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2005年08月18日(木) |
二日間、留守をしまして失礼しました。コメント・TB、リンク、ありがとうございます。 |
◆震度6の二日後の宮城県に行って参りました。
滅多に私事は書かないのですが、少々、ご辛抱を。
この二日ばかり更新を怠りました。
何故かというと、ようやく休暇が取れまして、二日ばかり、妻子を連れて大急ぎ旅行ですが、宮城県の松島(あの、日本三景の一つの松島です)と、会津高原に行っていたのです。
今日(8月20日)の夕方帰宅しました。
宮城県では震度6の大地震があったばかりで、極く常識的に考えると、キャンセルするべきかと思いましたが、1.愚息が以前から松島と言うところに是非行ってみたいと言っていたこと。2.自分の身体の調子がここのところ芳しくなく、来年はもう旅行など行けるかどうか分からないこと、を考慮し、かつ、現地では余震は収まっている、という情報を確認した上で、自分で、車を走らせて出かけました。
単なる偶然ですが、東京の多摩地区の自宅から、松島海岸までの走行距離が殆どぴったり400kmであることに驚きました。
◆トラックバック、コメント、リンク、など下さった方々へ:レスが遅れて申し訳ありません。
この2日間で、エンピツのJIROの独断的日記、JIROの独断的日記ココログ版、JIROの独断的日記エキサイト版にそれぞれ、リンク、コメント、トラックバック等、頂戴しておりますが、かかる事情により、レスが遅くなっておりまして、誠に申し訳ございません。
なるべく早くお返事させていただきますので、しばし、お待ちいただければ幸いです。
◆宮城県を実地に見て、日本人は大したものだと思いました。
たかだか1日滞在しただけで結論を述べるのは、やや軽率のそしりを免れないのは承知です。
それでも敢えて書きますが、倒壊している家屋はおろか、殆どの建造物は、まったく損傷を受けていません。
私が止まったホテルも、どこをどう見ても、大地震の後とは、思えない。壁にひび割れぐらいあるかな?と予想していたのですが、全く関係無い。
松島は、8月16日に起きた大地震の震央から、100kmぐらいの所にあります。
あの地震の揺れは東京でも震度4を記録し、さらに、遙か近畿にまで及んでいるわけです。
ですから、松島町は非常に大きなエネルギーをうけているはずなのですが、驚くほど、町内は被害を受けていない(倒壊している家など、一つもないのです)。
宮城県では、過去に何度も大地震を経験しているので、その教訓が生かされて、建造物は、かなりの強度を確保しているのではないでしょうか。この辺りが流石日本人だと思います。
こういうことを他国と比べるのは、不謹慎かつ、相手の国に失礼ですが、例えば、イランでも大地震はなんども起きているわけです。
そのたびに石を積み上げた家が崩れて下敷きになって、多くの犠牲者が出る。
それは気の毒なのですが、驚くのは、その後、イランの人々は全く同じ材料で同じ構造の、つまり石を積み上げただけの家を造るわけです。
で、また、地震があるとそれが崩れて、下敷きになる人が出る。
あのニュースを見る度に気の毒ではあるが、何だか知恵がないな、と思わざるを得ないです。
日本人は、大地震に遭えば、そこから何かを学ぶ訳です。
戦後、完全に焼け野原になった日本の各都市が僅か10数年で、世界が驚嘆するほどの復興を遂げたのは、日本人の優秀さ、勤勉さを物語る歴史的事実ですが、その日本人の優秀さは失われていない、と思います。
阪神・淡路大震災の教訓が新潟中越地震で生かされていないというような批判もありましたが、勿論、細かい事を見ればそういうこともあるでしょうが、それは、評価の基準がかなり高い訳です。
地震の度に同じ材料、同じ構造の石の家を造って、次の大地震で同じ被害者を出す、というのとは、はっきり言って次元が違います。
◆マスコミが与えるイメージと現実との乖離
マスコミは、今回の宮城県沖地震に関して、仙台市のプールの吊り天井が落下して多数の負傷者が出た事ばかりを、やたらと強調して何度も放送しました。
落下した天井の破片を施設の従業員が片付けているところ、大きな穴が開いた天井、実際に被害に遭った方々の「ショックを隠せない」様子。
あればかりを見せられていると、私たちは、なんとなく、仙台市や宮城県全体で、他にもあの規模の「大事故」があったのではないか、という想像をしてしまいます。
ところが、現実は(私が24時間で見た限りの情報ですから、見落としが有るのかもしれませんが宮城県内は大分走りました)、あれほどひどい被害は、多分あのプールだけです。
あれは「例外」なのです。こういうのを「ミスリーディング=misleading判断を誤らせるような」な報道だ、というのだと思います。
松島海岸からは、松島観光の遊覧船も、通常のダイヤ通り運航されていました。
あの立派な瑞巌寺でも、石灯籠が倒れているとか、そういうことは一切ないのです。
