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みんみん



 地図の話

▼保坂和志『プレーンソング/草の上の朝食』(講談社文庫)読了。
だらだらしつつ、時々、はっ、と起こされるようにして読んだ。
著者自身が「文庫のために・その二」として書いた一節。

(前略)彼らの話が、まるで『大菩薩峠』のように延々とつづいたらカッコいいだろうな、とも思っている。

は、そう来るか。
長い小説には長い小説の読み方というものがありましょう。



子供の会話を聞いていて、自分が子供だったことを思い出す。
思い出している余裕があるのは他人様のお子さんを見ているからかも知れない。
あの「根拠」はなんだったんだろう。
ときどき、ごめんなさい、と謝って歩きたくなる。



知らないまちに行くときには地図を見る。
地図を見て歩いたり運転したり、地図を見ないで歩いたり運転したりする。
地図を見てだいたいの位置関係や目印を頭の中に入れ、風景を見ながら推理して行く。地図を見ていると楽しい。りー氏も地図好きだ。

実生活の中では(以下メタファーとして)ゼンリンの住宅地図や昭文社のマップルがなくて本屋で引き出しに入れてぺらっと売っているような国土地理院の地図みたいのしかないような場所もある。それでも、地図が全然ないような場所というのはない。ただ、ガイドブックがない場所はざらだ。
それから、本当は地図やガイドブックを見てきたんだけれどしれっと見てないような顔をしていることもある。問題はその自覚がないこと。

地理学という学問がある。
細かくいえばさらに人文地理学と自然地理学とに分かれるのかもしれない。大学の学科でいうと、東の方の大学では理系学部(理学部)に、西の方の大学では文系学部(文学部など)に設置される傾向にあるようだ。大学生の頃、理学部の先生から自然地理学の授業を受けた。
その授業は前半後半で担当の先生が違っていた。後半担当の先生は、第何次だか知らないけれど南極観測隊(っていうのかな?越冬隊の人たちですね)の一員だったことがある人で、南極でのスライドをいろいろ見せて下さった。ものすごく大きなトイレットペーパーのロールとか(確か)。
「みなさんもぜひ隊員になってください(とそこまで強い言い方じゃなかったかな)。南極では本当にいろいろな分野の仕事があるので」
と言われた。ほんと?私でも?と思った。一瞬。

理学部の地理学科を出た人曰く、地理学をやろうという人のきっかけには大きく2通りの傾向があるそうだ。1つは地図好き、もう1つは鉄道好き。
補足:
それから、山好き、もあるかも。
高校の時の地学の先生(って珍しいと思うんですが)はそんな感じでした。

2004年09月09日(木)
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