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やすみ日記
梅子
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2012年03月27日(火)
「サラの柔らかな香車」橋本長道

奨励会・脱落の無職男性、
共感覚を持つ、外国人女性棋士、
天才少女の挫折、
孤高の女流棋士、
などなど。

こういう性格・生まれだから、こういう将棋を指す、というのが、門外漢の私にもリアリティが感じられ、興味深い。

作者は、元・奨励会の人です。
デビュー作とは思えんほどの完成度。

「才能の墓場」と言われる、奨励会の過酷さが身に染みる。
最後、希望の持てる終わり方で、よかった。

将棋バカ同士の、トウコと瀬尾の、最初のデートが可愛い。



2012年03月26日(月)
「ラブレス」桜木紫乃

北海道の開拓民の家に生まれ、酒浸りの父から逃れ、旅芸人一座に飛び込む女性の生きざま。

一気読みです! 
最初は、主人公の姪の視点から入るので、人間関係の把握に戸惑うのですが、主人公の幼少期の描写から、ぐいぐいと引き込まれます。

とことん男運のない早百合の人生ですが、
石黒と結ばれたらよかったのに!
綾子が幸せでよかった。
という感想です。

義母がモンスター過ぎる…。

人生の幸不幸は、周りが決めることじゃないということでしょうか。



2012年03月25日(日)
「虚空の冠」楡周平

電子書籍のトップシェアをめぐる、新聞社とベンチャー企業の戦い。
読売新聞・ナベツネ会長VSホワイトバンクといった感じです。

綿密な取材による描写で、本当にこんなことありそう! と手に汗握りました。

書店・取次が無くなるって、昔は想像もしてなかったですが、この本読むと、あり得るのかなと思います。

「力のある著者だったら、出版社は必要なくなる」というのもあり得そう。

戦後すぐの時代、新聞社の通信手段が鳩だったということにビックリしていたら、
最後の伏線回収に、そーくるか! と思いました。

亮輔の義父の気持ちを思うと、切ないな…。

主人公・渋沢は、経営者としては優秀だけど、自分一人だけ勝って、周りは死屍累々というタイプなので、応援しづらかったです。

電子書籍の売り上げ、
通信会社が5割抜くって、確かに多すぎですが、初期投資のリスクを考えると、ありなのかな…。

実際に電子書籍が普及したら、いつかは本の値段も安くなり、本を読む人も増えるのかもしれませんね。



2012年03月24日(土)
「消失グラデーション」長沢樹

う〜ん。
確かに、ドンデン返しにはビックリしたけど、こんなにひとつの学校に集まるものか? 

椎名、女子にモテモテ過ぎじゃないか?
ヒカル君が通りかかるなんて、偶然過ぎるだろう。
あと、椎名はなんで「僕」って言うの?
「ゲイ野郎」って罵り言葉も、不自然なような。
伊達さんは、止めようと思ったら、他に方法あるだろう。いくらなんでも危ないよ。

プロットが斬新なので、仰天設定を受け入れられる人には、イイと思います。




2012年03月23日(金)
漫画「天地明察」2巻(槇えびし)

「天地明察」2巻を読みました。

2巻は、北極出地の命を受けること、関さんへの出題、がメイン。

原作より、道策の可愛さがUPしてると思う。

おまけの4コマ(沖方さん画)に吹いた(笑)
沖方さん、絵もうまい!

映画版の、英文タイトルが決まらないという4コマ。
候補が「カレンダー」、「ヘブン アンド アース アンド アンサー」って、笑える(笑)

***
映画の方も、新しい予告編が出来てます。
足並み揃えてる、北極出地メンバー可愛い(笑)

金環日食当てクイズもやってたので、応募してきました。
http://www.tenchi-meisatsu.jp/index.html



2012年03月21日(水)
3/20 夜、着物飲み会

3/20、6時〜みます屋DELIで、
高校時代の友達・スプーンちゃんと、そのお友達と、総勢9人の着物飲み会に参加。

スプーンちゃんの同僚と写真友達だそうで、ほぼ初対面の人ばかりでしたが、陽気で面白い方たちでした。
(先日見に行った、ten count展のメンバーさん達です)

皆さん、昼間、「ほっこり」さんで着物レンタルして、京都観光されたそうで、8時になったら、一旦抜けて、着物を返しに行かれました。

写真好きさん達の、会話が興味深かったです。

いとうさんが女装変身写真を見せてくれはったり(綺麗!)、

はやとさんに「普通顔・変顔・キメ顔をしてください」と言われて、写真を撮られたのですが、全部同じ顔になってしまったり。

あじきさんが、初心者向け、オススメ写真本を教えてくれはったり。
(中井精也さんの「世界一わかりやすいデジタル一眼レフカメラと写真の教科書」だったかな?)

