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■ 子供!
かつて第一子である私がいちばん嫌だったのは、大人の、「お姉ちゃんなんだからがまんしなさい」という類の言動だった。大人の見ていないところで弟たちは案外ずるかったりもし、私が必死に切り開いた道をいとも簡単に、しかも調子に乗りさえしながらスルーしていくことにしばしば腹立たしい思いをした。いつも、わかってほしい、真実を見てよ、という気持でいっぱいだった。
県立図書館で図書の検索をしていた。 検索端末は2種類あって、1つは古くからあるキーボード入力のもの、もう1つはタッチパネルorマウスで入力できるものである。キーボード入力の端末で私が検索していると、右隣りの端末でキーボードをたたきまくったあげくいつの間にか再起動しようとしている(もちろん本人は知るよしもなく)男の子がいた。たぶん保育園児くらい。キーボードが面白いらしくめちゃくちゃにカチャカチャとたたきまくっている。面白いのはわかるが、これはまずいんじゃないか。 あのね、きかいがこわれるから、やめようね。 と、見知らぬお姉ちゃん/おばちゃん(適当だと思う一方のみを選択して読み、他方は消去せよ)は言ってみた。 それでも男の子はモニターを見たままたたきまくっている。ちょっとピキピキッとなりつつ、堪えつつ。 このきかいね、いたずらするとこわれるの、だからやめようね。 ようやく男の子はコックリと頷いた。ああよかった。と思ったその矢先、モニタのスイッチを押した。 おんどりゃわれー、と思いつつ、左隣りでは別の男の子が、興味深げに拡大鏡を眺めている。 これなに? と尋ねるので、これは、ほんのじをおおきくしてよむためのきかいだよ。てれびみたいなところにおおきいじがうつるの、などとこたえた。自分で使ったことはないが、人が使っているのを見たことはあるので、そんなに妙な説明でもないだろう。彼もいじりたいようだったが、こちらは電源が入っていないので実害はなさそうだ。 しかしそのうち今度は左隣りの子が右隣りの検索端末をたたきだした。どうも彼らは兄弟らしく、最初お兄ちゃんがたたいていたのを見て面白そうに思ったらしく、一段落した後で今度は弟君の方がまねをしはじめたのだった。わー。今度は何かを察知した図書館員の人(私より若い感じの女性)がやってきて注意しはじめた。 最初彼女は比較的冷静にやんわりと注意していたのだが、それでも子供はキーをたたきまくるので、やめて、本当にこわれる、やめて、とほとんど泣きが入っている感じだった。しかも更には、弟が注意されているのに便乗した(尻馬にのる、というあれですな)兄が、図書館の絵本でバンバンと弟の頭をたたきだした。たたいちゃだめー! 図書館員の彼女にとっては端末に加え蔵書もが危害に逢い、まさに泣き面にハチといったところか。 暴力反対、蔵書を乱暴に扱うのも反対。しかしそれだけではない。兄に、
たたかないの、君だってさっき同じことしてたでしょ、
とつっこんでおいた。イヤな大人ー、と思いつつ。
そしてつっこんだ後で、下のきょうだいが自分の真似をして、とばっちりを被ることって、あったかもな、とちょっと思い出した。
ところで彼らの母さんといえば、くだんの端末のたった数台分だけお隣りの、タッチ式/マウス使用端末で「ひとまねこざる」シリーズを検索中だったのだけれど、この短くも長い顛末については全く視野に入っていなかったらしく、涼しい顔をして子供を呼び寄せてカウンターの方に向かっていった。
こんなことがあっても誰も注意しないんだな。いけないことだということは子供にはわからないのだから仕方がないことだろうと思う。キーボードをたたくのは楽しそうに見えるのだろうし。 子供に注意する勇気を持とう、という旨のCMがあるようだけれど、確かに今やけっこう勇気が要ることになってしまったようだ。でもなあ。
それに、大人は昔、子供だったけれど、いったん大人になってしまうと、最初から大人だったみたいな顔をしてたりするもんなあ。
色々たいへんだよなぁ(まとめてみる)。
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ある日『綿の国星』をどうしても読みたくなって、自転車で本屋さんに買いに行って、すぐに封を開けて読んだ。ぽろぽろと涙が出てきた。 去年の6月はのいに出会って、今年の6月は大島さんに出会ったよ。 それだけじゃなくていろいろなことがあったけれど、たとえるなら猫が毛づくろいをするように過ごしていたら、そのうち落ち着いてきたりもした。いっぺんには無理にせよ。
もうじき出産を控えた友人から届いたメールを読む。よかった。 元気で赤さんに会えることを楽しみにしています。
2003年06月21日(土)
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