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やすみ日記
梅子
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2008年06月30日(月)
甲斐庄楠音「横櫛」

「美の巨人たち」、先週は甲斐庄楠音でした。
私が知ったのは、かわいゆみこさんの「夢色十夜」です。
一般的には「ぼっけえきょうてえ」の表紙で有名らしいですね。

最初に出てきた、青い着物の「横櫛」はそんなに怖くないのですが、習作の、黄色い着物の「横櫛」は、怖! と思いました。京都国立近代美術館にあるんですね…一回見てみたいな。
相当変わった人だったみたいで、身体が弱かったから女装で育てられ、大人になってからも、絵を描くため、自ら花魁の格好をしてたり。
洋画家の榊原始更と愛し合い…とさらっと紹介されてて、ビックリしました。
その前に、「横櫛」のモデルが兄嫁、一番好きだった女性は株成金に嫁ぎ…という話をやっていたので、不意打ち。
大正時代の画壇の様子も分かって、面白かったです。



2008年06月29日(日)
「八月の略奪者」いつき朔夜

「八月の略奪者」(いつき朔夜)を読みました。
いつきさんを読むのは3冊目ですが、全部面白かったです。今回は、博物館の学芸員と高校生の話でした。

馬鹿にされることを恐れて、しらけた態度を取っていた浩紀に、正論で真っ直ぐぶつかっていく草一。二人が心を通わせる様子が、ゆっくり描かれていて、良かったです。地味な話だけと、ふとした表現が良い。
草一は、仕事には熱心だけど、恋愛には臆病で、本心を表すことが出来ない。浩紀は、そんな草一をもどかしく感じます。
自分が失恋することが分かっていても、黙っていられなくて、「あんたの中の可哀相な蝉を、解放してやって欲しい」というセリフに、ジンときました。
短気で、将来の目標も無かった浩紀が、三年後、思慮深くなり、しっかり目標を持って大学生やってるのが、良かったです。良い影響を与え合う、年の差カップルって素敵。

ただ、書き下ろしは、共感できない。
草一が、年の差を気にして、別れた方がいいのでは…と悩む話です。久我有加さんの「短いゆびきり」もそんな話でしたけど、悩んでも無駄なのになーと思ってしまいます。終わる時はどうしたって終わってしまうものだし、心底好き合った者同士で一緒に居れるって、凄い貴重なことなんだから、無理矢理終わらせようとすることない、と思う。
蛙の多肢症の研究で、環境汚染が見つかり、市が圧力かける話は面白かったです。いつきさん博識だなー。

ネタバレ草一は、博物館に迷惑がかかることを恐れて、論文から、多肢症の原因が環境汚染であるという部分を削ってしまいます。
それを知った浩紀は、論文を、自分の名前でHPに発表してしまいます。そのせいで、地元での就職はふいになるのですが、草一が一番大事な部分を曲げてしまうくらいなら、この方が良いと言います。
このやりとりが、いいなーと思いました。やり方は違えど、相手のことを深く考えているところが。



2008年06月28日(土)
倉橋ヨエコLIVE(心斎橋クアトロ)

倉橋ヨエコさんのライブ(心斎橋クラブクアトロ)に行ってきました。
アーティスト廃業前の最後のツアーです。
ふゆさんは、五回くらい、「何も廃業しなくても…」と呟いてはりました。本当に。

ヨエコさんは真っ白なウェディングドレスで登場。廃業宣言を書いた、黒いたすきをかけて。
廃業の理由を、勝手に結婚かと推測してましたが、本当にそうなのかなぁ。
今までで一番、幸せそうに歌ってはるように見えました。
しかし、音が大きい! スピーカー前だったこともありますが。最後の弾き語りくらいの音量がちょうど良いです。
「夜な夜な夜な」「過保護」「盗られ系」「感謝的生活」と懐かしい曲が沢山聴けて、良かったです。
以前に比べて、負のオーラが減った? という気もしましたが、最後の弾き語りメドレーでは、相変わらずの恐ろしいほどの情感。雨の季節に「梅雨色小唄」。ぴったりですね。
未発表曲、「レモンケーキ」「自転車」「ジュエリー」も演ってくれたのですが、CDにすれば良いのに…勿体ない。
ふゆさんは前から「ライブで『椿荘』が聞きたい」って言ってはったけど、ついに叶わずでした。私も『沈める街』が聞きたかったなぁ。

