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2005年06月18日(土) ■ |
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鏡の国のアリス(山形浩生・訳) |
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●アマゾンから到着 和書2冊¥3045 鏡の国のアリス(山形浩生・訳)
アリス(原作)を読み返してみる。 アリスは「不思議」も「鏡」もナンセンスでわけが分からない本、最初から最後まで脈絡なく変な出来事が次々と起きる話、と思っている人が結構多いと思うんだけど、それは違う。原文を熟読すればアリスは教養があってとても頭のいい可愛い子だということや、アリスが考えること、言うことにはちゃんと「彼女なりの」筋が通っているのが分かる。問題は、その彼女の思考やなんかを、分かりやすく日本語に翻訳するのが難しいってことじゃないかと。 「アリス」のナンセンスというのは、要するに「不思議の国には不思議の国の秩序があるんだよ」って事じゃないかと私は思っている。その現実とのズレを楽しむのがアリスじゃないかと。これ以上ないほどきれいにまとまった物語なのに、翻訳本だとそこのところが分かりにくい。
その点、山形浩生訳のアリスは分かりやすいのがとてもいい。ちゃんとストーリーに筋が通っていて、詩もわけのわからない意味不明な言葉の羅列なんかじゃなくて、きちんとそれなりの意味を持った「詩」に見える。山形浩生・訳は確かにアリスなんだけど、読んでると「ぜんぜん違う本」という感じがする。初めて読む本みたいな。
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