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2004年03月28日(日) |
テレ朝が今夜放送する「パールハーバー」は、内容がでたらめの「超」人種差別映画なのです |
新聞のテレビ欄を見て驚いた。今夜テレビ朝日系列では、開局45周年特別企画と称して2001年にアメリカが制作した「パールハーバー」という映画を放送するらしい。何故、よりによってこんな映画を放送するのか。バカか?
これは、私が見たアメリカ映画の中でも最低の代物である。戦後約50年を経て、なおアメリカ人は日本人に対してこれほどの差別意識を抱いているのかと思うと、まったく憤懣やるかたない。
歴史を知らない若い人はこの映画を見て「感動した」なんていっていたが、バカを言ってはいけない。いまや完全に明らかになっている歴史的事実を、この映画は捩じ曲げて伝えている。
アメリカ海軍の情報部や、ホワイトハウス、ルーズベルト大統領が、「卑怯な日本」に騙されて、混乱するシーン。嘘だ。
アメリカ海軍情報部は、当時、日本海軍の暗号を解読して、真珠湾攻撃を、事前に、完全に熟知しており、ルーズベルト大統領にも伝えていた。ルーズベルト大統領はアメリカ国民の日本に対する憎悪、参戦意欲をかきたてるために、何と、故意に、ハワイにいるアメリカ太平洋艦隊に知らせず、むしろ日本の攻撃を待っていた、という歴史的事実は、アメリカの退役軍人のロバート・B・スティネットという人物らによって、最早議論の余地が無いほど明らかになっている。(ちなみに、スティネットの研究は真珠湾の真実 ― ルーズベルト欺瞞の日々という本にまとめられている。)
この映画を作った連中は、そのことを知らないわけが無いのに、敢えて無視して、史実を歪曲、捏造している。それだけでも許せん。
そして、映画の演出では意図的に、アメリカ人の観客が日本人に対して人種的優越感を抱くような部分が随所に見られる。例えば、日本軍は、真珠湾攻撃を狭義する会議を屋外で行っている。周囲には戦国時代のようなのぼりが建ち並び、周囲で、子供が凧揚げをして遊んでいる。
馬鹿にするのもいい加減にしろよ。日本には海軍省があって、立派な建物があったのである。こんな、最高国家機密に属する案件を、屋外でやるわけがないだろ?映画の中でアメリカ人は、これに対して、同じような会議を立派なビルの中で行っている。
つまり、日本人は「原住民」みたいな文化水準の低い奴らだ、ということを描きたいのである。
また、この映画では、逃げ惑う民間の白人女性や、燃え上がった戦艦から海に飛び込んだアメリカの将校や兵士を、日本海軍の戦闘機が執拗に射撃したように描いている。これも、事実に反する。
真珠湾攻撃では、日本は、軍艦と艦載機、爆撃機しか攻撃していないのである。誤爆・誤射はあった。だから、民間人の犠牲者がいないとはいわない。しかし、結婚前の白人女性が悲劇的にも、卑劣な日本人に撃ち殺された、というシーンなどは完全にでっちあげである。
要するに、アメリカ人は、あくまでも日本人を「卑怯な奴ら」として描きたいのであり、この映画がヒットしたということは、アメリカ人(というか、アメリカの白人)はいまだに、根強い人種差別意識を持っていて、日本人を「黄色いサル」として見下そうとしていることを、物語っている。
この映画に騙されてはいけない。
それにしても、こんな映画を作る国の機嫌をとるために必死になっているわが国の首相は、情けないよ。私は。
2003年03月28日(金) イラクの子供に明らかな心的外傷の兆候が出ている。