銀行の支店で働く、いろんな人の視点から描く連作集。 企業小説家と思いきや、ミステリー。 「七つの会議」と構成が似てますね。
組織で働く理不尽さや、何のために仕事するの? といったことを考えさせられます。 それにしても、池井戸作品の銀行や大企業は、ろくでもないところばかりだ。
ちなみに「シャイロック」が分からなくて、調べました。 「ベニスの商人」に出てくる金貸しだったんですね。
ネタバレ。 社内恋愛のOLが出てきたり、優秀な人が実は・・・という真相も「七つの〜」と似てる。 けど、最後の最後のオチにはびっくり。 岩本は何で殺人容疑をかぶってまで、西木の手助けを? お金だけ受け取って、知らん顔もできたはずだけど。
愛梨は、軽いけど仕事がデキる上司・西木のおかげで、泥棒冤罪から救われたけど、現実には疑いかけられたら、晴らせないことが多いんだろうな。
現実には、西木みたいな上司はあまりいなくて、古川みたいな、部下の悪口を言って、自分の点数稼ごうとする人の方が多いだろうし。
「出世とか関係ない社員の方が、暖かみがあって、仕事しやすい」みたいな一文には同意。
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