JIROの独断的日記
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ひところ落ち着いていた自分のうつ病が、このところまた悪化している。この病気にかかると全てが灰色に見える。今まで楽しいと感じていた音楽や本に興味を失う。ひどく疲れやすくなる。眠れなくなる(だからこんな時間に書いている)。そして、死にたくなる。 3年前に首を吊った。幸か不幸か首を吊ったのがネクタイで、それが途中で切れて一命を取り留めた。しかし、首を吊って意識を失うまではあっという間だった。苦しくも何とも無かった。だから、また死のうとするかも知れぬ自分が怖い。しかし、基本的にうつ病は脳の病気、正確には脳内神経伝達物質のバランスが崩れて起きる病である。膵臓から分泌されるインスリンが足りなくなれば、糖尿病になる。似たような現象が内臓で発生するか、脳内で発生するかの違いである。人格が未熟だからうつ病になるのではないのだ。 この病気になってから、所謂メンタル系のサイトを見て回るようになった。多くの人が周囲の無理解によって、余計に病状を悪化させている事がわかった。悲惨という以外に言葉を知らない。会社の上司に「お前、逃げたいんだろう!」「要するに、怠け者なのだ」などという罵詈雑言を浴びせられて打ちひしがれている患者が大勢いるのだ。 私に言わせれば、うつ病に関して何も調べず、無責任な言葉を吐く上司こそ「怠け者」である。いまやインターネットという巨大百科事典が目の前にあるではないか。「うつ病 原因」で検索すれば16000件以上のページをヒットする。「部下 うつ病」で12件、「うつ病 周囲 接し方」と入れれば330件以上の答えを見ることができる。これほど簡単に情報を入手できるにもかかわらず、それを怠り、部下を罵倒し、病状を悪化させた者は、これからは障害の罪に問われるべきである。自分の知識の範囲内でしか者を考えようとしない人間は、怠け者であり、人の上に立つ資格は無い、と自覚すべきだ。 昨年、日本で交通事故による死者数は約9000人。自殺者は3万人である。自殺者の7割から8割はうつ病にかかっていたにもかかわらず、適切な治療を受けられなかったものだと言われている。この事実を突きつけられて、何も感じない者がいたとしたら、よほど鈍い人間だろう。
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