マキュキュのからくり日記
マキュキュ


 【エッセイ】物を書くということ・・・。


初めて物を書き始めてから、あっという間に2年近くが過ぎた。
私が物を書き始めたきっかけは、癌という病気になれたお陰である。
何時何処で再発するかも解らない病気であるがゆえ、愛する一人息子と旦那に、(何か、生きた痕跡を残したいなぁ〜)と思ったのだ。
もしも、私に癌が再発して、天に召された時、私の書いた物の中からまともな物だけを拾い集め、保険金の一部で一冊の本を出してもらいたい・・・・・・。
そして、本当に私の事を好きで居てくれた人達だけに、一冊ずつ、想い出として与えて欲しい・・・・・・。
そんな動機であった。

動機が健気な割には、私の書くものは不真面目かつ不謹慎極まりないものが多いのだが、元来生真面目で感動的な闘病記や、根性物や、奮闘気等の物が、私は大の苦手である・・・・・・。(^^; 似合わないし、照れくさい。
それに感動的な大作を書けるほど、頭も良くないし、世界も狭い。
子供の頃から・・・、と言うか、家系的に見ても、私の家にはNHKというチャンネルが無かったのでは? と、思うほど、不真面目で、不謹慎な一家だった。(^^;
幼い頃からイレブンPMを見て育った口である。(爆)
無論、成績も最悪だったし、遊ぶ事の方が数倍得意だった。(笑)

父は売れない喜劇役者兼ストリップ劇場の前座のコントで、母も売れない女優兼、銀座の雇われママ。
幼い私が眠る隣部屋ではホボ毎晩、明け方まで母や父の悪友たちが、麻雀やら、ドボンをして騒いでいた。
祖母と曾祖母は犬猿の中で、しょっちゅう喧嘩ばかり。二人で何とか私を味方に引き込もうと、やっきになっていた。
そんな勝手気ままな大人たちの中で、モミクチャにされながら、育った私が、まともな感性を持つはずが無い。(笑)
それでも、何かを無性に書きたくなったのは、そんな幼少時代のコンプレックスや、私が歩んで来た奇妙奇天烈な人生を、少しは愛しく思えるからでは有るまいか。
物を書こう・・・なんて思う事自体、何がしかのコンプレックスや、鬱憤を、文字にして、吐き出しているに過ぎないようにも思える。
それか、本当に、生まれながらの天才かのどちらかだと思う。

でも、下手くそながらも、私は、書き始めて良かったと思っている。
書き始めたお陰で、広がった世界もあるし、友達も増えた。
何より、書いていると楽しい。
書く事が好きになって来た。

こんな私の文章にも、共感してくれる人や愉しんでくれている人が居る。
私の文章を好きだと言ってくれる人が居る。
そう思うと、それだけで、嬉しくて嬉しくて仕方が無い。









2002年11月13日(水)

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