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やすみ日記
梅子
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2008年03月28日(金)
FLESH&BLOOD」11巻

「FLESH&BLOOD」11巻(松岡なつき)読みました。
ぬをー! もの凄く面白いところで「続く」になってるー! 次巻が出るのはいつだー!
もう、今回はビセンテに尽きますね。不憫なやつ…。
ネタバレようやく恋を自覚した、ビセンテのモノローグが、暑苦しく堅苦しくて笑えました。
イングランド勢がスペインまで助けに来て、板挟みになるカイト。もーどうなるんだ! スペイン勢にも死んで欲しくないし! 続きが気になりすぎて、身もだえしてます。
次巻、カイトの機知で、二重スパイ・ラウルを出し抜く様が見てみたいです。
カイト、結核の疑いが出てましたけど、たぶん違うんでしょうね(と、思いたい)。
そして、カイトが、フェリペ二世に、アルマダ海戦でスペインがどうなるかを話してましたが、もしかして、歴史が変わって戦争をしない方向へ行くのかな…それは無理かしら。



2008年03月25日(火)
「空飛ぶタイヤ」池井戸潤

三菱自動車のリコール隠しを題材とした小説です。
表紙とタイトルは、ほのぼのした感じですが、中身は熱い。巨大組織と戦う個人ということで、「白い巨塔」を思い出しました。
走行中のトラックからタイヤが外れ、死亡事故が発生。事故を起こした運送会社の社長は、整備に不備がなかったことを確信し、事件の真相を独自で調べます。が、警察は最初から犯人扱い、大企業である自動車会社も、まともに相手にしてくれません。
更に、事件を機に、大口取引先からは切られ、銀行からは融資を断られ、子供はいじめられ、自分も周りの親から白い目で見られ…と次々苦難が襲います。この、ピンチ→切り抜ける→またピンチという繰り返しで、ページをめくる手が止められず、昨日はなかなか眠れませんでした。
大企業の、ぬるま湯体質や世間ずれしたエリート意識を、見てきたかのようにリアルに描いてるなぁと思っていたら、作者は三菱銀行の方だったのですね。
文章はとても読みやすく、中身はとても読み応え&爽快感がありました。読み出すとやめられないので、お時間のある時にオススメです。



2008年03月23日(日)
きものコンサートと、ドイツ・ポスター展

昨日、きものクラシックコンサートと、平安神宮、ドイツ・ポスター展、東山花灯路に行ってきました。
まず、人力車に乗ろうと思って、平安神宮前へ。
配布時間10分前に着いたら、もう先着10名で打ち切られたということでした。残念。抽選かと思ってたのですが。早めに来ないとダメですね。

せっかくなので、平安神宮へ。
着物だと御苑が無料なんです。花は少ししか咲いてませんでしたが、結構森が深くて、樹齢かなり経ってそうな立派な木が沢山あって、見応えありました。静かで、落ち着きます。

京都国立近代美術館へ。
「ドイツ・ポスター 1890-1933」展を見ました。ここも着物で無料。
意外と良かったです! 見ないかもと思って、チケットを人にあげてしまったくらいですが(^^; 来て良かったです。面白かった。
色数も少ないし、文字だけのものもあるのに、格好良かった。美術展のチラシで見るより、実物は色がきれいですね。
肉屋や文房具の広告まで、何でこんなにおしゃれなのか。戦時中・戦後のものは、時代が色濃く反映されていて、興味深いです。
日本の昭和初期のポスターもありましたが、モダンだなぁ。ちょっとふざけてて面白かったです。

美術館で、同じく一人で来ていた、着物姿の女の子と知り合いました。
一階のロッカーに、着物無料入場券を忘れて、取りに帰ろうとしてはったので、「余分に持ってるので、差し上げます」と声をかけたことが、きっかけです。
一緒に美術展を回り、その後のきものコンサートもご一緒していただきました。

きものクラシックコンサート。
指揮者は、齋藤一郎さん。30代の若手の方で、東京芸大の指揮科を主席で卒業、岩城宏之氏や佐渡裕氏に師事していたそう。
動きがきっぱり分かりやすく、時々すっごい笑顔でした。指揮者の動き見てると、次に大きな音が来る! とか分かりますね。
一曲目は、モーツァルト交響曲第34番。
モーツァルトらしい、明るくて聴きやすい曲なんですが、あまり印象に残らないメロディだなと思いました。
二曲目、ベートーヴェン交響曲第6番「田園」。
有名な第一楽章が好きです。ベートーヴェンって才能あるなー(当たり前ですが)。チェロの人が、途中で弦を落として、慌てていました(^^;
合間に、全国きものの女王3名の発表。
選ばれた、大阪の人は今風でかわいい。東京の方は日本髪が素敵。京都の方は堂々としてらっしゃいました。選ばれなかった方も、皆さん、美しくて品があって、素敵でした。

