパンコンクールで優勝したり、2位になっている。
それだけ審査員の耳が確かだということ。それから、聴衆。これは一般人だけど、彼らの評価が厳しい。これは採点には影響しないけど、
耳が肥えた客ばかりというのは、弾く人間にとっては怖いよ。
権威があるというのはそういうことです。
◆ショパンっていうと、ナヨナヨした感じがします?
なんか、病弱で、神経質で、ジョルジュ・サンドに捨てられて非業の死を遂げた「ピアノの詩人」ということになりますね。日本だと。
まあ、そう言うこともあるけど、彼はピアノ曲しか書かなかった人(厳密に言うと、他にもあるが、要するにピアノだけですよ)だけど、大変な数の作品を遺してますね。
作曲ってのは、ナヨナヨしてたら出来ないんですよ。
勿論、インスピレーションっての?創作力という才能は不可欠だけど、それだけじゃ、ダメなのです。
単純に音符を書く作業だけでも、大変な気力と体力がいりますよ。
楽譜が読めない人でもショパンの楽譜を一度開いてみるといいですよ。目が回りそうです。
◆ショパンはモノまねが上手かったらしいよ。
これはね。どこで読んだか忘れたけど、友人達の証言が残ってるのです。シューマンとか、リストとかベルリオーズとかのね。
写真を見ると如何にも、陰気くさいけど、実際のショパンは他人のモノマネがやたら上手くて、
これら作曲家の友達が集まる場所では、しばしば、「お前、なんかやってみせろよ」と請われ、そうするとすぐにノッて来たらいいですよ。
バカ受けしたらしい。
人間の性格、人格ってのは、単純じゃないのですよ。
◆ショパンはね。一度聴いてみてもいいとおもいますよ。おすすめ曲1つめ。
これは、CDで薦めたいのも沢山あるけど、折角、iTunes Music Storeが使えるようになったから、そこから、2曲。いずれも有名なやつ。
ショパンのピアノ曲といっても、ソナタ、エチュード、プレリュード、ポロネーズ、マズルカ、スケルツォ、ノクターンとかいろんなグループがあるのです。
で、取っつきやすいのは、ワルツです。子犬のワルツとか、名前ぐらい聴いたことがあるでしょ?
1曲目。ロマンティックとしか言いようがない。私にはこれを言葉で表現できる才能がないです。
ただね。私はこれを生まれて初めて聴いたとき、背筋がゾクゾクっとした。こんな美しい曲があるかと思ったね。
Waltz No. 7 in C Sharp Minor, Op. 64, No. 2 3:20 Vladimir Ashkenazy
ワルツ第7番、嬰ハ短調、作品64の2って意味です。3分ちょっと。
今、N響の指揮者になっているアシュケナージが弾いたもの。とにかくね。この人は音が美しい。
それからルバートが抜群。
この曲に限らず、ショパンの殆どの曲に言えるけど、ただ弾いてもダメなのです。一定のテンポでずっとこの曲を弾くピアニストがいたら、ぶん殴っていいです。
ルバート、正しくは、テンポ・ルバートといって、一曲の中でも、その部分に最適なテンポはなにか、というのをそれぞれピアニストが自分で考えて、テンポを変化させて弾くのです。
それでこそ、ショパンのロマンチシズムが表現できる。
どのようなルバートを取るか、によって、そのピアニストの音楽性が出るのです。(ショパン以外の作曲家の作品でも勿論ルバートしますが、ショパン弾きは特にそこで、才能が見えてしまうのです。)
イン・テンポ(一定のテンポ)でショパンを弾くのは、芝居になぞらえたら、台詞の棒読みと同じ事。問題外。
アシュケナージは勿論、抜群。
iTunes Store URLは、Waltz No. 7 in C Sharp Minor, Op. 64, No. 2です。
◆2曲目「華麗なる大円舞曲」
これは、どこかで聴いたことがある人多いのではないかな。結婚式とかで弾く人がいるから。
ただ、素人だと大抵下手だからね。面白くない。
これは、景気がいいです。「華麗なる大円舞曲」という訳は、誰がやったのかしらないけど、ぴったりです。
これの聞き所。細かい、マニアックな話なんで余り気にしなくていいです。
言葉で表現するのは難しいが、途中、同じ音を6回連打する音型が何度も出てくるのです。
プロなら出来て当たり前だけど、普通の人がこの曲を練習すると、ここが、かなり難しい。
同じ指で6回叩くのではないのです。それじゃ、このテンポでは、無理。
ピアノでは親指から小指に番号が振ってあって、右手なら親指が1,小指が5ということになってます。
それで、楽譜を見ると、この6回同じ音が続くところでは、同じ鍵盤を指を変えて3,2,1,3,2,1とやるのです。
中指、人差し指、親指を素早く入れ替えて同じ鍵盤を叩く。かなり練習しないと、音の粒が揃わない。
音の間隔が違ったり、強さが均等にならなかったりするわけです。
まあ、アシュケナージは天才だからね。そうことで余り苦労しなかったと思うけど。
聴いている分には、別に難しくなさそうな箇所が、演奏する側にとっては意外に難しいことがありますよ。という例です。
iTunes Store URLは、Waltz No. 1 in E Flat, Op. 18 "Grande Valse Brillante"Vladimir Ashkenazyです。
いずれもご存じ、150円。 まあ、300円ぐらいならいいでしょ? 騙されたと思って聴いてみてください。
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