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■ 【童話】プッチーの恋物語
こんばんわ〜。今日は、夜のバイト、お休みしてしまった。( ̄□ ̄;)!! 鬼の霍乱なのか、年のせいなのか、風邪気味なの・・・・・・(・・,)グスン ヤッパ、この年になると、体が付いて行かんわい・・・・・・。
今の所、唯一の稼ぎ頭だから、病気をしているわけには行かないのが、又、つらい所でもあるのです。( ・_;)( ;_;)( ;_;)(>0<)ワーン
サテ・・・・、今日の出し物は、PC購入後、2作目の応募をした、或るハチミツの会社主催の童話で、応募要項には、ミツバチ・及び、ハチミツ等がテーマになってる童話・・・・・・、と有ったので、書いてみたところ、趣旨が違っていて、ボツになりました。(爆) あくまでも、ハチミツが主役か、その他の製品の、PRになってなければダメみたいです。(笑)(入賞作品を読んでみて、つくづく感じました。)
でも・・・、私としては、気に行ってる作品ですので、今度の応募には、作風を少し変えて、再チャレンジしてみたいと思います。 (*^_^*)
『プッチーの恋物語』
ここは小高い丘の上にある公園です。 人々はこの公園を、『メルヘン公園』と呼んでいるのですが、本当の名前ではありません。 なぜそのようによばれるようになったのかと言うと、いくつかの物語が、この公園から生まれたと言い伝えられ、いつの間にか皆に『メルヘン公園』と呼ばれるようになったそうです。
本当の名前は何かって? ごめんなさい・・・。実は、この私も、知らないのです・・・・・・(笑)
本当の名前をあなたに教えてあげられない代わりに、私が知っているいくつかの物語の中から一つだけ、今日はあなたにお話しすることにしましょう。
この『メルヘン公園』には、公園の真ん中にまぁ〜るくふち取られた、大きな大きな花壇があるのです。花の季節になると、花壇をかこむベンチには、どこからともなく人々が集って来て、愛を語る恋人たちや、子供に花の名前を教えている親子連れや、花を見ながらのんびりと日向ぼっこをしている老人たちでにぎわいます。
今日お話するのは、その花壇で生活をしている、いたずら者のミツバチのお話です。
長かった冬が終わり、春も駆け足で通りすぎ、さわやかな夏が始まろうとしています。 メルヘン公園の花壇でも、ついこの間まで、かたいつぼみをつけていた花々たちが、5月の暖かな日差しを受けて、いっせいに咲きはじめ、色とりどりの花々たちであふれんばかりです。 このころになると、ミツバチたちも活気にあふれ、ミツ集めに精を出し始めます。 このミツバチの群れの中に『プッチ―』という、どうしようもない、いたずら者のミツバチがいるのです。 みんなが、いっしょうけんめい働いているのに、ミツ集めの仕事は、サボってばかり。いつも、やれ冒険だ、やれ探検だと、勝手にどこかへ行ってしまうし・・・・・・、それに近ごろ、公園をおとずれる人たちを追いかけ回しては、怖がらせて喜んだりしているのです。
これには仲間のミツバチたちも、完全にあきれてしまい、みんな、口ぐちに、 「僕たちまで、人間に嫌われちゃうよ」 「私たちまで、こわがられてしまうわ」 と、プンプンです。 当然、みんなから仲間はずれにされてしまうのですが、当の本人はへいっちゃらです。 今日も、いつものように、プッチ―は公園に来る人たちを、追いかけ回して喜んでいます。すると、仔犬を連れた、見慣れない少女が、メルヘン公園にやってきました。
(ヨーシ!今度はあの犬をおどかしてやれ!)