みいさんは、着なれた感じの着物美人さんでしたが、モデル志望じゃなくて、写真を撮りたいとのこと。
住宅街にある「宝泉」という和菓子店の話をされてました。
(凄い人気店だとか)

目の前にある料理も、はやとさんが撮ると、実物より美味しそうに見える。

「写真で個性を出そうとすると、明るさを調整するのが一番てっとり早い」とか。
色々テクニックがあるものですね。

べっしょさんは、会社のジャグリング部に入ってたことがあるそうです。
他にも、砂糖部(スイーツを食べ歩く部活)があったり、スプーンちゃんの会社は面白いな。

いとうさんとちゅうげんさんは、男性では珍しく茶道を習ってるそうです。渋い!

次回は、映画村で扮装して写真を撮りたいという話をしました。

ところで、みます屋さんはどの料理も美味しいです!
最後に、鯛茶漬けを食べたら、いとうさんが「着物を着てるのにまだ食べるの!?」とビックリしてはりました(笑)

最後に、あじきさんの一眼レフで、10連写で集合写真。
コマ送りみたいで面白い〜。暗くてもキレイに撮れるものですね。

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2012年03月20日(火)
伝統産業の日、公開工房ツアー

3/20、伝統産業の日、公開工房ツアーに行ってきました。
http://www.city.kyoto.jp/sankan/densan/densannohi/event/event051.html
http://www.honnoh.net/image/20100321B.pdf

ミヅキさんの着物姿は初めて。
洋服時の色合いと似ていて、おしゃれです。

12時半過ぎに、本能館で受付。
1時スタートの、13人くらいのグループで出発しました。

★一軒目は、金彩の荒木さん。

白地の帯に、金彩の仕事をしている最中だそう。
「帯で白地は珍しいんだけど。花街の注文で、急ぎなんです」とのこと。

見本として、
帯に、金彩を降って、もみじ柄を作ってみせてくださいました。
5分とかからない。早い。
もみじ柄を、フリーハンドで切り抜いた青いシートは、車用の市販のものだとか。

マライア・キャリーのドレスを作ったり、京都迎賓館の仕事をしたり、有名な方だそうです。

展示してある帯も綺麗。刺繍みたいな細かさ。

★二軒目は、糊置きの福本さん。

よくしゃべる、面白い方でした。
「糊置きはねー、工程の最後に、線は消えてしまうから、誰にも評価されないんですわー。失敗した時だけ、怒られるけど(笑)」
「失敗したら、金彩等で隠す」そうです。

案内役のおじさまも「工程の中で、一番エバってるのは、下絵を描いてる先生。でも、それでも日本画家よりは身分が低いんだよね〜」とのこと。

★三軒目は、印染めの土山さん。

風呂敷・暖簾・神社の幕などを染めてらっしゃいます。

二重線で名前を書いてプレゼント、という実演がありました。
早い上手い! 
名前を書いてもらったらいらさん、羨ましい〜。

型紙を切り抜く体験。
切りすぎて下の紙まで、剥がれちゃいました。

糊置きの体験。
楽しかった〜でも、線が太すぎた(笑)
頭上には、和菓子屋さんの暖簾が干してありました。

一人ずつ、試し染めの布をお土産にもらいました。
嬉しい。私は、らいらさんと同じ柄です。

水の中で糊を落とす作業を、見せてもらいました。
100均のおたまで、糊を掬って落としているそう。
「(糊が落ちたら)『おお〜』って言ってください」というリクエストがあったので、皆で歓声をあげました(笑)

