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■ 【ショートエッセイ】私の一番好きな季節 〜秋到来〜
(秋)が私の一番好きな季節になってからどれくらい経つのだろう・・・・・・ 子供の頃や、若かった頃は、ご多分に漏れず真夏が大好きだった。 何時も真っ黒に日焼けし、やれ、プールに行くだの、海に行くだの、遊ぶ事ばかりを考えていたあの頃・・・・・・。5月になればもう待ちきれなくて、誰よりも先に半袖の服を着、直ぐそこまでやって来た夏を想いワクワクソワソワしていたあの頃の私・・・・・・。
そんな私が、断然、秋を好きになり始めたのは、きっと30歳を過ぎた頃からなのだと思う。 アイスコーヒーでは無く、ホットコーヒーが恋しくなる頃・・・・・・。 心地よい冷えた一陣の風が吹き、目前の風景が全てセピア色に変わる頃・・・・・・。 何処からとも無く漂い始める、落ち葉が焦げたような、アノ、もの寂しい匂い・・・・・・。
そんな季節になると、私は決まって怠惰な猫になる。 取って置きのコーヒーかワインをサイドテーブルに置き、ベッドに寝転び、コラヴォケールや、ジェーンバーキンをBGMに、好きなだけ本を読む。 疲れきった心と身体に、養分が染み渡るような至福の一瞬。 そのまま時が停止し、うたた寝をし、そして、フト目覚めて又本を読む・・・・・・。 足元では、愛しいミュウーが、時折私の指にじゃれ付いている。 そんな、もの静かな自由な時を過ごせる格好の季節だ。
だから、私は秋が恋しくて堪らない・・・・・・。
2002年09月09日(月)
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