やさぐれ日記・跡地
アルティーナ



 誰にも出来ないこと


実家に帰りたいな・・・・と思った。
26日は1人で居るのが耐えきれなくて、次女姉の家に泊まったけれど。
次女姉にも「実家に帰った方がいい」と言われた。

あんたは疲れてる。
表情を見ればわかるし、コミュニケーション能力も極端に下がってる。
何よりも、正常な判断を下す、全体的なパワーが全然なくなっちゃってる、と。

そのままの状態だとあまりに危険だ、と。

自分の家に居るより、他の姉たちの家に居るより、北海道へ帰って両親の無償の愛情を受け取りな。
地元にいる、長い付き合いのある親友たちと交流しな。
そうじゃないとなかなか疲れがとれないよ、と。


私はそれくらい、精神的に疲弊しているらしい。

自分でも思う。
あまりに自分というものがない。
自分らしさが、ほとんどわからなくなった。
彼の影響をあまりに受けすぎて、彼と心を繋げようとして、私は私自身の主軸を、自分ではなく彼に置いてしまった。

想いの強さは、ここまで人(私)を崩壊させてしまうものなのか・・・・と。

なんて、恐ろしいものだろうね。
誰かを好きになると言うことは。


「すぐに思い切れないのも仕方ないとは思う。
相手は好きな人だものね。
・・・でもね、本当に良いお付き合いが出来てる状態であれば、お互いが自分らしさを成長させてゆくものなんだよ」


言葉が、でない。
次女姉が言うことは尤もすぎて。

「○○(私の名前)はどうさ?
○○が本当に幸せで、相手が本当に真っ当な人なら、どうしてこんなに自分を失くしてるの」

「・・・思い上がってた。
私がどうにか、彼の過去とか、満たされないモノを満たせる存在になれるんじゃないか、って」
「何度も言うけどね、誰であっても彼を満たすことは出来ないんだよ」

彼に愛情を受け取る土台(器)がない限り、全ての努力が徒労に終わる。

「それよりもね、私には○○が挑戦してるように見える」
「・・・・・・」

「彼の心の“穴”に挑んでるでしょ。
埋めようと埋めようと努力して、自分捧げてこんな状態になるまで。
どれくらい尽くせるか、自分の限界に挑んでるように見えるのよ」


もうやめなさい、と言われた。
もう十分出来ることはしたでしょう、と。

1度あれば、次が必ずある。
次こそ殺されてしまうかも知れないよ、と。

環境要因によって愛情飢餓を抱えた人は、激しい矛盾を消化出来ずに日々を過ごしてる。
大切な対象を傷付ける行為は、その矛盾が消えない限り延々と続く。
大切に想えば想うほど、離れてしまうんじゃないかと恐怖と不安に支配されて、対象に殺意すら芽生えてしまう。

「・・・わかってる。わかってた」
「・・・・・・」

「わかってた。それでも離れられないのは自分だ、って。
彼に依存していたのは自分で、どれくらい愚かで馬鹿なのかも、わかってた」

無謀なのも、わかってた。

彼に必要とされることに、先のない幸せを感じてた。
そんな自分は、本当に馬鹿だ。


「実家に帰りな?
テストが終わったなら、多少ガッコ休んででも、さ」

「うん・・・そうしたいんだけど・・・
20日に主専攻の発表会があるから、帰れない」


とりあえず今日は自分の家に帰る、と言って次女姉の家を出た。
自由が丘からコトコト電車を乗り継いで、自宅の最寄り駅に着く頃、次女姉から電話がかかってきた。

「・・・帰してしまったこと、後悔した。
自宅に居るのはよしなさい。
またウチにおいでと言いたいけれど、この時間だから・・・近くにホテルがあるなら、そこに泊まりなさい」

私は大人しく頷いた。
家のすぐ近くにビジネスホテルがあるから大丈夫、と。

「チェックインしたらまた電話頂戴。それと」
「はい」

「・・・彼から連絡が来ても、絶対にホテルに居ることを言っちゃだめよ」
「はい」

「わかった?あんたは今、本当にパワーが切れちゃってる状態なんだからね?」
「心配かけてごめんね」


ごめんね、次女姉。
約束通りホテルに泊まったけれど、その後の約束は、守れなかった。

私はまだ、違う意味で挑戦することを諦めてなかったんだ。
入れ知恵のおかげで、パワーがなくても今夜一晩くらいはどうにか出来ると思っ・・・
なんてことがバレたら、また「判断力が甘すぎる」って大目玉を食らうんだろうけど。


2005年02月27日(日)
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