本能館にもどって、らいらさん・ミヅキさんと記念撮影。

油小路通りの「日本の色スタンプ」を押しながら、歩いて、丸久小山園へ。

3組待ちでした。こんなに混んでるとは!
(座席数8つくらいしか無いんです)
まだ3時くらいなのに、和菓子売り切れ、ロールケーキ1個のみ。

煎茶(冷)を注文したら、器が上品でとても綺麗。
お茶(濃くてまろやか)も、お菓子も、とても美味しい。

ロールケーキは1個注文して、3分の1ずつ分けることに。
クリーム、めっちゃ美味しい。
次は是非、開店と同時に行きたいです。

着物パスポート特典で、ティーバッグをいただきました。嬉しい。

市バスに乗って(超混み!)、私は烏丸まで、お二人は祇園まで行かれました。
花灯路を見に行かれるとのこと。

着物で誰かとお出かけするのが久々で、とても楽しかったです。

余談。
らいらさんは、傾いた電柱の写真を、喜々として撮られてました。
らいらさんと街を歩くと、いつも不思議な物に目が行かはるなぁと思います(笑)

買ったはいいけど、派手すぎて着てなかった銘仙を、はじめて着ました。
この調子で、着たことない着物とか帯を活躍させたいです。

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2012年03月18日(日)
きものde記念撮影in平安神宮、安野光雅展など

「伝統産業の日」の期間中なので、着物を着て、
きものde記念撮影in平安神宮、京都市美術館、安野光雅展、えきkyotoに行ってきました。

今朝、母が、急に「サッチャー(映画)を見に行く」と言い出したので、
では、一緒に河原町でランチを食べようと言うことになりました。

20分くらいで支度したので、
タートルネックの上に着物、半幅帯、ノーメイクで、ひどい着付け(^^;

サブウェイ河原町蛸薬師店でランチ食べて(美味しかった。2階席ガラ空きでした)、母と別れ、平安神宮へ。

きものde記念撮影in平安神宮
先着150名なので、もう終わってるかな? と思って覗いたら、まだ44番目でした。
和菓子とお抹茶をいただいたのですが、ちゃんとしたお茶席でした。
(ひどい格好で来て、申し訳ない)
和菓子は、老松。美味しい。
茶道部の高校生さんが、丁寧に入れてくれました。可愛い。

雨で人が少なくて、お茶席6人しか居なかったです。もったいない。

記念撮影も、丁寧にしてくださいました。
「お荷物お持ちしましょう。コートもお預かりします」
と笑顔で言われて、超焦る。
(グダグダ着付けでしたので)

写真自体はとても綺麗に撮っていただきました。被写体がダメダメなのが申し訳ない。
ああ〜ちゃんとした格好してくるんだった!

京都市美術館で「コレクション展 模様をめぐって」を見て、
(初代・龍村平蔵の帯がありましたよ! 「錦」(宮尾登美子)を思い出す)
http://www.city.kyoto.jp/bunshi/kmma/exhibition/collect_2-2011.html

「安野光雅が描く 洛中洛外展」(高島屋)を見ました。
http://www.kyotodeasobo.com/art/exhibitions/anno-mitsumasa-rakuchurakugai/
もー凄く良かった!色がきれい。
草花の絵本とか、特に素敵。
(会期、あさってまでです)
着物だと無料ですが、洋服でも、6時以降は半額になります。

高島屋の「月ヶ瀬」でパフェを食べたあと、

みやこめっせに行って、写真を引き取り。
記念品に、扇子もいただきました。こんな立派な物いただけるとは

ついでに、3Fの「京ものフェスティバル」を見てきましたが、
(京都の色んなお店が出店してます)
洗える着物3000円とか、草履1500円とか、お得な商品一杯。楽しかったです。
http://www.miyakomesse.jp/event/2012/03/15-2012.php

最後に京都駅で、「アンリ・ル・シダネル展」。
モネを、全体的にグレーっぽくしたような絵でした。

着物の上から洋服用のコートを着ていたので、私が「着物で入場無料券」を渡すと、受付のお姉さんが、一瞬戸惑ったあと、立ち上がって、私の足元を見て、
「……着物でいらっしゃますね。どうぞお入りください」と言われました(笑)

****
ところで。

能楽師さんの日記が面白かったので、リンクを。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1830316626&owner_id=9502531

少し前、「たけしのアートビート」で、観世流家元のお家を紹介していて、
世阿弥の直筆本とか、家康から賜った狩衣などが出てきて、「国宝級! 雲の上の世界だ!」と、ビックリしてましたが。

能楽師さんの日常生活ってこんな感じなんだ〜と思って、興味深かったです。
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2012年03月12日(月)
「しあわせのねだん」角田光代

