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2004年03月30日(火) ■ |
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夢色十夜(かわいゆみこ)読了 |
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●読了:夢色十夜(かわいゆみこ) 内容(「BOOK」データベースより) 学習院、東京帝国大学と、共に過ごした倉橋千歳と鷹司惟顕。倉橋は、海軍中将を父に持ち、厳格な家庭に育った若手の有能弁護士。片や鷹司は、鷹司公爵家の末子で、母校の東京帝大で教鞭をとる若き日本民俗学者。境遇は違うが、共に何故か魅かれ合う親友同士。倉橋は、鷹司公爵家の年始の会に出席、公爵邸の古い土蔵で、ある怪奇現象を体験する。だが、その背景には、哀しい秘話が隠されていた…。第一話「自鳴琴抄」を初めとして、「薄氷」「夢の迷い路」を収録。昭和初期、ロマン豊かな時代を背景に、妖しくも哀しい物語を情趣たっぷりに描く、怪奇幻想小説の傑作。
おもしろかった。倉橋と鷹司、つかず離れず、親友のような恋人未満のような2人がいい雰囲気。「こゆるぎ探偵シリーズ」は色恋沙汰メインで濡れ場ありだったけど、このシリーズは「惹かれ合っている」止まりという設定(この差は大きいでしょう)。どうということはない「不思議な話」がオムニバス式に続くのだけど、穏やかで柔らかい感じで読みやすかった。『夢色十夜』ということは夢十夜(夏目漱石)へのオマージュなんだろうか、3話とも幻想的な夢のような話ではあった。第1話「自鳴琴抄(じめいきんしょう)」は鷹司惟顕(たかつかさよしあき)の祖父の姉妹にあたる女性の悲恋物語。蔵に出る幽霊の正体は? 第2話「薄氷(うすらい)」は倉橋千歳が鬼の霍乱で重い風邪にかかる話。そこから「病気」をキーワードにして倉橋と鷹司の学生時代の回想が入る。 第3話「夢の迷い路」は倉橋と鷹司が奈良の吉野へ桜を見に行き、倉橋がとりこまれそうになる話。この話が一番よかった。
▲新刊:古き城の住人 : 英国妖異譚 7(篠原美季) [amazon] 2004/04/05発売 236ページ ISBN:4-06-255730-4 550円 講談社X文庫ホワイトハート <内容紹介> 王子様の登場を待っているのは……!? グレイの妹の誕生パーティに招かれたユウリとシモン。そこで、ユウリは古風なドレスを着た貴婦人を見てしまう。ますます快調!「英国妖異譚」シリーズ第7弾!! グレイの妹、ビヴァリーの誕生パーティーに招待されたユウリとシモン。ビヴァリーへの両親からのプレゼントは、天蓋(てんがい)付きのアンティークベッドだった。そのベッドに取り憑かれる恐怖を感じるユウリ。また、ビヴァリーも、その日から日に日に体力が弱っていった。アシュレイのコレクションだったという、そのベッドには、いったい何が――!?
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