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みんみん



 レコードと絵本と

金沢へ。
仕事に行くまえに、郵便局と、それから片町のレコード屋さんに行く。
片町(かたまち)というのは金沢の繁華街で、飲み屋街でもあるのだが、目的のお店はその路地を入ったところの雑居ビルの中にある。中古専門で、ハウス系に強い。ここで、弟に頼まれていたアナログレコード5枚を確認し、宅急便で送る手配をした。
支払いをすべく精算を待っていると、ちょっと意外な物が目に入った。レジの後ろに、何冊か福音館書店の絵本が並んでいる。そういえば、壁にはレコードジャケットに混じって「11ぴきのねこ」の絵があるし、絵本展の案内も貼ってある。
絵本、お好きなんですか、
と話しかけると、お店のオーナーらしい、長髪にメガネの、とても親切で、33歳の私は「おにいさん」と称したが、26歳の弟は「おじさん」と称した、そういう雰囲気の男性は、そうなんですー、だったか、好きですねー、だったか、とにかく同意をされ、それで私たちはしばし絵本の話をした。

金沢に、福音館書店という名の書店がある。
出版社の福音館書店と関係はありそうだけど、直営店だとして、なぜ金沢にお店があるのだろう、他の街にもあるのだろうか、とずっと思っていた。いま調べてみたところによると、福音館書店は、もともと金沢から出た会社のようである。
http://www.hokuriku.chunichi.co.jp/economy/interview/20040123.shtml
オーナーさんは、この福音館書店@金沢によく行くらしい。
「人がいなかったりすると、お茶が出てくることもあるんですよ」
いいですね。新刊書店なのに、古本屋さんみたい。
お嬢さんが生まれて、昔自分が親しんだ本が変わらず今でもあることを知ったことがきっかけとなって、絵本に親しむようになったとのことだ。
「あ、それならぜひ今やってる林明子さんの展覧会に行かれたらいいですよー。今日も午前中に行ってこれをもらってきたんですけどね……」
と言って、ゴソゴソと、林さんの絵の描かれた大きなパネルを出して下さった。
「これが絵本には載ってない絵で」
あー、周りにも、『こんとあき』とか、好きだという方はいらっしゃいます(とここで、さるとるさんを思い浮かべる私)。そうかー、じゃあ、ぜひ、行ってみますね。

そういう場所には、ゆっくりと行きたいものだ。仕事が終わった後とか、仕事でない日に。
それで絵を観た後に、たぶん何か絵本を1冊買い(以前の福音館書店@金沢は、一般の書店だったが、今は児童書を主として扱っているらしい)、もろもろの報告がてら、今度は、アナログプレーヤーを持っていない私としては、何かCDを買いたいと思う。

2004年11月15日(月)
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