エッセイです。

仕事中、
午前はお昼ご飯のことをずっと考えていて、午後は晩ご飯のことを考えているという話。あるある! と思いました(笑)

母を温泉に連れていったら、しょぼい旅館で文句ざんまいって、これもある!(笑)

ゆるくて、共感することが多くて、可笑しかったです。

20代の頃、使ったお金が、その人の身になるって話は、そうかも! と我が身を振り返りました。

角田さんの他のエッセイ「夜中の散歩」も面白かった。
「ちくわぶ」をちくわの蔑称「ちくわブー」だと思ってたとか(笑)



2012年03月11日(日)
「ランウェイ」幸田真音

アパレル業界のバイヤーの話。

ジェットコースターな展開で、おもしろー!
ファッションの仕事が、これでもかと詳しく書いてある。

ピンチの時、必ずイケメンが助けてくれる&
次々と、セレブから言い寄られる&
外国で、やたら知ってる人とバッタリ、な
あたりは少女漫画っぽい(笑)

自分を振った元婚約者が「主人公に振られた」と思い込んでたのは、なぜ?
最後まで、種明かし無かったですね。

アキラと、ビザ申請の時に会ってるよってことも、真昼は知らないままですね。

津田さん、モンスター上司過ぎ。怖い! と思ってたら、最後にこんな展開になるとは。




2012年03月09日(金)
「くちびるに歌を」中田永一

乙一さんの別ペンネーム。青春小説です。

今回、ミステリー的な仕掛けは無いんだなーと思ったら、ありましたよ! 小さな叙述トリックが。

最初の手紙で、「○○の告白」ってあるから、てっきり…と思ってたら、騙された!

男子が、本人の居ない場所で、女子をかばって喧嘩して、喧嘩の原因を決して言わないなんて、好きになるに決まってるやろ! というエピソードですな。

お兄さんが、ドロップで台詞を再生するところ、
サトルが書いた手紙の内容が分かるところ、
が泣けた。

恋愛小説かと思ってたのですが、恋の話というよりは、自分の存在を肯定できなかった二人が、未来に光を見つけられるようになるまでの話でした。

じんわりと良かった。



2012年03月08日(木)
「カーネーション祭り」

NHK大阪放送局で開かれている「カーネーション祭り」を見に行ってきました。

朝ドラ「カーネーション」の小原洋装店のセットや、作中の洋服が展示されてます。
(入場無料。18日まで)

昭和初期の店が見たかったのですが、内装は現代になってました。
が、井戸や店の裏は、古くていい感じ。

洋服。
一番可愛いなと思ったのは、聡子の青のミニスカートのワンピースですね。
駒子(芸妓)のワンピースは、実物の方が可愛い。

携帯で自分撮りしようとしてたら、職員さんが「撮りましょうか?」と声をかけてくれました。優しい。
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2012年03月07日(水)
映画「華の乱」

大正ロマン! という感じで、女性の着物が綺麗
与謝野晶子と周辺の人々を描いた映画です。
この時代の有名人がわんさか。

夫の鉄幹のダメっぷりにツッコミいれつつ、見てました。
晶子は、こんな時代なのに、物をはっきり言う女性で、凄い。

晶子は、最初、有島武郎の告白を「困ります」と断ってたのに、
夫が愛人と家出した途端、
有島に「あなたと結ばれる夢を見ました」とノリノリで迫ってて、吹いた。
(風邪っぴきの子供11人、放っぽって!!)
行動力ありすぎや(笑)




2012年03月01日(木)
「幕末下級武士のリストラ戦記」安藤優一郎

幕末の下級武士の日記です。
さし絵が凄く上手い! リストラされすぎ!

波乱万丈で面白かった。
彰義隊に加わらなかった幕臣が、上野戦争の時どうしてたのか、知らなかったので、へーっと思った。

主人公は、
御徒(将軍SP)→静岡藩士→刑務官・警察官→張子の内職→群馬県職員→小間物屋→東京国立博物館書記
と、仕事を何度リストラされても、立ち上がります。
畑仕事したり、お店開いたり、チェレンジ精神が凄い。

子供を膝に乗せて食事させたり(11人の子持ち!)、自炊したり、武士なのにマメだなー。

全人口の5%に満たない武士が、明治政府の役人の70%を占めてたって、武士は恵まれてるな。