帰りは、ふゆさん・多紀さんとラーメンを食べて帰りました。
2年前のバナナホールのワンマンライブの後も、ふゆさんとラーメンを食べたなぁと、懐かしくなりました。
ヨエコさんのライブは5〜6回行ってるので、色々思い出して、感慨深いです。

あんなに歌が上手いのに、休業じゃなくて、廃業なのが悲しい。ソロの倉橋ヨエコとしては引退するけど、バンドで復活します! とか、名字を変えて再デビュー!ってオチなら良いのに。
ヨエコさんは、今までで一番、MCをしはって、感謝の言葉を繰り返し、倉橋ヨエコを忘れないでくださいと言ってはったけど、私は忘れないと思います。



2008年06月24日(火)
「吸血鬼と愉快な仲間たち」ドラマCD

「吸血鬼と愉快な仲間たち」ドラマCD(原作・木原音瀬)を聞きました。
面白かったんですが、だいぶ話はしょってますね。よりによって、そこを抜かすか!と思ったのが、暁が、コウモリ姿のアルと初めて出会うシーンと、勘違いで直腸検査されるシーン。事後説明のみになってる…残念。
キャストは、イメージ通りで良かったです。
暁が、特にピッタリ。CDで聞くと、改めてツンデレのツンだけのような人だな。アルは思ったより幼く、ヌカリヤは飄々とした感じ。
BLらしくない話なので、聞いてて恥ずかしくないです(笑)
ブックレットのSSも面白かったです。津野はいつもこんな役割ですね(^^;



2008年06月22日(日)
「アメリカン・ギャングスター」

「アメリカン・ギャングスター」を見ました。
実在するアメリカのマフィアを描いた映画です。
運転手から麻薬王に登りつめるフランクと、汚職にまみれた警察で、一人正義を貫くリッチー。男と男の戦いを描いた社会派作品で、地味ですが、見応えありました。

警官役のラッセル・クロウがあまり格好良く見えなくて、反対に、悪役のデンゼル・ワシントンが、格好良かったです。知的で、家族を大事にして、決して目立つようなマネはしない。が、逆らった者には容赦しない冷酷さ。

しかし、フランクの証言で捕まった汚職警察官、麻薬取締官の3/4って、腐敗しすぎや!
捜査に協力したおかげで、フランクの刑期が70年から15年にっていうのも、縮みすぎだ。麻薬大量に売っておいて、たったそんだけの罪…。



2008年06月19日(木)
「老舗旅館に嫁に来い!」小林典雅

10分に1回くらい吹き出しました(笑)
旅館の跡取りと恋に落ちたアメリカ人が、女将修行をする話。
外国人といえども日本語堪能で、いちいち人を、好きな仏像に例えるのが可笑しいです。攻を、「興福寺の阿修羅像のようにハンサムだ」とか。
最初、電車の中で読むのにイラストを飛ばしていたので、攻の顔を可愛い系で想像してた…。後で挿絵見たら、男らしかったです。

攻の許嫁と、女将対決する羽目になる場面も面白い。
「あなたに、生け花・茶道・書道・日本料理の説明ができるの!?」って。確かに無理だ(笑)
女将として完璧すぎる上に、打算的な麻衣子さんが素敵です。女将になりたいし、攻は不細工じゃないからまあいいかって、そんな理由で結婚決めて良いのか!?

