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■ 【エッセイ】物を書くということ・・・。
初めて物を書き始めてから、あっという間に2年近くが過ぎた。 私が物を書き始めたきっかけは、癌という病気になれたお陰である。 何時何処で再発するかも解らない病気であるがゆえ、愛する一人息子と旦那に、(何か、生きた痕跡を残したいなぁ〜)と思ったのだ。 もしも、私に癌が再発して、天に召された時、私の書いた物の中からまともな物だけを拾い集め、保険金の一部で一冊の本を出してもらいたい・・・・・・。 そして、本当に私の事を好きで居てくれた人達だけに、一冊ずつ、想い出として与えて欲しい・・・・・・。 そんな動機であった。
動機が健気な割には、私の書くものは不真面目かつ不謹慎極まりないものが多いのだが、元来生真面目で感動的な闘病記や、根性物や、奮闘気等の物が、私は大の苦手である・・・・・・。(^^; 似合わないし、照れくさい。 それに感動的な大作を書けるほど、頭も良くないし、世界も狭い。 子供の頃から・・・、と言うか、家系的に見ても、私の家にはNHKというチャンネルが無かったのでは? と、思うほど、不真面目で、不謹慎な一家だった。(^^; 幼い頃からイレブンPMを見て育った口である。(爆) 無論、成績も最悪だったし、遊ぶ事の方が数倍得意だった。(笑)
父は売れない喜劇役者兼ストリップ劇場の前座のコントで、母も売れない女優兼、銀座の雇われママ。 幼い私が眠る隣部屋ではホボ毎晩、明け方まで母や父の悪友たちが、麻雀やら、ドボンをして騒いでいた。 祖母と曾祖母は犬猿の中で、しょっちゅう喧嘩ばかり。二人で何とか私を味方に引き込もうと、やっきになっていた。 そんな勝手気ままな大人たちの中で、モミクチャにされながら、育った私が、まともな感性を持つはずが無い。(笑) それでも、何かを無性に書きたくなったのは、そんな幼少時代のコンプレックスや、私が歩んで来た奇妙奇天烈な人生を、少しは愛しく思えるからでは有るまいか。 物を書こう・・・なんて思う事自体、何がしかのコンプレックスや、鬱憤を、文字にして、吐き出しているに過ぎないようにも思える。 それか、本当に、生まれながらの天才かのどちらかだと思う。
でも、下手くそながらも、私は、書き始めて良かったと思っている。 書き始めたお陰で、広がった世界もあるし、友達も増えた。 何より、書いていると楽しい。 書く事が好きになって来た。
こんな私の文章にも、共感してくれる人や愉しんでくれている人が居る。 私の文章を好きだと言ってくれる人が居る。 そう思うと、それだけで、嬉しくて嬉しくて仕方が無い。
2002年11月13日(水)
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