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JIROの独断的日記
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2004年10月02日(土) 1.「米イラク・サマラ爆撃。武装勢力、老人、女性子供109人死亡」2.「大量破壊兵器なし」米国務長官が明言 小泉さん。説明を。

◆記事1;米・イラク軍と交戦、サマッラ武装勢力109人死亡

 

【カイロ=柳沢亨之】武装勢力が占拠するイラク中部サマッラで30日夜から1日午前にかけ、米、イラク両国軍と武装勢力が激しく交戦した。米軍によると、武装勢力109人が死亡。ロイター通信は地元病院の話として、女性や子供、老人計23人が死亡したと伝えている。

 米軍などによると、両国軍は兵力約3500人で市中心部へ入り、主要な政府施設やモスクを制圧した。その際多数の家屋も破壊された。米CNNテレビが米軍当局者の話として伝えたところでは、サマッラの武装勢力は2000人以上で、うち250人が外国人という。

 サマッラは、ファルージャなどバグダッド西・北方「スンニ派三角地帯」の都市の一つ。米国は来年1月の国民議会選挙を前に、主要都市を制圧する方針で、今回の交戦も武装勢力掃討作戦の一環と見られる。ただし、パウエル米国務長官は「部族指導者との協議重視」の方針を示してきただけに、大規模攻撃は部族指導者たちの反発を招く恐れもある。


◆記事2;<イラク>「大量破壊兵器なし」 米国務長官が明言

 

【ワシントン和田浩明】パウエル米国務長官は1日、米国がイラク戦争開始の大義とした旧フセイン政権の大量破壊兵器について「我々は今、彼(フセイン元大統領)が備蓄を持っていなかったことを知った」と明言した。また、米主導の現地調査団が大量破壊兵器に関する最終報告書を来週発表することも明らかにした。

 同長官は先月の議会証言でも、備蓄の発見は「ありそうもない」と語ったが、今回の発言は、不在を公式に確認したものだ。


◆コメント:イラクの主権は法的には暫定政府にあるのだから、アメリカはさっさとひきあげろ。

 

 今年の6月1日をもって、イラクの主権は暫定政府に移行されたのである。少なくとも法的には。

 その2日前、ブッシュ大統領自身が、明言している。

 「イラクの暫定政府は完全な主権を備えたイラク民衆の政府になる」

 つまり、イラクは、既に、イラク人自身によって統治されるべきであり、アメリカがいつまでも駐留していること自体が、主権の侵害である。

 アメリカは、反米武装勢力を掃討しないと、2005年1月に予定されている国政選挙が円滑に実行されない、というのであるが、大きなお世話である。

 アメリカは、世界最大の埋蔵量を誇るイラクの油田と、イラク復興事業をブッシュ政権の閣僚が関係している企業が受注して、一儲けすることが目的で、いつまでもイラクからいなくならないのは、世界中に知れ渡っている事実である。

 イラク暫定政権が国内を統治しようとしたが上手く行かず、国連に支援を要請する。そのときの状況に応じて、平和維持軍なり、多国籍軍を派遣することを、国連安保理が改めて決定する。このようなプロセスを経なければ、現在のイラクに外国の軍隊がいるのはおかしいのである。 今、海外の軍隊がイラクに駐留しているのは、侵略に等しいのである。

 反米武装勢力というが、他人の国に、主権を侵害して居座って、女子供を殺しているアメリカ人に反抗する勢力がイラクに存在しなかったとしたら、その方がよほど不自然だ。アメリカ人こそ危険なのだ。アメリカ人はテロとの戦いというが、結局この1年、アメリカが世界最大のテロ組織ではないか。


◆コメント2:大量破壊兵器が無いことを米国が正式に認めた。謝れよ。

 

 大量破壊兵器がたとえ、あったとしても、イラク戦争は違法であった、ということは、過去に、この日記で何度も書いたが、まだ、それを知らない人が沢山いるようなので、何度でも書く。

 現代国際社会においては、武力行使は原則として違法行為であり、例外は国連憲章により規定された、2つのケースだけである。

 1つは、個別的自衛権を行使するケース。

 2番目は、安保理が国際紛争解決のために多国籍軍を派遣することを合法的に決定し、その多国籍軍に参加した場合、である。

 イラク戦争が始まってから、マスコミや、テレビ中継される国会審議の場で「イラク戦争の大義」という言葉が何度も流れているが、そもそも、そんなものは大量破壊兵器の有無にかかわらず、存在しない。それは、昨年、アメリカが戦争を始めたときには、前述した2つの例外のどちらにも該当していなかったからである。


 

 誰が一番悪いかと云えば、間違いなく、ブッシュ大統領である。イラクの脅威をCIAが誇張して報告したとか、責任をなすりつけようとしているが、大統領は最高責任者なのだから、CIAが失策をしたなら、その責任は、最終的に大統領に帰する。

 そして、いくらブッシュが頭が悪いといっても、国際法が戦争を原則として禁じている、ということぐらいのことは、国連憲章を読めば分かる程度の知能はあるはずだ。もしも、国連憲章に書いてあることが面倒くさくてわからないのならば、ブレーンが大勢いるのだから、大統領執務室に呼んで、分かりやすく説明してくれ、といって、納得がいくまでレクチャーを受ければよかったのである。

 しかし、これは「きれいごと」だ。

 ボブ・ウッドワード(ウォーターゲートでニクソン大統領を辞任にまで追い込んだ、ジャーナリスト)著、攻撃計画や、ブッシュの戦争を読めば、911の直後から、ブッシュは何とか理由をつけて、イラクに戦争を仕掛けようとしていたことは明らかである。

 世界中が、イラク戦争に反対していた。国連の査察団は、更に何ヶ月か査察を続けるべきだと、主張していた。また、アメリカ国内の何十という市長、40名のノーベル賞受賞学者、1万を超える大学の学部、音楽家、俳優、あらゆる階層が反対署名をしていたし、ヨーロッパ主要各国の都市で、ベトナム戦争以来のものすごい数の反戦デモ(ロンドン40万人、パリ10万人等々)が行われた。オーストラリアでも、日本でも、韓国でも反対でもに何万という人が参加した。

 にも、関わらず、ブッシュは、「イラクは大量破壊兵器を保有しており、それが明日にもテロリストの手に渡り、また、911のようにアメリカが攻撃されるかもしれない」という、法的になんら正当化されない理由で、イラクに武力行使を始めた。

 我が国の内閣総理大臣は、大量破壊兵器があるのならば、アメリカの攻撃は正しいと、これを支持した。

 2週間前、国連で演説した後、小泉純一郎内閣総理大臣は「今でも、イラク戦争は正しかったと思っている」といった。少なくとも、小泉首相が米国を支持する根拠としては、大量破壊兵器の存在の可能性が高い、ということしか、なかった。


 

本日、米国の国務長官により、正式に「大量破壊兵器は存在しなかった」ことが確認された。

 アメリカの勝手な行動の所為で、何万人もの無辜のイラク人が殺され、また、米国兵士の死者数も1000人を超えた。世界は、以前よりも危険になった。ブッシュ大統領=米国は世界に謝罪するべきである。 

 小泉首相は、国民に対して、自らの判断の誤りについて、何の釈明もなさらないおつもりですか?


2003年10月02日(木) 小泉氏が内閣総理大臣になったときの公約を覚えていますか?
2002年10月02日(水) うつ病

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