プッチ―は、ようすをうかがいながら、仔犬に近づきます。少女は犬のくさりを木の枝につなぐと、水飲み場に、水を飲みに行きました。 仔犬は、居眠りを始めたようです。
(よし今だ!) プッチ―は、急降下をすると、仔犬の鼻をめがけて、とつげきして行きました。 「キャィーン!」 びっくりした仔犬は、あばれまわり、そのひょうしに仔犬のくさりが外れてしまいました。仔犬はここぞとばかりに、プッチ―にはんげきをはじめます。
「ウワーッ!」 今度にげまわるのはプッチーの番です。いちもくさんに、飛び回ります。 「アイテテテッ!」 仔犬ばかりに気をとられていたプッチ―は、水のみ場のふんすい口に、思いっきり頭をぶつけて、きぜつしてしまいました。 落ちたところがちょうど水たまりで、プッチーはおぼれてしまいそうです。 (ぐ、ぐるじぃよ―・・・・・・)プッチーはもがきます。
「あら…? ミツバチさん、だいじょうぶ?」 おいしそうに水を飲んでいた少女の目の前でミツバチがおぼれています。 少女はあわててプッチ―の羽をつまむと、そっと手のひらに乗せました。
(ア〜、た、たすかったぁ〜・・・・・・)プッチ―は、ほっとしました。
「ミツバチさん、ごめんなさいね。私のルーシーがあなたを、おどかしたのね・・・・・・」 プッチ―を追いかけてきた、仔犬のルーシーが、少女の手のひらを見て、ワンワンほえています。
「だめでしょう、ルーシー、ハチさんをいじめては…」 ルーシーは、うらめしそうに、プッチ―に向かってほえていましたが、あきらめたようにその場に座り込みました。
少女はそのまま、プッチ―を花壇まで連れていくと、パンジーの花びらの上に、そっと、プッチ―をとまらせてくれました。 「あとでルーシーを、よくしかっておくからね?」 少女はそういうと、ルーシーを連れて、どこかへ行ってしまいました。 それを見ていた、仲間のミツバチたちは、口々にプッチーをからかいます。 「ほーら!バチが当たった!」 「いつも悪いことばかりしてるからよ!」 「犬に食われちまえばよかったのに!」 そんな悪口を言われても、プッチ―には全然聞こえません。
プッチ―は、ボーッ・・・と、考え込んでしまいました。
(なんてやさしいんだ。初めてだ・・・、僕のことをこわがらないなんて・・・・・・。それに、僕のほうが悪いのに、僕にあやまってくれた・・・・・・) どうやら、プッチ―は、少女に恋をしてしまったようです。
それからというものは、プッチ―は、人が変わったように・・・・・ではありませんね。(笑)ハチが変わったように、ミツ集めにも精を出し、人をおどろかすことも、すっかりやめてしまいました。 いっしょうけんめい働いては、少女の来るのをひたすら待っているのです。 あまりの変わりように、最初は、首をかしげていた仲間たちも、そんなプッチ―を、少しずつ、みとめてくれるようになりました。
あれから少女も、ルーシーと、ちょくちょく公園に来るようになったのですが、少女が来ると、プッチ―は、嬉しくて、嬉しくて、しかたありません。 でも、プッチ―は、ミツバチです。人間に恋をしても、どうしようもないのです。言葉も通じなければ、思いを打ち明けることもできないのです。 プッチ―は、ただ、少女がルーシーとたわむれているのを、遠くから、じっと見つめているだけなのです。
そんなある日のこと、少女はいつものように、ルーシーをつれて散歩に来ていたのですが、その日、突然、初夏の嵐がやってきたのです。 辺りが急に暗くなり、遠くでカミナリが鳴り始めてきました。 公園に来ていた人々は、雨が降らないうちに帰ろうと、みんな急ぎ足で帰って行きます。 少女も、ルーシーをつれて、あわてて、家路に急ぎます。 でも、なぜか、プッチ―は、その日に限って、何か胸さわぎがして、少女がしんぱいになり、少女の後をつけることにしたのです。
公園を出て、少したったところで、カミナリはいっそう強くなり、とうとう大粒の雨が、バラバラと音を立ててふり出しました。 少女は、いまにも泣き出しそうです。
(大丈夫…僕がついているよ)
プッチ―が声をかけても、少女には何も聞こえませんし、プッチ―にも気づきません。 あたりは、うす暗く、人通りもありません。
