 |
 |
■■■
■■
■ 【エッセイ】北の国から〜が終わってしまった・・・・・・
21年間も続いて来た、ドラマ、 【北の国から〜】 が、とうとう最終章を迎えた・・・・・・。
松本にフジTVの系列局が在り、そこの社員が以前、私の店の常連で(今ではもう、その頃のメンバーは、皆転勤でバラバラになってしまったが)その中の一人と十数年ぶりに連絡が取れ、彼は、わざわざ北の国からのカレンダーを送ってくれたのだ。 彼の話によると、監督も、その他少数のスタッフも、もう、定年だと言う・・・・・。 あのドラマには、私個人としても、とても強い思い入れがあり、それを除外視したとしても、余りにも素晴らしいドラマだったので、私は毎回欠かさず観ていた。
と言うのは・・・、あのドラマの監督は、実は私の従姉(A)の、元旦那様なのだ。
ドキュメント 【北の国から〜】 をご覧になった方はご存知だと思うけれど、彼の先妻は、平成4年か5年だかに、癌で亡くなっている。 その(A)の母と、私の母が実の姉妹なのだ。
東京時代は、親戚との交流も深かった為、松本に移り住むまでは、小さい頃から、始終行き来をしていた。 松本に来てからは数年に一度会うくらいだった。 しかし(A)は、今の私と丁度同じ年の時、そう、まだ47歳という若さで亡くなってしまったのだ・・・・・・。
その従姉の(A)という人は、とてもインパクトが強い人で、又、すこぶる賢い人でもあった。辛口で辛辣な物言いで有名な人でもある。 若かりし頃の(A)は、ちょっと、タレントのYouみたいな感じだったかなぁ・・・・・・。なんせ、容赦のない毒舌ブリ。(^^;)
(A)は、私より8つばかり上なので、子供の頃は良く遊んでくれたり、又、良く怒られては泣かされたりもした。(^^; 私の思春期には、私の実の母より、頼れる所も有ったので、よく相談事をしたり、お古の洋服を貰ったり、結構(A)には、色々な面で世話になった。 そう言えば、私が21歳で結婚をした時も、監督と(A)とが、お仲人を引き受けてくれたんだったっけ・・・・・・。(笑) (私達は僅か6年で離婚しちゃったけどね・・・・・。)
既に松本に住んでいた母と私宛に、監督から毎年年賀状が届けられていた。そこに、【次回、北の国から〜と言うドラマをオンエアーします。乞うご期待!!】と書かれていたのだ。 それから、私達は楽しみに、ず〜っと北の国から〜を見続けて来たのだ。
(A)は、丁度、松本でサリン事件が有った数日後に、癌で亡くなった。 (A)の葬儀の席で、久々に再会した他の従兄達に、「お前、サリン事件の有った場所の、直ぐ傍だったんだよね・・・大丈夫だったのか?」等と心配された物だ。
亡くなる前の(A)は、原田大二郎のマネージャーや、各タレント達の世話などをしていたと言う。 葬儀には、私も参列させて貰ったが、そう言われてみれば、原田さんが葬儀の進行役を勤めていた。 原田さんは、TVで見るのと全く変わらない人だと、ちょっと感心した。 その他、二人が関わってきたドラマの、多くの出演者たちにも、身近で見る事が出来た。 (A)の家にも、多くのタレント達が集まって来ていて、不謹慎だが、私はちゃっかりとsignまで貰ってきた。(^^; (ミィ〜ハァ〜で、チト不謹慎・・・・・・(^^;)
私の母が、平成2年に癌で亡くなり、翌年には、(A)の母である叔母が癌で亡くなり、次の年に(A)である・・・・・・。 もう、今では、皆、この世には存在しなくなってしまった・・・・・・。 僅か3年間の間に、3人が癌で命を絶ったのだ。 癌は家系だから仕方が無いのかも知れないが、本当に淋しくなってしまった。
【次は多分、私だろう・・・・・・】 今では、数人のいとこ達と、年老いた祖母と、もう一人の叔母が、東京に居るだけだ。
以前(A)の家に遊びに行った時、あのドラマの撮影裏話などを監督や(A)から、少しだけ聞いていたので、私は少し、皆様とは違った目で見る事が出来ていたので、感慨も又一段と深い。 壮太兄ちゃんがホタルの結婚式直前に事故で亡くなり、ホタルの結婚式に、壮太兄ちゃんのスピーチ練習のテープが流れると言う感動シーンがあった。 あのシーンと同じ様な事が、別の従兄弟の結婚式にも有ったのだ。 喉頭癌で声を出せなくなった、病床の伯父が、従兄弟の結婚式にテープでお祝いを送ったのだ。 私は参列していないが、参列者全員がボロ泣きしたと、今は亡き母が言っていた。
映像の美しさはもとより、人間の暖かさや、優しさ、又は、ずるさや、汚さや、情けなさ・・・・・・、哀しさや、淋しさや、虚しさ等が、あんなにもリアルで正直に描かれているドラマを、今まで私は見た事がない。 いかにも、造り物の胡散臭さが目立つドラマが多い中、【造り物】的な不自然さが殆ど感じられず、あんなにも赤裸々に、見事に人間の心の襞や機微が描かれている作品は、本当に数少ないと思う。 それが、あのドラマが20年も続いた理由だと思うし、人々に感動を与えてやまないのではないかと思ったりもする。 それぞれの役柄がノスタルジーと、ペーソスに溢れ、もの哀しくて情け無いんだけど、何て、暖かくてステキな愛情や友情で結ばれているんだろう・・・・・・と、あの世界の人々が羨ましくて仕方が無い・・・・・。
もしかしたら、あんな家族や仲間達を持つ事が、本来の人間の一番の理想なのではないかな・・・・・・? 等と思いながら、私は観ていた。
私も、あんな家族や仲間が欲しかった・・・・・・。
皆様は、アノドラマを、どういう風にご覧になってたのでしょうか・・・・・? あんなに素晴らしいドラマが終わりを告げたことは、淋しい気がします。 でも、私の成長と共に、展開されて来たあの素晴らしいドラマに、私の親類が携わっていた事に、私は今、大きな誇りを感じています。
by マキュキュ
2002年09月10日(火)
|
|
 |