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みんみん



 思いがけなく

ここ数年の恒例、春の松阪行き。
家から富山駅までは車で5分ほどなのだが、りー氏に送ってもらう途中で携帯電話を忘れたことに気づき、取りに戻る。「だからーおれこういうの(=直前になってバタバタ)すっごいヤなんにーもー!!(怒)」と言われ、ごめんなさいごめんなさいと言いながら戻る。
ま、私はりー氏が財布を忘れたときにも、決して怒ることなく責めることなくさっと戻ったけど(イヤミ)。

さて、行きは高山経由で向かう予定が、すでに掲示板でも書いたとおり、思いがけない事故があり、再び富山駅に戻ったりなどしつつ、結局米原廻りで名古屋に出て、乗り換えで松阪まで。松阪到着は当初の予定より約3時間遅れ、16時過ぎ。せっかく携帯を取りに戻ったけれど、それどころではなかったわけだ。
トラックが鉄橋にひっかかってしまったとのこと。

以下後日談(時制が合っていない)。事故を起こした運転手は、りー氏の会社の人の同級生であったらしい。結局その路線は土曜日1日上下とも不通になってしまったので、賠償金は億単位ではないかとの噂。ひえー、本当なんだー補償云々って、と思う。
りー氏は会社で話を小耳にはさみつつ、「実はうちのヨメが(私としてはツマと言われることを望むが、慣習的にヨメと呼ばれている)」とはさすがに言えんなと思ったとか。

でもこれだけ遅れたおかげで少なくともその日はいよいよ松阪牛のすきやき目当てみたいだ。
のいに会えたのはよかったか。外まで父が抱いてやってきたのにはびっくりしたけど。



列車の窓から久しぶりに風景をみた気がする。
車の窓からも、もちろん景色は見えるけれど、景色をみるよりも重要視しなくてはならないこと(=安全)があるので、好奇心全開で、あるいはぼんやりと、専ら眺めることを楽しむことはむつかしい。
何度も通ったことはあって、見知らぬ風景でもないのに、なんだか新鮮で面白かった。

伊勢の国はもう田植えが始まっている。
電車に乗りながら、「次は桑名」と言われると、焼きはまぐり、と思ってしまうし、「四日市」と言われると、ぜんそく、と思ってしまう。実際工場の煙突も見えるが、これはいい迷惑な連想だろう。

ストッキングが伝線していたので(幸い、見えないところではあった)、松阪駅前の三交百貨店で買う。リニューアルしてきれいになっていたようだ。
ときどき、ストッキングを合わせるような服装をする時がある。タイツもストッキングもゾッキタイプ(編み目がわかりにくいなめらかなタイプ)のものが好きだ。あまり光沢がなく、はいた時に透明感があって、やわらかくよく伸びる(サポートが強すぎるものは伸びにくい)もの。なんだかまるでファンデーションの好みを言っているようだ。
夏場は蒸れやすいので特にはき心地が気になる。以前掲示板にも書いたことがあるけれど、マイ・ベスト・ストッキングは「summer満足」で、まるで海綿のような編み地がさらっとしていて心地よい。今年初めて松阪で見つけて、2足購入する。後ではきかえたら、やっぱり好きなはき心地だった。また買いだめしておこうと思った。

当初、午後には予定は2つほどあったのだが、まあこれはいいとして、先にホテルにチェックインして、夜の集まりにのみ出ることにする。
会場である老舗の牛鍋屋さんに向かう途中、商店街をふらふら歩いていて、ふと思い立ってはんこ屋さんに入る。認印が欲しかったのだ。
お店の外には三文判が並んだケースが2種類ほどあった。私の姓は伊勢の国ではわりと多いらしく(実際お店などでも見かけたりしたことがある)、普通の姓のはんこは1本ずつ入っていたけれど、私の姓のはんこは2本入っていた。全国的には多い姓なのかどうかよくわからない。でも同姓の友人はいない(同じ学年にいたということもない)。ちなみにりー氏の姓は関西には多いようだ。
しかしふとお店の中をのぞいてみたくなり、なりゆきで楷書体の認印を作ってもらうことにした。「お店に入ったら何も買わずに出ることはできない」という方でもないのだけれど、なぜか。といっても高価な物ではない。旅先でこういう買い物をするのは嫌いではない。物語が与えられることでより大切に出来るような気がして。
はんこは、明日の夕方、帰りしなに取りに来ることにした。

そして松阪牛のすきやきとビール。久しぶりにお会いした人たちと。

2003年04月19日(土)
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