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■ 初・小津
小津安二郎「小早川家の秋」を観る。
映画が始まる前に「阿修羅のごとく」の予告編が流れた。ドラマは観ていないけれど、つまり「細雪」? 大竹しのぶは和服があまり似合わないような気がする。和服が、というより、額を上げた髪型が似合わないのかも知れない。
さて、ずっと「コバヤカワケノアキ」だと思っていたが、セリフによれば「コハヤガワケノアキ」であるらしい。 「コバヤカワっていう名前にはイヤな思い出が」 へえ、どんな思い出よ。 「仕事でイヤな目にあった」 同じ会社の人? 「仕事先の人。まあおれだけじゃなくてみんなイヤだったんだけど」 イヤといってもいろいろな種類がありますわな。 「仕事が出来すぎて周りがついていけんかった」 でもそれは一緒に仕事をする(社内の)人が大変だね。 「これがまたそのグループというのがおそろしく仕事の出来る人たちばっかりで(泣)」
りー氏はビデオでこの映画を観たらしいのだが、ストーリーは見事に忘れているようだった。私は、これこれこうで、と話す。 原節子がしゃべって動く姿をほぼ初めて観た。実際に観て初めて、理想の女性として語られていることに納得できた。というのは、写真で見る限り、彼女の風貌はつつましやかな和風ではなく、むしろバタくさいように見える(と思う)からだ。目鼻立ちがくっきりとしていて、そのパーツはどこか鳳蘭と相通ずるところがないだろうか(鳳蘭ほど徹底してはいないが)。 新珠三千代や司葉子といった人たちは、典型的な古き良き時代の美しい日本の女性といった映り方をしている。対して杉村春子はそういう扱いではない。 着物や洋服がすてきだった。いちばん派手な色は黒、と、最後の葬儀のシーンを観て、どこかで見たそんな言葉を思い出した。八掛の白がぱたぱたとはためいていた。あれは偶然なんだろうか、それともことさらに強調しているのだろうか。
同じ映画館でいま「福耳」を上映中である。宝田明・司葉子が出演している。併せて観てね、ということか。
面白かったので、他の小津作品も観てみたいと思った。同時代の他の日本人監督の作品も観たい。いずれも、できればスクリーンで。
2003年10月22日(水)
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