コンサートが終わって、東山花灯路にも行ってみようということになりました。
石畳の道に、灯りが灯され、風情があります。ねねの道とか、驚くほどの人! 
そして、私はデジカメの充電が切れてしまい、携帯で写真を撮りました。アホやー(><)
着物や手ぬぐいのお店をぶらぶら見て、四条大宮で解散。楽しい一日でした。

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追記。
ポスター展で展示されていた、杉浦非水って、多摩美の初代校長だったんですね。へー。えらい、モダンで格好いい夫妻や。



2008年03月20日(木)
公開工房ツアーに行ってきました。

「本ものに出会える日 おいでやす染めのまち本能」の「公開工房ツアー」に行ってきました。
紋の刺繍と、友禅の型染を見せていただきました。30分ずつくらい説明してくれはって、すごく面白かったです。
最後に本能館で、糸目糊置きと裃仕立て、京野菜細工の実演も見ました。
* * *
四条烏丸から10分ほど歩いた「本能館」にて、10時すこし前に受付。
スタッフさんは、揃いのはっぴを着ていました。かっこいい。
10時5分頃出発。私たちの回は、8人でした。受付帳を見ると、東京から来た人が居て、びっくり。

まずは、中村縫紋さんへ。
紋の刺繍屋さんです。細い路地の奥、更に二階にありました。小さなお部屋で、正座して見学しました。
実際、縫い紋や刺繍糸を触らせていただきました。絹糸、軽くて柔らかい。
縫ってるところも見ましたが、細かい作業! 針があまりに細くて、穴が見えないくらい。凝った縫い方だと、一つの紋に五時間かかるそうです。
最近は外国産の生糸が多くて、あまり質が良くないそう。糸専門のお店も、もう京都に一軒だけになってしまったそうです。
着物を着た後は、裏返して陰干しするといい、ということを聞きました。なるほどー。

次は、中東盛染工場さん。
友禅の型染め屋さんです。ここも、作業場は路地奥2階です。頭上には、沢山の板がつり下げられていました。貼り付けた反物を、乾かしているのだそうです。
6メートルの長い板に、糊を塗り、反物を張って作業します。型紙は、昔は和紙を貼り合わせて、手彫りして作った「伊勢型紙」を使っていたそうですが、今は職人さんも減ったので、プリントゴッコと同じ原理で、型紙を作っているそうです。
小紋だったら、一つの型紙で全体を染められますが、訪問着だと、多い場合は100枚くらい型紙が必要だそうです。ひえー。
着物を染める行程は、簡単なものだと4行程、多いときは20行程くらいになるそうです。この本能地区には、100メートルに30軒くらい工房があるので、近所をぐるっと回ると、着物が一枚できるのだとか。
一階に降りて、見本帳を見せて頂きました。昔は、一反を色んな柄に染めて、呉服屋さんに配る見本にしてたそうなんですが、コストがかかりすぎるので、今は、本のカタログにしてるそうです。
色を抜いて別の柄にしたり、色を上からのせて地味にしたり、好きな柄を持って行って染めてもらったり、ということも、このお店でできるそうです。

本能館に戻って、甘酒をサービスしていただきました。美味しい。暖まります。
次に職人さん達の実演を見ました。
まずは京刺繍。
絞りの柄を刺繍で表現したり、神業的細かさです。紋をキーホルダーにしたのがあって、とても可愛いなと思ったのですが、行事用記念品の残りで、非売品だそうです。残念。
次は、糸目糊置き。
友禅染で、染めたくない部分を白抜きするための行程です。
細ーく糊で線をなぞっていくのですが、これも細かい作業ですね。
裃仕立て。
縫い目が少なくて、構造は簡単そうでした。今は、鮫小紋の柄は、ローラーでプリントしていくので裏は白いのだそうです。昔は職人さんが手作業で染めてたので、裏にも色が移ってたんですけど。だから、裏も染まってる裃は古いものなのだとか。
今は、裃は時代劇なんかで需要があるそうです。
京野菜細工。
さつまいもで、鯛や金魚を掘ってて、細かーい。ほとんど一本の包丁で彫ってるそうです。すごいなー。
まわりが細かい細工は、煮崩れたりするので、縁はなるべく元の形のまま、中心部分に柄を入れるとか、色々工夫されてるようです。

イベント運営費のために手ぬぐい(400円)を売ってはったので、土器・木賊・浅葱の三色から、土器(かわらけ)を買いました。

のれんスタンプラリー。
帰り道、油小路通一帯では、古典色の暖簾がかかっていました。スタンプを押すと、色の名前の読み方が分かるようになってるんです。
色とりどりできれい。知らない色がいっぱい。面白そうでしたが、時間が無かったので、三色しか押せませんでした(^^;



