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2004年10月16日(土) |
アシュケナージ・N響デビュー。大成功。 |
◆アシュケナージ、N響デビュー、大絶賛。
アシュケナージというのはですね。世界指折りのピアニストです。ピアニストなんだけれども、あんまり才能があって、ピアノで出来ることは、大抵やってしまったんですね。ショパンのピアノ曲全曲を録音してしまったり。ものすごく綺麗な音を出す人です。
この人が我が国最高のオーケストラであるNHK交響楽団、通称N響の音楽監督に就任することが決まったのが、ちょうど二年前です。一昨年の10月21日の日記で、私はかなり興奮気味に書いております。
何故、2年もかかるのかというと、こういう世界的・超一流の音楽家のスケジュールは何年も先まで、毎日びっしり埋まっているからなんですね。
で、先週の土曜、台風22号が来ている真っ最中というあいにくの条件にもかかわらず、サントリーホールは満員に近かったというから、すごい。
ベートーベンの、序曲レオノーレ第3番、交響曲第4番、第5番(「運命」ですね)という、オール・ベートーベンプログラムだから、お客さんも楽しかったでしょう。大成功だったようです。名演だったということです。
この曲目は、プロのオーケストラの団員なら、耳にタコが出来るぐらい、何度も演奏しているものばかりだから、下手をすると、ダレるのですが、緊張感が保てたようですね。
この超一流音楽家が、ついに、日本のオーケストラの音楽監督になり、そのデビューコンサートがあったということは、本来、大ニュースなのです。
◆日本の新聞屋の無教養
欧米の新聞のWebサイトを見ると、フレームになっていて、例えばNY Timesなら、International、National、Washington、Campaign 2004、Business、Technology、Science、Health、Sportsと上から並んでいて、次にArtという欄があるわけです。Artをクリックすると更に、美術、演劇、音楽、と分かれていて、音楽は更に、ジャズ、クラシックという風に細分化されてます。
この「クラシック」というページには、ほぼ毎日、演奏会の批評が載っているのです。ニューヨークタイムズの首席音楽論説委員という人がいて、凄く影響力があるのです。今は引退しましたが、長年、このポジションには、ハロルド・ショーンバーグという人物がいて、この人は音楽の専門家と同じぐらいの勉強をしています。ピアノでオーケストラの楽譜を弾く、などという、指揮者や作曲家と同じぐらいのレベルなんです。
要するに、あちらのジャーナリズムは、このような、日々の金儲けには役に立たない、しかも愛好者が少ないクラシックにも、それだけの人材を登用している、ということです。 ところがですね。アシュケナージのデビューコンサートという、大イベントがあった翌日、これを報じていた日本の全国紙はひとつもありませんでした。
まあ、そうだろうと予想していましたが、ちょっと失望しました。
◆世界有数の音楽家が日本のオーケストラを高く評価している、というのは、ニュースなのですよ。
唯一、どういう訳か、THE DAILY YOMIURIという、読売の英字新聞だけが、かなりのスペースを割いていました。
アシュケナージは「このオーケストラは、高度な訓練を受けている、世界レベルの一流オーケストラだ。そして、長年、ドイツの指揮者、ウォルフガング・サバリッシュ氏の薫陶を受けているので、ドイツ音楽なら、何でも弾ける。これは、どのオーケストラにも出来ることではないのだ」と高く評価してくれています。非常に誇らしい。
これは、お世辞じゃないですよ。下手なオーケストラを「上手い」と云ったら、アシュケナージ氏自身の音楽性が疑われてしまうのですから(N響は最近、毎年のように海外公演をしています)。
こういう情報は、海外に積極的にアピールするべきなんですけどねえ。小泉首相は先日、ウィーンのオペラハウスが来た時は、姿を見せたけど、日本人の演奏会には、決して来ない。 もっと我が国の音楽家の優秀さに注目して欲しいですね。
2003年10月16日(木) 「<パレスチナ>帰還権放棄を言及 神殿の丘領有と引き替えに」 ものすごく大雑把なパレスチナ問題の基礎知識
2002年10月16日(水) 1.2880年、日本沈没? 2. 「働く女性の六割はうつ状態」