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2004年10月15日(金) |
<無年金者>会計検査院が80万人と推計 現役で払い損も |
◆記事:<無年金者>会計検査院が80万人と推計 現役で払い損も
年金保険料の支払期間が規定の25年に満たず、今後払い続けても老齢基礎年金(国民年金)の受給権を得られない人と、既に無年金者となっている人が推計で約80万人に上ることが、会計検査院の検査などで分かった。国民年金の未納率が36.6%(03年度)に達するなど、公的年金は空洞化が進んでいるにもかかわらず、政府の未納対策は強制徴収の強化など小手先にとどまっており、このままでは今後さらに無年金者が増える可能性もある。
老齢基礎年金は、国民、厚生、共済の各公的年金共通の制度。各制度を合算して25年以上加入した65歳以上の人に支給される。納付期間は例外を除いて60歳になるまで。満額支給なら月額約6万6000円だが、制度への不信感も重なり、国民年金未納率は02年度に過去最高の37.2%に達した。
無年金者が急増する可能性が高いが、社保庁は、海外赴任期間など、年金額には反映されなくても加入期間とみなされる「カラ期間」のデータがないことなどを理由に「現在の人数は不明」というのが公式見解だった。
検査院は、国民年金の未納率が高まり社会問題化しているため、事務の執行状況などを調べた。
その結果、60歳未満の現役の被保険者のうち、今後納付しても期間が25年未満で、“払い損”になるため督促名簿から外している約40万人分のデータを社保庁が持っていることが明らかになった。検査院は、このデータを「現役の被保険者に含まれる無年金者の実態に近い数字」と判断した。
一方、65歳以上の「無年金者」については長妻昭衆院議員(民主)の質問主意書に、社保庁が今年8月、40万7000人と回答。これに60歳未満の約40万人を合わせると80万人を超える。
この数字には60〜64歳のデータが抜け落ちており、無年金者はさらに増えると見られる。無年金者は富裕層を除くと生活保護対象者になるとみられ、財政圧迫要因ともなる。
◆コメント:取り返しが付かない。
日本の役所の世界は実に不思議だ。
税金も、社会保険料も、法律によって国民には納める義務がある。
国民から、カネを取り立てるという意味では、同じような仕事だ。
税金は国税庁、社会保険料は、社会保険庁の管轄だ。この2つの役所と役人にどうしてこれほど差があるのだろう。
税金に関しては、役人はもの凄く厳格に法律に書いてあることを実行する。税務署の調査員や、国税庁の所謂「マルサ」の仕事ぶりは、故・伊丹十三氏・脚本・監督の映画、「マルサの女」を見ればよく分かるだろう。
あれは、本当のマルサに丹念にチェックして貰ったとのことで、現実に近い。言い方を変えれば、税金に関わる役人は有能なのだ。
それにひきかえ、社会保険庁というのは、ザルのように保険料を取り漏れている上、国民が納めた金で、マンションを建てたり、テニスクラブに入会したり、海外旅行に行ったりするとんでもない泥棒野郎だ。
◆保険料を払わなかった人も「自己責任」だから、無年金者になっても仕方がない。
取り漏れる方も悪いが、近頃日本では、「自己責任」の精神を尊ぶので、私もその論理で書こう。
無年金者になっても、自分が悪いと諦めることだ。役所が適切にやってくれるだろう、と甘えているから悪いのだ。
老後は、段ボールでホームレスになるのを覚悟なさることだ、と、いいたいところだが、そうはならないだろう。 記事の最後の段落をお読み頂きたい。
「この数字には60〜64歳のデータが抜け落ちており、無年金者はさらに増えると見られる。無年金者は富裕層を除くと生活保護対象者になるとみられ、財政圧迫要因ともなる。」
この場合、生活保護の財源は真面目に税金と社会保険料を支払っていた人間が納めたおカネである。その分だけ、真面目に納めていた人たちが、本来もっと受け取れるはずだった年金が減るのである。
◆年金掛け金にも、納めない場合の罰則を整備するべきだ。
話はそれるが、NHKを見ているくせに、受信料を納めたことが無い、と「豪語」して、得意になっているバカがしばしばいるが、こういう輩は、自分の未納分が、まともに納めている人の受信料に上乗せされていることに考えが及ばないようだ。年金掛け金も同じ原理だ。
保険料やら、受信料やらを納めていない人は、自分は、他人に迷惑をかけているのだ、という単純かつ明白な事実に気が付かないのか?
税金は、これはもう、納めないと犯罪だが、年金や受信料を納めなくても、ペナルティがないから、納めないのだろう。
従って、税金以外の公的な資金の納入に関しても、未納時の罰則規定を整備することが、一番効果的な政策であろうと思料する。
◆追記:これから、来年にかけて増税の嵐ですよ。知っていますか?
10月、すでに厚生年金保険料が引き上げられた。6月に自民公明連立与党が強行採決した年金改革法に基づいているのだから、しかたがない。
年末調整では、「サラリーマンにとって唯一の減税」といわれていた、配偶者特別控除38万円が廃止。公的年金控除の縮小。
来年1月には、老年者控除の廃止。4月には、国民年金保険料保険料の引き上げ。6月には配偶者特別控除廃止に伴い、住民税が上がる。
自民公明両党いづれかに投票した有権者で、これらを全部把握している人はいるのだろうか?
景気が回復基調にある、と小泉・竹中は口を揃えていうが、こんなに増税したら、個人消費が増えるわけ無いでしょう?景気の足を引っ張っている。
なにを考えているのやら・・・。
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