2008年03月17日(月)
伝統産業の日 伝統工芸体験

土日は、「伝統産業の日」のイベントのひとつ、「京の伝統工芸・技の体験教室」に行ってきました。

まずは15日。
朝から、みやこめっせへ。漆器体験をネットで申し込んでたんですが、取れてなかった様子。ですが、キャンセルが出たので、参加させてもらえることになりました。
見本の絵を見ながら、絵をつけていきました。筆がヨレれたり、ムラができたりして、難しかったです。
もらった抽選券で抽選をすると、貝の形の陶器の入れ物が当たりました。嬉しいけど、何に使おう?? 紅を入れればいいのかな。

その後、京都大学の学食「カンフォーラ」でランチ…と思ったら、凄い人! 40分並びました。ハンバーグのランチは美味しかったです。

りかちゃんと待ち合わせて、手作り市に。
知恩寺も人がいっぱいでした。2時を過ぎてるので、食べ物屋さんは軒並み完売。
でも、色々見れて面白かったです。自分のキャラクターグッズを大量に作って売ってるお兄さんは、インパクト大でした。

りかちゃんは写真教室に通っていて、ポートレートの課題があるということで、モデルになることになりました。
糺の森にて、写真撮影。静かで鬱蒼として、素敵でした。この日は、進々堂も行ったし(満席で入れませんでしたが)、森見作品の舞台ばかり巡ってるなぁと思いました。
りかちゃんから、カメラの性能や、写真の世界の話を聞いて、面白かったです。

次は16日。
午前中は、組みひも体験。
すごく物覚え悪くて、手こずりました。最後3分くらいにようやく、脳の回路がつながって、手がスムーズに動くようになって、先生に「君は最後だけは良かった!」と、ほめられ(?)ました。
隣で小一くらいの子が、超さくさく編んでいました。先生が、私の帯締めを指して「あじろ組みといって、16本使うとこういうのが織れるのよ」と、その子に教える教材にしてました(^^;

午後は版画。
6人くらいのテーブルで、話が弾んで楽しかったです。
板に下絵を描いて掘るんですけど、力要るし、時間かかるし、なかなか大変。
ちょっと図案が欠けてしまって失敗
刷るのも、濃すぎたり薄すぎたりして、うまくいかず。
でも、一心に木を掘るという作業に、癒されました。
またまた抽選。今度はネクタイが当たりました。おお。
あと、三階でも体験ができるので、簡単な聞香をしたり。沈香、いい香り〜。

みやこめっせから10分ほど歩いて、「Kyoto生Chocolat Organic Tea house」へ行きました。
古い一軒家のカフェです。
友達の家に来たみたいな感じで、とても落ち着ける空間でした。
猫と犬が、代わりばんこにやってきて、可愛かったです。犬は、すぐ近くに座りこんじゃったし。おとなしい〜。
外国人の奥様が、和装で、少したどたどしい日本語でオーダーを聞きに来てくれはって、「チョコはパウダーが飛ぶので気をつけて」と言われましたので、手ぬぐいを膝にかけて、食べました。
チョコレートケーキが残念ながら品切れで、アップルとブルーベリーのケーキ、それに生チョコセットを頼みましたが、美味しかったです 生チョコ、濃厚。ケーキ、見た目も可愛い。



2008年03月13日(木)
「サクリファイス」近藤史恵

自転車ロードレースの小説です。
思いも寄らない結末で、凄く面白かったんですが、後味が…。
登場人物と一緒で、私も「そんなことのために!?」って思いましたよ。
読んだ人の感想を、聞いてみたい本だと思いました。
文章が読みやすくて、内容がすいすい入ってきました。
ロードレースのことは何にも知らなかったんですが、分かりやすく書かれていて、興味深く読めます。
青春スポーツ小説かと思って読んでたら、ラスト近く、真相が二転三転して、うなりました。素晴らしいミステリーですね。

ロードレースって、チームのエースを勝たせるために、あえて勝ちを捨ててサポートに回る、「アシスト」という役割の人がいるんですね。初めて知りました。
この話は、アシストにやり甲斐を見いだす主人公・誓と、どんな手段を使ってでも勝ちにいくベテランエース・石尾、協調性のない孤高のエース候補・伊庭を、中心にした物語です。
冒頭は、事故の場面から始まります。誰が事故ったのかは明らかにせず、時間をさかのぼって、そこに至る経緯を描いていきます。
ベテラン石尾は、かつてエース候補を、事故で半身不随にしたことがあります。それは故意なのか? 誓も同じ目に合うのでは? それとも伊庭が? と予想させながら、話は進みます。