すると、何処からか、大きなのら犬が、よろよろと少女の方に近づいて行くではありませんか。少女は、のら犬の姿を見つけると、ルーシーを抱きかかえ、恐ろしさのあまり、後ずさりをしました。 ルーシーも、少女を守ろうと、『ウーッ!ウーッ!』と牙をむきますが、相手はルーシーの5倍も大きな犬です。ルーシーにかなうはずがありません。 それを見ていたプッチ―は「大変だ!」と叫ぶと、のら犬におそいかかります。 けれども、やはり、プッチ―だけでは歯が立ちません。 (今、仲間を、呼んでくるから、彼女を守ってるんだぞ、ルーシー!) プッチ―は、大急ぎで仲間を呼びに行きました。
プッチ―は公園まで戻ると、仲間のミツバチたちに応援を頼みました。 仲間が仲間を呼んで、ミツバチたちは、ものすごいたいぐんになりました。 ミツバチたちのたいぐんは、急いで少女のもとに飛び立つと、のら犬よりも、もっと大きな犬に、形を変えて、のら犬を攻撃しました。 いくらきょうぼうなのら犬でも、ミツバチ犬の総攻撃には、ひとたまりもありません。のら犬は、とうとう、しっぽをまいてにげて行きました。
いつの間にか、雨は上がり、雲のすきまから、太陽が顔を出しています。
「ハチさんたち、助けてくれてありがとう・・・。もしかしたらあなたたち、メルヘン公園のミツバチさんたちね?」 少女は、プッチ―たちに気がついてくれたようです。 プッチ―はそれだけで、とても幸せでした。 プッチ―たちは、少女の周りを何度か飛び回ると、安心したように公園の方に帰って行きました。 少女はプッチ―たちが見えなくなるまで、いつまでも手を振っていました・・・・・・。
それから3日がすぎ、いつものように少女はルーシーをつれて公園にやってきました。でも、どこか、元気がありません。 少女は、まっすぐ花壇に近づくと、プッチ―たちを見つけて、こう言いました。
「ミツバチさん…今日はあなたたちにお別れを言いにきたの。私はこの丘の上に住む、お婆ちゃんのお見舞いに来ていたんだけど、お婆ちゃんも、すっかり元気になったので、ママと一緒に帰ることになったの・・・・・・」 プッチ―も、ミツバチの仲間たちも、言葉を失いました。
(・・・・・・ウソだ! 彼女がいなくなってしまうなんて・・・・・・) プッチ―はショックのあまり、ぼうぜんとしています。
そんなプッチ―をかわいそうに思った仲間たちは、何とかしてプッチ―の思いを少女に伝えてあげようと、みんなでなにやら、相談をはじめました。 そしてみんなは、なんと、空中に集まると、『プッチー』という文字と、『LOVE』と言う文字を大きくえがいたのです。
少女はあふれる涙をぬぐうと、ニッコリ笑って「ありがとう」とつぶやきました。少女は、ポケットの中から、花の種を取り出すと、それを花壇にうめながら言いました。 「これは、お婆ちゃんのおうちに咲いてた、アネモネの種よ。私が一番好きな花なの・・・・・・。皆さんへのお礼に、うめておくわ。もしも、花が咲いたなら、私と、ルーシーの事を思い出してね?」
プッチ―も、仲間たちも、しゃくりあげて泣いています。 ルーシーも、さみしそうに「キューン…!」と鳴いています。
少女は、ていねいに花の種を埋め終わると、何度も何度も、花壇を振り向きながら、公園を去っていきました。
サテ・・・・・・。それから1年が過ぎ、少女への初恋が、はかない片思いに終わってしまったプッチ―は、さぞかしションボリしているのかと思ったら、そんな心配はどこ吹く風・・・・・・。みんなの心配をよそに、もとのいたずら者に戻ってしまったようです。 ミツ集めの仕事はサボってばかり、やれ冒険だ、やれ探検だと、勝手にどこかへ行ってしまうし・・・・・・。 ハテ・・・・・・? このセリフは、いつかどこかで使ったような・・・・・・。
ともかく今日も、プッチ―は、元気に? 公園に来る人たちを、追いかけ回しては、おどかしているようです。 仲間たちも、そんなプッチーに、(ヤレヤレ・・・・・)と、すっかり、あきらめたようす。 強がり屋さんのプッチ―のことだから、きっとそんなふうにしか、少女を忘れることができないのかもしれませんね・・・・・・。
メルヘン公園の花壇には、少女が植えたアネモネの花が、奇麗に咲き誇り、今日も春風にゆれています。 ―おわり―
2002年04月19日(金)
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