マスコミは、センセーショナルな映像を求めます。それは、はっきり言って視聴率を取らなければならないからです。それを考慮に入れなければなりません。
マスコミが取り上げる「惨事」が「一般的」であると、簡単に判断しない方がいい。マスコミに、「ミスリード」されていないか、ある程度懐疑的な見方をした方が良いと思います。
◆衆議院選挙も同じだと思うのです。
衆議院選挙に関する報道も同じだと思います。
多くのマスコミは「郵政民営化の是非を問う選挙ですが」と言います。そういわれると、そうなのかな?と思います。これもミスリーディングな報道だと思います。
それぞれの番組は、世の中の人々の一番の関心が「郵便局」にあるという統計的事実(世論調査の結果)を提示していません。小泉首相の発言をそのままオウム返しにしてはいけないと思います。
小泉さんは、人心攪乱術にひじょうにたけていて、「郵政民営化の是非を問う選挙だ」というと、テレビのワイドショーは「郵政民営化、是か非か?」という話題の取り上げ方をします。
どうして、「小泉劇場」の盛り上げ役になるのか。テレビが郵政・郵政というと、本当に大事なことのような気がしてくるけれども、国民の本心は少なくとも7月までは違ったのです。
6月13日の読売新聞の世論調査では、国民の関心は、
- 景気対策
- 年金など社会保障制度
- 北朝鮮
- 雇用対策
- 治安・犯罪対策
- 少子化対策
- 教育改革
- 税制改革
- 外交政策
- 財政健全化
- 環境対策
- 食品安全対策
- 防衛
- 防災等危機管理
- 政治改革・倫理改革
- 郵政民営化
というわけで、16番目でやっと「郵政民営化」が出てくる。
因みに1位の「景気対策」を上げた人は60.3%。「郵政民営化」を挙げた人は7.5%です。
他の新聞社が行った世論調査でも傾向は同じです。
日経が6月16日〜19日にかけて行った世論調査では、トップが年金・福祉、2番目が景気、郵政民営化は11番目。
東京新聞が7月7日に行った世論調査では、トップが社会保障制度改革(年金など)、2番目が景気対策、3位が財政再建で、郵政民営化は7番目。
順位は少しずつ違うけれども、衆議院が解散されて小泉首相が「今度の選挙は郵政民営化選挙だ!」と叫ぶ前は、国民は、明らかに「郵政民営化」を優先事項と見なしていなかったと思います。少なくとも小泉純一郎氏が云うような「最優先課題」だとは、絶対に、考えていなかったと言い切っていいでしょう。
ですから、何だか知らないけど、小泉首相のご機嫌取りに傾いているテレビ局の「郵政民営化、反対か、賛成か」という「誘導尋問」に引っかからないことです。
そもそも、郵政民営化されたら、具体的に何がどうなるか、有権者が全て理解しているとは到底思えない。
テレビ局だってそれは分かっているはずです。ですから、まず、「郵政民営化で何が変わり、国民にどういうメリットとデメリットがあるのか」を解説するべきだとおもうのですが、わざとそれをしないで、「改革、賛成か、反対か?」と一般国民に訊く訳です。
すると、「『改革』だから、賛成でいいんじゃないの」という反応になってしまうと思います。
それでは、ダメでしょう、そのためにマスコミには解説委員というのがいるんだから、解説するべきです。
◆最後に自民党のマニフェストについて、気がついたことを少し。
上に書いたとおり、世論調査を見る限り、国民は郵政民営化を最優先課題と見なしていないのに、小泉首相は無理矢理、「いや、これが一番大事なことなんだ」と暗示をかけようとしています。既にかけていると言っていい。
「主権在民」です。日本国の主権者は国民ですから、国民が、「郵政は後でいい」といっているのに、それを無視して、「何故、今、郵政民営化が最優先課題なのか」についての論理的説明もなく、ただ「殺されてもいい」とか言っているようではいけません。
国民が常に絶対に正しいとは限りませんけれども、小泉首相は自説に自信があるのなら、合理的説明が出来るはずではないでしょうか?
自民党のマニフェストを読むと、まず、医療制度改革が、ボカしてあります。これは、また、衆議院で多数党となったら、国民の負担を増やす可能性が高いです。
憲法改正については、改正案を出すといっているけれど、憲法改正といったら、第9条のことに決まっているのに、9条とは絶対言わないし、どのように変えるのか、書かずに誤魔化している。これも極めて危険な動きです。
北朝鮮に関しては「拉致問題の解決なくしては、日朝国交正常化なし。拉致問題の解決に全力を尽くす」とありますが、これは、前回の衆議院選挙と同じ事をかいているだけ。
そもそも、どうなったら、「拉致問題が全面的解決」と見なすのかが述べられていない。期限も言わない。これなら、永久に「全力を尽くしているんです」と言い続ければ、ウソにはならない。
この辺が政治家の狡いところです。
その他に関しては、また、次号以降で書きたいと思います。
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