とんちんかんな女将修行の様子が楽しかったので、ラブシーンは無くてもいいやと思いました(本末転倒)。できあがったカップルの話は珍しいですが、山あり谷ありで楽しかったです。

ただ、シャレードパール文庫、もっと分厚ければ良いのに。読み足りない感じです。



2008年06月18日(水)
「帝都万華鏡ー桜の頃を過ぎても」鳩かなこ

凄く雰囲気のある、文学的な文章で、大正時代の風景が鮮やかに描き出されてました。街を行き交う人々が目に浮かぶようです。
高校時代に出会い、やがて詩人と編集者になる二人の、10年に及ぶ愛憎劇です。とても切ないお話で、良かったです。

高校で、琢馬が京介と出会い、心惹かれる場面から、いきなり10年後に飛ぶので、面食らいました。今度は逆に、京介が琢馬に恋いこがれるのですが、高校時代の二人が心を通わせる様子をじっくり見たかったな…。

その後も、時々話が過去に飛ぶので、流れが分断されるのが残念。お兄さんと伊部さんの話は無くても良かったんじゃ?

10年以上も、京介を親友としか思ってなかった琢馬が、京介を受け入れた理由もよく分からなかった。奥さんのことも「愛していた」という割に、具体的なエピソードがないので、そんなに愛してたって感じがしない。心の移り変わりをじっくり描いてくれたら、もっと良かったな。



2008年06月14日(土)
ルノワール+ルノワール展に行きました

「ルノワール+ルノワール展」(京都国立近代美術館)に行ってきました。

その前に、8:40に待ち合わせて、平安神宮へ。
菖蒲と蓮が、見頃でした。蓮の花が咲いてるの、初めて見ました。ふんわりピンク色で、かわいい。
前回行ったときは気づかなかった、池の飛び石も渡りましたよ(^^)

9:30頃に京都国立近代美術館へ。
開場してすぐなので、そんなに混んでなかったです。「小川のそばのニンフ」「ぶらんこ」「田舎のダンス」などが良いですね。ふっくらした女性が魅力的。光の表現が素敵。
常設展では、川端龍子の「佳人好在」「曲水図」が見れました。凄く良かった。

ランチを食べた後、くみさんのお部屋にお邪魔しました。
天井まで届く本棚を三つお持ちなのですが、更にもう一個注文されてはって、それが届きました。すごい蔵書数だ。
資料用の、珍しい本が色々あって面白い。電車運転士とか骨董偽物年代記とか。
書類をきちんと整理してはって、さすが。見習いたいです。
パソコンの画面が大きくて、椅子が凄く立派。作家さんらしいですね!
骨董の和箪笥と薬箪笥が、素敵。
舞妓変身された時の写真も見せていただいて、可愛かったですvv
萌え話を延々としていて、お菓子のみならず、晩ご飯までご馳走になりました。すみません(^^;
「純情ロマンチカ」のビデオも見せて頂いたのですが、ちゃんとラブなシーンも放送してるんですね(照)原作知らないんですが、面白かったです。



2008年06月11日(水)
「シンプル・イメージ」砂原糖子

タイトルの通り、余計なものがなく、シンプルなストーリーでした。
失恋し仕事を辞めて、海辺の街に越してきた受が、天真爛漫な高校生と出会って、恋に落ちる話。
淡泊で物静かな受と、元気で明るい年下攻の組み合わせが、好みですv 
砂原さんは、これが投稿作だそうですが、読みやすい文章で、上手だなーと思いました。
海のイメージが素敵ですね。生活の様子が目に浮かぶ。



2008年06月10日(火)
「コンティニュー?」いつき朔夜

面白くて、一気に読みました。
ゲーム会社の話で、タイトルがコンティニューというのが上手いですね。 
妻に逃げられ、会社は首になり、乳児を抱えて再就職もままならず…という、冒頭から転げ落ちるような展開に、目が離せませんでした。
相手役のゲーム会社社長が、よくある、華やかなだけで何してんだか分からないような社長ではなく、地道に働いて仕事ができる様子が描かれていて、良かったです。
絢人をないがしろにしたディレクターを、一方的に悪者にするのではなく、双方納得いくように解決するところも、気持ちいい。
子どもの描き方や、子育ての様子もリアルだなーと思いました。美里ちゃん可愛い〜。最後の日記にもホロリ。
絢人の元奥さんは嫌いでした。子どもを置いて出ていっといて、再婚したから引き取りたいって、ムシが良すぎ! 



