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■ (日記) 金子由香里に咽び泣く
すばらしい一日だった・・・・・・。 やはり、昨日は全ての不安要因からいったん解き放たれ、どっぷりと金子由香里に浸れた、本当に本当に、良〜〜〜い一日となった。 金子由香里のリサイタル・・・。それに行けただけで、今までの苦難が全てリセットされ、今日から又新たに歩き出せるような気さえする。
彼女の人気のピーク時に比べると、客の入りは減っていたけれど、今でも彼女の人気は老若男女を問わず根強い。
一曲目は、私もお得意のレパートリーとして、普段良く歌っている【時は過ぎてゆく】と言う曲。 ジョルジュムスタキの歌を日本語に訳したものだ。 場内が暗くなり、バックバンドの前奏が流れ出し、金子由香里が登場し、その歌を語り掛ける様に歌い出した途端、私の目からヴヮア〜ヴヮア〜と涙が溢れ出した。 周りのものが全て遮断され、私だけに歌い掛けてくれているような錯覚に陥る。 しゃくりあげながら泣いている私に、隣のフゥーリィーが「恥ずかしいじゃないか」と苦笑する。
この涙は、一体何の涙なのだろうか・・・・・・。 嬉し涙とも、感動の涙とも、少しだけニュアンスが違うような気がする。 きっと、台風の被災者や、地震の被災者たちの元へ訪れた田中眞紀子さんなどを見掛けた人々が流す涙のようなソレに、ニュアンスが似ているかも知れない・・・・・・。 打ちひしがれ、ひび割れた心に、染み入るような慈愛に触れた時に出る涙。聖母に抱かれた時に出る涙・・・。一番逢いたかった人に再び巡り逢えた時に出る涙・・・。そんな涙に似ている。
【どんなに逢いたかったことでしょう・・・・・・。10代の後半、銀巴里でアナタの歌と初めて出遭ったあの日から30年間 、ずっと私の人生の聖歌として、アナタの歌を聴き続けてきたの・・・。あれから色々有ったんだから・・・。 人生が辛かったんだから・・・。 人生が愛しかったんだから・・・。苦しいに付け、嬉しいに付け、いつもアナタの歌を口ずさみながら、私は生きて来たのよ・・・】 そう心が訴えた掛けた涙なのだろう・・・・・・。 そのくらい、私の側には、いつも金子由香里の歌があった。
殆どの歌は馴染み深い歌で、CDや過去のリサイタルなどで聴いているものが多い。 次々に奥の深いシャンソンが流れ行くたび、懐かしく、又、感慨深く、走馬灯のように思い起こされるその時々の想い出に戯れながら、私は全神経を集中させ、金子由香里の世界に没頭した。
金子由香里のMCによると、松本に来たのは約20年振りだと言う。 そんなに昔だったのか・・・・・・。 そんなに久しぶりだったのか・・・・・・。 どんなにこの日を待ちわびた事だろう・・・・・・。
愛しい時間と言うものはいつも短い・・・。あっという間に最後の曲になり、アンコールとなった。 4曲ほど歌をサービスをしてくれ、私と金子由香里の20年振りの3時間弱の再会は瞬く間に幕を閉じてしまった。
楽屋口で待ち、一言だけでも話がしたかったが、フゥーリィーに「やめなさいよ。そういうミーハーみたいな真似は・・・」と咎められ、諦めた。 後日心のこもったファンレターでも送ろう・・・・・・。
その後、リサイタル会場近くの海鮮居酒屋に行き、久々の贅沢を味わった。 チケットは前回のお給料で買っておいたので、今回のお給料は半年振りの外食で少し贅沢に使うことにした。 予算は二人で10000万円以内。 「でも、滅多に無い事だから、少しくらいオーバーしても良いか♪」 私たちは舌を出し合い、あまり会計は気にせず、美味しいお酒と、美味しい肴に舌鼓を打つ事にした。
「俺、シャンソンなんか聴いた事もなかったし、全然興味なかったけど、今日初めて金子由香里を聴いてみて、マキュがあれほど夢中になっていたのが、何となく解ったような気がしたよ・・・。良いね・・・、金子由香里って」 ポツリとつぶやくフゥーリィーの言葉がとても嬉しかった。 『アッタボウヨ! このアタシが唯一生涯を通し、夢中になってる人だもん・・・』
カンパチの刺身・焼きタラバ蟹・キムチ鍋・大海老の天ぷら・焼きアナゴ・その他色々食べ、最後はお好み寿司で仕上げ、お酒も進んだ。 それでビクビクしながら会計をしたら、何と9780円。
どうだい! この感の良さ♪ しかし新鮮な良い物ばかりを食べた割には、とても安い・・・・・・!!
二人は幸せと、旨い酒に酔いながら、フラフラ腕を組んでタクシーを拾い、家に帰宅した。 今度金子由香里に出会えるのは、いつになるのだろう・・・・・・。
ああ・・・、実に楽しい夜だった・・・・・・。
追伸・・・。
もしも金子由香里のシャンソンを聴いてみたいという人がいるなら、私のお勧めは【銀巴里ライブ】です。 その中の、想い出のサントロペ・ねぇ仲間たち・街角のアベマリア・街・アコーディオン弾き・・・は、特にアタシが大好きな曲です。 過去私が経営していた店の一周年記念のミニライブで、今はプロデビューしたjazzピアニストの小池純子(友人)の伴奏で、この曲全てを歌わせていただきました。
2004年10月27日(水)
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