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2004年03月01日(月) ■ |
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Spindle's End(Robin McKinley)読了 |
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●読了:Spindle's End(Robin McKinley) <内容> いばら姫 / 眠り姫の童話をベースにしたファンタジー。"Spindle's End"は「つむ(紡錘)の先」の意。 森や野山、川にすむ動物たちはみんな、その子は特別だと知っていた。彼女はPrincess Briar-Rose(いばら姫)。王家の長子、未来の女王になるべく生まれたBriar-Roseは、名付けの日のパーティの席に現われた邪悪な妖精Perniciaに死の呪いを受けて、さらわれてしまう。21歳の誕生日にBriar-Roseはつむの先に指を刺され、毒による眠りにつくだろう。誰にも目覚めさせることはできない・・・強大な力を持つ妖精Perniciaによる死の呪いは、王と王妃、国民にとってもあまりにも強烈だった。 Briar-Roseを誘拐し、救ったのはKatrionaという妖精の少女だった。Katrionaは赤ん坊の姫を連れて、Foggy Bottomにある小さな自分の村へ帰り、姫を"Rosie"と呼んで、おばの妖精と一緒に自分の家族として育てる。周りの人たちは誰もRosieの生まれを知らなかった。Rosie本人でさえも・・・。 邪悪な妖精Perniciaが行方不明のPrincess Briar-Roseを探し続ける中、21歳の誕生日が近づく・・・・・・Katrionaとおばの2人の妖精と、森の動物たちはRosieを救うことができるのだろうか。
う〜ん、複雑。眠り姫のパロディとしては興味深かったから、読んでいる時は結構楽しんだけど、ストーリー後半のオリジナル部分が納得がいかなかったのが致命的。天気の話だけで2ページも続くような無駄に長い語り口、回りくどくてねちっこいナレーションも私は好きじゃない。 確かにSleeping Beauty(眠り姫)をベースにしていてストーリーもその通り進むけれど、当の姫君はちっとも美しくなく、指を刺されることもない。途中からRosieと親友のPeonyが入れ替わっていくのだけど、これが納得がいかない。そんな都合よく入れ替われるんだったら、Rosieがあれだけ「姫」という生まれに振り回されたのは一体なんなの? それにカップリングが気持ち悪い。「王子」役の彼がなんでPeonyと「恋に落ちる」わけ? ストーリーの上で必然性がなくて、こういう重要なことを「そういうこともある。時々こういうことが起こるんだ」なんて簡単に片付けられたら困る! Rosieが何十歳も年上のNarlと結婚するっていうのもどうよ。気持ち悪いなぁ。 つまり総括すると、村の少女Peonyが「眠り姫」の定型通りのストーリーから逸脱させるためだけにいる都合の良い存在、という気がして仕方がないのだ。PeonyとRosieが一体化しかけたとかのエピソードも、こじつけっぽくて何なのって思った。飛ばし飛ばしでもちゃんと読み終わってホッとした。Robin McKinleyの本はたぶん二度と読まないと思う。 *アマゾン・コム(書評あり) *ロビン・マッキンリイでアマゾン検索 *Robin McKinleyでアマゾン検索 *なお、村の少女"Peony"は"芍薬(シャクヤク)""牡丹(ボタン)"の意。Rose(バラ)と花の名前で揃えてあるのだな。
●バイティング・ザ・サン(タニス・リー) タニス・リーの○年ぶりの新訳本を本屋でしばらく読んでみた。なるほどねー、翻訳を見たら、なんでPBに挑戦する度に挫折するのかわかったぞ。多分エキセントリックなところについていけなかったんだ・・・。特に冒頭の意味不明なまでにハイテンションでサイバーパンクなところ・・・極彩色の強烈なイメージ。英語で読んだら「なんじゃこりゃ」となったのも無理はないわねえ。う〜む・・・( ̄〜 ̄) ≫内容
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