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2003年08月30日(土) ■ |
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Heartmate / オーディンとのろわれた語り部 |
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●読了:Heartmate(Robin D. Owens) おもしろかった。ヒーロー、ヒロインが2人とも性格的にちょっと問題のあるキャラクターなので、一歩引いて読んだ感じだけれど、面白かったのは確か! ストーリーは、元・孤児で貧乏だけど一人でも強く生きてきた女性と、大金持ちで能力も高いけど孤独な男性。2人の成長と恋愛という、絵に描いたようなロマンス小説。 惑星Celtaと、特権階級の人々が持つ超能力というSFファンタジーの設定を、描ききれていないのがもったいない。能力を使った戦いのシーンはどれもありふれた喧嘩に見えたし、待ちに待ったヒーロー・ヒロインの精神的な交感を、たった1ページで済ませるのはやめてほしかった。デビュー作だけあって、濡れ場の「雰囲気」を出すのが下手で、とってつけたようだと思った。 読んでいて面白かったのは、2人の成長と変化。2人とも頑なで孤独だったのが、だんだんと変わっていく。特に最後の方で、2人がお互いに(恋人をなくしたと思って)葛藤するところはとってもよかった。読みながら、要求しっぱなしで自分からは何も与えないヒロインに心底むかついてたので、彼女が悔やむところは「やっとわかったか、ザマーミロ」って感じだった。Nullのこととか、Passageって結局何だったの? とかわからないところ&不満もあるけど、なかなか面白かったです。
●読了:オーディンとのろわれた語り部(スーザン・プライス) 北国を舞台にした民話調の短編。短くて軽いちょっとした話なので、15分もあれば読める。短い分読み足りないのはしかたがないが、その中で描かれる北国は不気味な雰囲気があってなかなかよかった。でも、そういう「雰囲気」は、日本語よりも原文で読んだ方がよくわかると思う。
<内容> 北の果ての国テューレの女王と結婚したいがために、アイスランド一の物語の語り手「ネコのトード」を脅し、自分の来し方の物語を語らせようとする、邪悪な魔法使いクヴェルドルフ。だが、正直な青年トードに「物語る力を悪用することはできない」と断られると、今度は神オーディンの力を借りて命を吹き込んだ死霊たちを、トードの住む農場に送り込んだ。昼も夜も現れる霊の姿、夜中にのしかかる牛の姿のばけもの…農場の人々は次々と逃げだし、とうとうただふたり残されたトードと物乞いの老婆は、襲い来る死霊に、立ち向かおうとするが…?また、老婆の正体は…?荒々しい魅力にあふれた北欧神話を下敷きに、独自の手法で織りあげられた、不思議な雰囲気をたたえた骨太な物語。
●図書館 Summerland(Michael Chabon) ファンタジー The Black Opal(Victoria Holt) ロマンス Little Gray Rabbit's Story Book(Alison Uttley) 『どろぼうの神さま』(コルネーリア・フンケ) 『月の森に、カミよ眠れ』( 上橋菜穂子) 『千年のかなた : 七つの封印・外伝』(カイ・マイヤー) 『青い石の伝説 : 魔法少女マリリン』(村山早紀) オーディンとのろわれた語り部(スーザン・プライス)
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