2008年06月09日(月)
「少年舞妓・千代菊がゆく!」1巻

「少年舞妓・千代菊がゆく! 花見小路におこしやす」(奈波はるか)を読みました。
花街の習慣や、舞妓さんの生活が詳しく描かれていて、楽しかったです。
舞妓さんの京ことば、おっとりして、かわいい〜。
置屋の男の子が、ピンチヒッターで舞妓になる話なのですが、現在20巻以上出てます。いつかはバレるのかしら?



2008年06月08日(日)
「ショコラティエの勲章」上田早夕里

和菓子屋の娘と、ショコラトリーのシェフが、日常のちょっとした謎を解き明かしていく、ミステリー連作集です。
出てくるお菓子がどれも美味しそうです。お菓子の世界が詳しく描かれていて、興味深い。
シェフの修業時代を描いた「約束」。3人の男達の、ライバル心と友情の混ざった感情が良いです。一見、いい加減に見えて、実は熱い情熱と才能を持っている梅崎さんは、いいとこ取り男だなぁ。
「月人荘士」は、お菓子のイメージが綺麗だなぁと思いました。季節の移ろいや、古典文学の題材を、表現する和菓子の世界。風流で素敵ですね。



2008年06月06日(金)
「仇なれども」剛しいら

幕末〜明治の、時代物BLです。面白かった。
かつての恋人を、兄を殺された仇として追う…という話。明治維新後の動乱や、尊皇と攘夷に揺れる藩の動きなど、読み応えがあり、恋の行方よりそっちが気になるくらい。三橋をずっと影で支えてきた、本郷に萌えます。今市子さんの表紙が綺麗。
後書きで「前から書きたかったけど、なかなか書かせてもらなくて」と書かれていましたが、こういう話は大歓迎です。キャラ文庫さん、もっとやってくれ。
この本は、ふんどしBLについて書かれたブログで知りました(笑)



2008年06月05日(木)
和風BL

ライブドアブログには「ボーイズラブ」という壁紙があります…。
せっかくなので、変更してみました。
やすみのBL日記
ぎゃっ恥ずかし!
このブログは、通常の日記から、BLの感想だけを抜粋したものですが、更新が長く止まってます(^^;

多紀さんから教えてもらった、和風BLを色々読んでます。
昔のパレット文庫ばかりなのですが、面白いなぁ。何でなくなっちゃったんでしょうね。

「今、風が梢を渡る時」前・後(かわいゆみこ)
大正時代の旧制学校モノ。真面目な話でした。ほとんどBLとは思えない。ビリヤードまで漢字で表記してあって、雰囲気あります。この時代のことをよく調べはったんやろうな。この時代の、凛とした青年のたたずまいが良いです。

「慕情街道」シリーズ全3巻(たけうちりうと)
明治時代。少年が、絵の才能を見いだされて、お金持ちに引き取られる話。芸術家ものかーと思って読んだら、キテレツ大百科みたいな話でした。3巻の、骨董の真贋の話が興味深い。主人公がかなりの天然で、読んでて楽しかったです。桜の木の一人称、というのが新鮮で面白かった。

「優しくて冷たい果実」「若旦那シリーズ」番外編も読みましたが、面白かったです。

和風ものでは無いのですが、いつき朔夜さんの「GIトライアングル」が面白かった。
競馬の話なんですが、競馬を知らない私が読んでも、分かりやすくて面白い。受の子がなよなよしてなくて、ちゃんと少年ぽくて良いです。