マキュキュのからくり日記
マキュキュ


 (日記) 昨日のご老人。


昨日は常連二人(それぞれ一人ずつ)が帰り、その後お客が途絶え、11時も近付いたのでそろそろ看板を消そうかなぁ・・・・・・と思った頃、チャリンチャリンとドアベル(正式名称わからない)が鳴り、見知らぬ白髪のご老人が入っていらした・・・。

見れば高そうなワイシャツの腕にN・Mのイニシャル刺繍が・・・・・・。(マキ中山じゃんねww)
ここ最近、イニシャル刺繍入りのワイシャツをお召の方など見たことがない。

「いらっしゃいませ」と元気いっぱいに声をかけ、さあさ、どうぞとカウンターへお通しする。

「お客様、はじめましてですよね? ようこそいらしてくださいました」と、ご挨拶。
(アタシだって場合によっちゃ、そのくらいの丁寧語は使うんじゃい!ww)

「ところで、ここはカラオケはあるのかね? 私は歌が大好きなんでね」

『ええ、ございますとも』

「じゃぁ、私はビールをいただくとするか・・・。あ、お嬢ちゃんもお好きなものをお一つどうぞ」

『(へっ!? お嬢ちゃんだって・・・・・・照)あ、ありがとうございます。では私はバーボンの水割りを・・・』

付き出しをお出しした後、乾杯をし、「どうぞよろしくです」と、名刺をお渡した。

「へぇ〜こんなところに、こんな店があったとはねぇ・・・」

『どなたかのご紹介でしょうか?』

と聞いたら「いや、なんとなくフラリと・・・・・・」とおっしゃる。

そんな感じで無難な会話が始まり、アタシ はいつものように何気なく質問をしながら何者かを詮索するともなしに探るのだ。(初対面の人との、この時間が楽しくて大好き)

ちょっと秘密主義らしく、「さぁね」とニコニコ笑っているだけで、肝心なところは中々お話にならない。

(コヤツ、中々手ごわいな!?)

と、そのご老人が・・・。

「私は歌が大好きで、とっても上手いんだ。お嬢ちゃんと勝負をしようじゃないか」

『えっ!? し、し、し、勝負ですか? 恥ずかしいですわ。なにとぞお手柔らかにお願いいたします』とアタシも得意分野に話が振られたのでカマトトぶるが、内心はニンマリ。

そこでご老人がルールを説明する。
二人で三曲ずつカラオケの採点ゲームをして、アタシ が勝ったら勘定倍取り。
アタシ が負けたらホッペにキスをさせろ、と言う。
(ホッペくらい、なんのその。第一アタシ が負けるわけ無いでしょ!!勘定倍取り確定ね!!!ウヒャヒャ)

『(おもしれぇ〜じゃねぇか!! 受けて立とうってもんせ←コレ、マツモトベン!!)了解いたしました。ではお受けいたしましょう・・・』

そこで歌合戦が始まった。

ご老人は「悲しい酒」「ラバウル小唄」「リリーマルレーン」と、不思議なバラエティーに富んだ三曲を。

アタシ は「星の流れに」「百万本のバラ」「お吉物語」といった、これまた全く纏まりのない三曲を。

正直、ご老人はぜんぜん歌はうまくないのだが(笑)でも、なぜかアタシャ点数が出ないのよね・・・・・・。出ても80点が過去最高。
ご老人はちっとも上手くないのに、アタシ より全て点数が上じゃぁないか。(悔!!)

3曲ずつのはずがもう一曲歌ってくれというので、苦手な分野なのだが、リクエストの「川の流れのように」を歌ったら、「いやぁ、お嬢ちゃんは歌が上手いなぁ・・・・・・。俺よりは落ちるが、お嬢ちゃんの歌にはなんていうか、ハートがある!!」と大変褒めてくれた。(笑)

「いやぁ今日は楽しかった。また来るからね」

そう言ってホッペにキスをし、満足げに帰って行かれた。

(こんちくしょう!! 勘定倍取り失敗かい!!)

足元がふらついていたので、外までお見送りし、「お嬢ちゃんまたね」というので

『そのお嬢ちゃんはやめてください。アタシ は孫の居る身ですから・・・」と言っておいた。


変わった人だけど、なかなか遊び慣れた雰囲気を感じさせる、オモシロイお爺ちゃんだった。

アタシ はご老人が帰ったあと、なんだか飲み足りなくて、30分ほど店で一人で飲んだ後、代行を呼んだ。

帰りがけの信号待ちで、ふと左脇の路地から、千鳥足で絡み合って歩いている熟年カップルをお見かけし、目を凝らしたら、なんと、先ほどのご老人ではないですか・・・。
(爺ちゃん、なかなかヤルやんけ!!)

代行の運転手に「あの人さっきまで店にいた人だわ」と告げると、運転手さんが「へぇ〜。ママの店のお客さんの割には、随分年配のお方だね」と。

思わず「先程はありがとうございました〜!」と、声をかけたら、女性はどこかの店のマダムらしく、「はぁ〜っ!? 何ですか?」と、ちょっとおっかない顔で近づいてきた。

(ヤバッ!!クワバラクワバラ・・・汗)

と、丁度そこに一台のチャリが通りかかったので、アタシャ慌てて「「あっ、あの自転車の人がさっきお店に来てくれたもんですから・・・」とごまかしたら、女性が「あっ、そうなの・・・オホホ」と安心したようなお顔に早変わり。まさかあのご老人の愛人!?(笑)

代行の運転所がゲラゲラ笑いながら「さすが!!!ママは上手いなぁ〜」と超ウケていた。

果たして、あのお爺ちゃんは本当にまた来るだろうか・・・・・・。
かなり千鳥ってたし、きっと店がどこにあったかも覚えちゃいないだろう・・・・・・。

ご老人が帰ったあと、掃除をしたら、アタシ があげた名刺、ちゃっかり床に落ちてたし・・・・・・(笑)


2012年10月04日(木)

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