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みんみん



 ぱらぱらと

やっと『猫の手帖』と『クウネル』を買った。前者は定期購読中、後者は月刊化第1号。
りー氏は私が本を借りたり買ったりしてもあまり興味を示さないが(その逆はあるかなあ。でも全部はフォローしていない)、猫ものだけは「だらだ」と言いつつページをめくっている。

『クウネル』に武田花さんのインタビューが載っていた。
おそらく、武田百合子『富士日記』が好きで、なおかつ花さんの写真とエッセイが好きだという人が企画したのだろう。私も『富士日記』は好きだ。ものすごく落ちこんでいた時に読むといい本として位置づけられている(他には『すてきなあなたに』暮しの手帖社なども分類)。というか、初めて読んだ時がそうだったのだけれど。読んでいて励まされるような、涙がわけもなくぽろぽろぽろぽろ、もっとこぼれてくるような。いいのかわからないが。
武田百合子の文章はちょっとさみしいところがある。

それから、吉本由美さんのビデオ評も載っていた。
吉本さんは雑貨スタイリストのはしりのような人だが、今はむしろエッセイストとして知られている。
前出の武田花さんはかつて『H2O(エイチツーオー)』(現・NHK出版)という雑誌に写真エッセイを連載していて、なんともとぼけた味わいがよかったのだが、吉本さんも連載を持っていた。私は花さんも好きだが、吉本さんの文章もまた好きだ。スタイリストとしても好きだったが、エッセイストとしても好きだ。
吉本さんは猫が好きで、『だから猫はやめられない』(ワニ文庫)という本を出してもいるのだが、私の猫紀元前(猫に心ひかれてしようがないやられてしまった、と公言する以前の時間)においても、猫好きだとかそういうこととは関係なく、目のつけどころのようなものも、文章の調子も、いいなあと思っていた。猫紀元後の今は、同じく猫好きという点においても気になっている。

雑誌『TITLE』で、吉本さんと村上春樹と都築響一がいろんなところに言ってあれこれしゃべるという連載がある。
私は都築響一も好きなのだが(以前、夢に都築響一が出てきた、しかも悪からぬ関係で、とりー氏に言ったら、一応「ガーン」と言っていた)、『だから〜』のワニ文庫版の解説は都築氏が担当している。これがまた、えげつないくらいにシャッと切れる都築作品のいろいろとは趣の異なった、フツーの男の語り口になっていて、ちょっと笑ってしまう。解説自体は無難なものだが、そういった意味では面白いかも。

2003年09月22日(月)
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