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2005年12月10日(土) ■ |
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翡翠の城 : 建築探偵桜井京介の事件簿(篠田真由美) |
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●読了:『翡翠の城 : 建築探偵桜井京介の事件簿』(篠田真由美) 内容(「BOOK」データベースより) 長く一族支配が続いた名門ホテルで、内紛が持ち上がった。創業者の娘で95歳になる老女が今も住む別邸・碧水閣の取り壊しをめぐり意見が対立、骨肉の争いに発展したのだ。湖に沈んだ焼死体、血染めの遺書。沼のほとりに佇む異形の館に封印された、百年にわたる秘密とは。桜井京介が鮮やかな推理で解き明かす。
おもしろかった。建築探偵桜井京介の事件簿シリーズの3作目、「翡翠の城」とは日光の丸沼近くの個人宅・碧水閣(へきすいかく)のこと。現在進行形で実際に起きている連続殺人事件と、昔起きた事件、ホテルの経営者一族の謎も、全て碧水閣という建物に関わっているという凝った作りになっている。事件は日光のあちこちで起きるので、京介たちが実際に碧水閣に居る時間はごく短いのだけど、全体を通して碧水閣が強い存在感を持っていると思った。 京介、蒼、深春に加えて、今まで話に出てくるだけだった彼らの先生=神代教授が初登場。さすが京介たちの先生と思うような大人物だった。いい先生だ〜! 暴走する3人を抑えることのできる貫禄がある反面、かなりはじけているところもあって素敵な人。舞台になっている日光周辺は何度も行っている所なので、場面が想像しやすかったのもあって、とても楽しんで読めた。真夜中に山道を30分歩く場面なんか、サラリと書いてあるけど実際はものすごく大変なはず。
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