|
|
■■■
■■
■ サイード『オリエンタリズム 上』 / ¥1,553 (tax excl.)
森のようなアワダチソウを根こそぎ撤去。 なんか気持ちいい。粛清の快感か。
はるみの小さな木陰に身を潜ませて、サイードの『オリエンタリズム』を読む。 ロンドンでタクシーに乗ったら運ちゃんとサルトル談義になった、とかいう話をどっかで読んだが、農民が休憩中にサイードを読む国なんてのも素敵だと思ったり思わなかったりする。
ノートもとらずにページを追っていって、それであれも読んだ、これも読んだなんて言うのは……と、俺がたった一人研究者としておそれ敬う大学時代の指導教官がおっしゃっていた。 いかんいかん。
基本的には、この日本語訳は俺の一番嫌いなタイプの文章である。 シンプルでやさしいことを、難しくしかめつらしく書いていくのは好きではない。 だいたい漢語を羅列してふんぞりかえってでもいるようなのは最低である。
それはともかく、"inter-textuality"を 「インターテクスチュアリティ」 「テクスト連関」 「間テクスト性」 「テクスト間相互関連性」 などと訳して安閑としているなんて、日本の歴史学者、社会学者の言葉のセンスを疑うよ。
しかも、訳注によると、
(前略)ジュリア・クリステヴァによれば、一個の文学テクストは、先行する諸テクストとの関連性のなかで書かれ、読まれる。したがって、すでに存在する諸テクストの総体から完全に自由ではありえない。
ものすごく、分かりやすいことを言っているにすぎないんだが。 上の4つの「日本語訳」で、これを瞬時に理解できた人がいたら明日会ってみたいです。
ってわけで、とりあえず上巻を読み終えたが、どしっとくるこの手応え、これがこういう本の魔法にほかならない。 文節にいちいち「西洋人(オクシデンタルズ)としては」と限定句(もしくはツッコミ)を挿入しなきゃいけないのはさすが。
こういう本を読んで欧米の奴らの思考回路、発想の根っこを探らなければならない、ということですか。ね。
しっかし平凡社ライブラリーってどれもこれも、納得いかないほど高いよなー。 上下巻それぞれ1,553円(税別)って、そんな文庫本見たのはじめてだよ。
メローイエロー復刻版発売 (from everything is gone)
な、なんだってー!! 懐かしすぎ。
2004年06月15日(火)
|
|
|