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2004年06月22日(火) ■ |
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アベラシオン(篠田真由美)読了 |
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●読了:アベラシオン(篠田真由美) 出版社/著者からの内容紹介 天使の名を持つ一族が正五角形の迷宮に住んでいた……。豪奢にして残酷! 構想10年、戦慄の最終章は誰にも見通せない。 冬のヴェネツィア、華やかなパーティのさなかに起きた奇妙な殺人事件。偶然目撃者となってしまった日本人留学生藍川芹は、やがて事件の関係者からの招待状を受け取る。北イタリア山中の巌上にそびえる<聖天使宮(パラッツォ・サンタンジェロ)>。未公開の美術品に満たされた巨大な正五角形の宮殿を所有するのは、謎めいた伝説に包まれた美しい一族の末裔だった。心ならずもそこに滞在することとなった芹の前に、勃発する凄惨な連続殺人。一族の過去に揺曳するナチズムの影。車椅子の少年に導かれて、絢爛たる地獄を巡る女主人公(ヒロイン)が最後に見たものは――。建築探偵シリーズともリンクする著者渾身の力作!!
軽くフッ飛ばしてストーリーを追っただけなので、感想が的外れかもしれないけど、いちおう記録ということで書いておく。 マキリップのOmbria in Shadowを最後まで読むはずが、帰りに寄った図書館で借りてきた本を終わりまで読んでしまった。う〜ん、たしかに大作。耽美とか幻想的というのを通り越して、もう文学的というか・・・。読んでいて連想したのはアン・ライスだな。よく「話はさておいて」とばかりに、登場人物の口を借りて虚実織り交ぜた歴史、美術、宗教などのウンチクを長々と語りに入って悦ってるところがソックリだ。良い意味でも、悪い意味でも、かなり作者の趣味に走った作品だと思う。こういうのは基本的に嫌いじゃないけど(アン・ライスも大好きだし)、今回はちょっと話に乗れなかった。私はウンチク部分は全部飛ばしてストーリーだけを追ったのだけど、こういう読み方は邪道なんだろうが。 話に入れなかったのは、たぶん9割方は主人公の芹ちゃんのせい。この娘、嫌い。芹ちゃん=優柔不断、という固定イメージはエデンを遠く離れてシリーズ(江上冴子)の影響か? ウツっぽくグチグチ悩んでるかと思えば、優柔不断でフラフラと考えが変わる芹ちゃんの心の動きがよく理解できなかった。こういうキャラは異性なら許せても、同性だと許せないんだよな・・・。あ・そうかっ、この芹ちゃんも男の子だと思って読めばよかったのか! うわぁ、失敗したかもー!!
●図書館 アベラシオン(篠田真由美) ジェイン・エアを探せ! : 文学刑事サーズデイ・ネクスト 1(ジャスパー・フォード) ちみどろ砂絵 : なめくじ長屋捕物さわぎ(都筑道夫) フューチャー・イズ・ワイルド(ドゥーガル・ディクソン) 妖怪図巻(京極夏彦)
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