結末は伏せますが、誰が悪いとは言えないんですが、後味が悪いです。
誓の元カノ、香乃にはムカツキました。そんな別れ方しといて、今更彼氏同伴で試合見にくんなー!! スポーツ選手にその差し入れは無神経なんじゃー!! …あーすっきりした。
最後まで読むと、凄く重いタイトルだと思います。
この小説は、あもさんの日記で知りました。ありがとうございますv >あもさん



2008年03月09日(日)
トップランナー・桜庭一樹さん

直木賞作家・桜庭一樹さん出演の、トップランナーを見ました。
着物がよくお似合いで、素敵でした。
中学時代のブルマの小説が、笑えました。大江千里眼て! 都道府県太て!(笑)
デビューして二年くらい、次の本が出してもらえなくて、大変だったとか、編集さんの言葉を壁に貼って、何度も見返したりとか、人の言葉を謙虚に聞いて、地道に真面目に努力して、創作されてる方だなーと思いました。



2008年03月08日(土)
ガスパールザンザンでランチ

四条烏丸のガスパールザンザンに行ってきました。
4年ほど前に、平日に予約なしで行ったら入れなかったことがあって、今回は、一週間前から予約してました。
着いたら、店の前で待ってくれてはって、丁寧な接客でした。建物の外見は町家風なんですが、中は洋風。広いガラスのドアが印象的です。

ランチメニューは「大人のお子様ランチ」(千円)のみ。
メインは10種類から選べ、スープは月によって変わるそう。ワンプレートの他に、デザートと紅茶(もしくはエスプレッソ)がつきます。
メインは、豚のオーブン焼きを選びました。凄く柔らかくて、ソースが濃厚。スープは豆!って味で、美味しかったです。ニンジンは甘くてさっぱり。食べやすい味。タケノコのリゾットも美味しいです。
ワンプレートなので、腹八分目かと思ってたら、満腹になりました。
デザートのグレープフルーツプリンは、甘いのにすっぱいという不思議な味で、美味しかったです。紅茶はフレーバーティーっぽい。
千円でこの内容、お店の雰囲気も良くて、とっても満足です。また来たいな。

この日は、妹と買い物しました。阪急百貨店でメガネを見て、STEPでスニーカーを見ましたが、決められない 後日、梅田にも見に行くかなぁ。
妹が、就職祝いにマグカップを買ってくれました。おお(涙)ガスパール



2008年03月07日(金)




2008年03月04日(火)
「愛と混乱のレストラン」高遠琉加

「愛と混乱のレストラン」(高遠琉加)を読みました。
面白かったー! 早く続きが読みたいです。
高級フレンチレストランを立て直す、支配人とシェフの話です。

厨房で働く人々の様子が、活き活きと描かれていて楽しい。
支配人が料理を楽しめない理由とか、二人の因縁の出会いから和解までの過程が、上手に織り込まれて、物語を盛り上げています。支配人の子供時代のには、胸が痛みますね…。

私は高遠さんの描く、「頑なで孤独で、仕事しすぎて身体壊しそうな受」と、「心配しながらも、不器用でぶっきらぼうな攻」の組み合わせがツボですv 不幸に浸りすぎないバランスも良し。

書き下ろしのパティシエの話も良かった。ほのぼの疑似家族もの。
最後の一文が良いなぁ。しかし「デザートのない食事は、愛のない人生のようなもの」って照れますね(^^*



2008年03月02日(日)
「赤朽葉家の伝説」桜庭一樹

地方の旧家にまつわる、祖母・母・娘の物語です。
このミス2位作品ですが、2/3くらいまで、どこがミステリーなの?と思いながら読んでました。
最後の最後で、謎解きが出てくるんですが、あっけないです。

時代の流れ、社会の変化、地方の閉塞感などを描いた、大河小説としての印象の方が強いです。世界観に圧倒されました。
時代時代の女性の生き様が、読み応え有ります。

万葉は、千里眼で予言できるのなら、それを防ぐことはできないのかなぁと思いました。泪(人の名前)のこととか。
赤朽葉家の子供は、変な名前ばかりなのですが(鞄、孤独、毛毬)、現代だったら、もっと凄い名前が普通にありそうですね。

豊寿さんが結構切ないですね。自分の持っている鉄鋼職人の技術が、時代とともに不要になって、居場所を失うという、父親と同じ運命をたどるなんて。
作中の「あいあん天使!」ってマンガは、ホットロードがモデルなのかなと思いました。

そうえいば、桜庭一樹さんもライトノベル出身なのですね。この作品も、重さと軽さのバランスが不思議な感じ。先日の有川浩さんといい、ライトノベル出身の作家さんは、読みやすいのに、発想が独特な気がします。