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みんみん



 夏の週末

お盆を過ぎてから急に夏がきたようだ。
天気がよいので−−「ので」ではないけれど−−夏休みの自由研究、どうしよう、と思っていた子供の頃を思い出す。

先日F町で買った産直販売のすいか、みずみずしくて好きな感じ。たぶんりー氏はもっとむっちりみっちり甘い方が好きなはずだ。
りー氏の好きな食べ物は大分把握できていると思う。でもときどきついうっかりな時もある。こないだは豚のしょうが焼きに玉ねぎスライス(輪切り)を入れるのを忘れた(ちなみに豚肉もバラ肉のスライスがお約束。しょうがはスライスでたっぷりと)。
しかしところであんたは私の好きなものを理解しとるわけ?
「味のないもの。すいか」即答。
・・・そうだけどさ。


外国で生活するということ。
スタッテン島のコンペで勝ったりー氏の後輩(日本人)は、もうずっとNYで生活し、仕事をしておいでだ。震災後の神戸(阪神間というべきか)に住むことはなく、ずっとNYで暮らしてゆかれるはずだ。
話によると彼のメールはすべて英語だそうだ。
なぜなんだろう、と思っていたけれど、それは英語による思考することを維持しつづけるためなのかもしれない、と、ある日記を読んでふと考えた。既に一定の生活歴と職歴を持つ彼の場合は、英語で書くメールや文章が通常モードで、そちらの方に合わせているのかも知れないけれど。


りー氏と飲み・食べに行く。場所が移転して、少し拙宅に近くなったお店に歩いて行った。
カウンターに座ってもくもくと食べたり飲んだりしていたのだけれど、しだいに耳がダンボになってきた。このお店にはいちどだけ来たことがあるが、その時も保区利苦銀行某支店の皆様のお口アングリな会話に2人で耳ダンボになってしまったのだった(なぜわかったかというと、社章がついたままだったから)。ひょっとしてここでは耳ダンボになる宿命なのか?
「そうなんじゃない」
今回はカウンターのお隣りに座っていた、ちょっとインテリ気取りな(でも気取りきれてない)ミーハーおっさん×2とお店の人の会話だったが、またお店の女の子が面白がって聞くからおっさん大喜びだ。
えらいわ〜女の子。私だったら真綿で首しめるような慇懃かつ遠回しなイヤミを連発してしまうわきっと。

こちらはこちらで悪趣味な盛り上がりの後(私が勝手に鼻息荒くしていただけかも知れないけど)、適当に切り上げる。



いもむし一家(父母は異なるかも知らねど)その後。
サイケな5匹は皆姿を消した。5匹がそれぞれ茎にとまり、淡々としかし着実に食うていた風景がなつかしい。5匹というより5「台」と呼びたかった。
いくら保護色だからって、あんなにイノセントに表に出ているのはどうだったかと、1匹だけ残った小さな幼虫をしゃがんで眺める。いなくなる直前の幼虫の中には、虫としてはかなり生長した時期のものもいたようだ。あと少しでサナギになりそうな。

サナギの足場としてはパセリの枝は細すぎる。みんながみんな食べられたのではなくて、もしかしてサナギになったのがいるとしたら、パセリのすぐ隣の朝顔の支柱か、それとも家の壁か・・・と思いつつ見ると、おお、小ぶりのサナギが、家の壁にほそい糸1本でつながっていた。
幼虫に比べればサナギはグロテスクではなく、動きはない。動かないので面白みも少ない。面白いとか面白くないとか、そう思うようになったとは。もちろん、相変わらずさわることはできない。でも5匹並んだ風景、あれはあれで、楽しかったなあ、ちょっと、と思った。何が楽しかったのかというと、自分以外の生き物がいるということだ(りー氏も面白いが)。


「ぶどうの実が全滅しとる」
ええ?
うちの店子は虫も実もやられっぱなしかい。
ぶどうの方では、薄緑色した、また別のうまそうないもむしが葉っぱを食べていた。
「こんなにでっかくなってどうするいうんかのー」
どうするんでしょうか。

2003年08月23日(土)
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