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JIROの独断的日記
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2004年09月23日(木) 「プロ野球、スト回避」を「北朝鮮、ノドン発射準備か?」の続報よりも先に伝える日本のテレビニュース

◆記事1:北朝鮮がノドン発射準備か、防衛庁がイージス艦派遣

 

日本のほぼ全域を射程に入れる北朝鮮の弾道ミサイル「ノドン」(射程約1300キロ・メートル)の発射の兆候があることが、日米の偵察衛星や電波情報などの分析で判明した。

 複数の政府関係者が22日夜、明らかにした。

 防衛庁は警戒監視態勢を強化するため、海上自衛隊のイージス艦「みょうこう」と電子戦データ収集機EP3などを日本海とその上空に出動させた。

 日米両政府がノドン発射の兆候をつかんだのは21日午後。関係者によると、北朝鮮東部などの複数のノドン発射基地周辺に北朝鮮軍の車両や軍人、ミサイル技術者などが集結しているという。実際に発射するにしても、「数日後から2週間程度」との見方が強い。

 ノドン発射基地の近くには、ノドンよりも射程が長い弾道ミサイル「テポドン2号」(射程3500―6000キロ超)の地下発射基地もあり、日米両政府はテポドン発射の可能性もあると見て警戒している。

 ノドンは、液体燃料を注入して発射する仕組みで、発射台付きの車両に搭載して移動が可能。沖縄など一部を除き、日本全土を射程に収める。ただ、大部分が地下基地に納められており、液体燃料注入などの兆候は確認されていない。発射台起動の動きもない模様だ。

 発射兆候の情報を受けて、防衛庁は21日夕、海自舞鶴基地(京都)のイージス艦「みょうこう」と佐世保基地(長崎)の護衛艦「ゆうだち」を日本海に派遣した。さらに、電子戦データ収集機EP3を発進させ、24時間態勢でミサイル発射に向けた動向を監視している。(読売新聞) - 9月23日3時9分更新


◆記事2:発射の可能性低いと韓国 北朝鮮の定例訓練か

【ソウル23日共同】韓国統一省の李鳳朝次官は23日、記者会見で「北韓(北朝鮮)でミサイルに関連した活動の一部が認められたが、定例的に行われているミサイル部隊の兵器訓練の可能性が高いと判断している」と述べ、ミサイル発射の可能性は低いとの認識を示した。

 また韓国国防省も同日、米韓情報当局が最近、北朝鮮の弾道ミサイル「ノドン」に関する活動を確認したが「毎年定例の訓練の可能性が高い」と発表した。

 李次官は一方で「米韓情報当局は、ミサイル発射の可能性も排除できないため、引き続き追跡し(事態を)確認中だ」とも述べた。

 ミサイル発射の可能性が低いと判断した根拠については「(事態の性格上)具体的な根拠を語ることは適切ではない」と述べたが、情報当局が判断のための根拠を持っていることを示唆した。(共同通信) - 9月23日13時8分更新


◆記事3:プロ野球、スト回避…選手会とNPBが7項目合意

プロ野球への新規球団の参入時期などを巡り、第2波ストライキを設定していた労組・日本プロ野球選手会(古田敦也会長=ヤクルト)と日本プロフェッショナル野球組織(NPB)との協議・交渉委員会が23日、前日に引き続き名古屋市内で開かれ、7項目の合意文書に両者が合意し、NPB側の瀬戸山隆三・選手関係委員長(ロッテ代表)と古田会長が調印、25、26日に予定されていたストは回避された。[ 9月23日 19時54分 更新 ]


◆コメント:大事なニュースは何でしょう?

 

インターネット上で得られる日本語の情報に限って云えば、読売新聞が「北朝鮮、ノドン発射準備の可能性を伝えたのが、今日の未明、午前3時9分である。その後、同じニュースはテレビでも繰り返し放送したが、13時8分に共同通信が、韓国国防省の「発射の可能性は低い」というコメント(記事2)を報道して以降、情報が途絶えている。

 そして、夕方のニュースでは、ノドンのニュースに一応触れたものの、そのことから国民の注意を逸らそうとするかのように、プロ野球のスト回避(記事3)をトップに近い扱いで伝えた。

 物事には相対的に重要なことと重要でないことがある。

 確かに、実際にノドンが発射される可能性は低いだろう。25日から始まる日朝実務者協議を前に、嫌がらせをしているのだろうが、この世に、絶対、と言い切れる事は少ない。仮に、あの国の首領様がノドンを発射したとしよう。

 ノドンは弾道ミサイルであり、高く成層圏外まで打ち上げられて、そこから、最終的には、段ボールぐらいの大きさの弾頭だけが落ちてくる。

 ミサイル防衛構想というのがあり、アメリカはパトリオットミサイルで迎撃可能だというが、実験で用いられたのは、ロケットと弾頭が一体となった、長さ10メートル、直径1メートルもある大変大きい、実験用標的だった。

 本物のノドンの弾頭は先に書いたとおり、段ボール箱ぐらいの大きさであり、それが、超高々度から、自由落下してきて、最後の方では落下速度がマッハ10にも達するという。

 そんな物体を簡単に打ち落とせる訳がないことは、素人でも容易に想像がつく。

 北朝鮮に関しては核の脅威ばかりが強調されるが、核弾頭というのは、発射する側にとってもリスクが大きい。弾頭を載せた、ロケットを発射するときに、振動などを制御できていないと、発射する前に、爆発してしまい、自分たちが消えてしまう。

 それよりも、オウムが使ったような毒ガスを代表とする化学物質を弾頭に詰めた方が、遙かに安くて、簡単である。

 地下鉄で使われたサリンよりも、更に猛毒のVXという化学兵器がある。常温では液体だが、オウムが被害者の一人の首筋にスポイトで1滴、VXを垂らしたら、数秒で死亡してしまい、オウムも怖くて使えなかったと言う代物であるが、これを北朝鮮は持っているとされる。

 こんなものは、ミサイルの命中精度が高くなくても、一旦、弾頭が壊れれば、気体となり、風に乗って広範囲に拡散して、多数の犠牲者を出す事は必至である。こんな事を書きたくはないが、客観的事実である。


◆要約:物事の軽重を考えて、情報をつたえること(あるいは、それを国が統制しているのかもしれないが。)

 

北朝鮮が、偵察衛星から容易に発見出来るようなやり方で、ミサイル発射準備とも解釈できる行動をとっているのは、多分、ハッタリだろう。大事な食料源である日本にそんなことをしても、北朝鮮になんらメリットはない。

 しかし、実際に発射されたら、今の技術では、自衛隊も、アメリカもこれを打ち落とすことは出来ず、発射後、数分で、日本の国土に落下して、国民の生命・財産に甚大な被害が生ずることは、間違いがないのであるから、こういう情報は、もしも政府が隠しているのならば、止めて欲しい。

 或いは、情報はあるのに、マスコミがこれを最優先で伝えない、という選択をしているのであれば、バカとしかいいようがない。野球と、国民の生命が脅威にさらされるかも知れないという状況。

 物事の軽重を考えて貰いたい。


2003年09月23日(火) 総裁選、内閣改造で大騒ぎして、大事なニュースをすぐに忘れるマスコミと世間。

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