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■ カルデラを見る/に行く
朝、りー氏と立山カルデラ砂防博物館へ。 博物館主催の野外体験学習会に参加するためです。
立山黒部アルペンルートのすぐとなりに、立山火山の活動とその後の浸食によってつくられた立山カルデラがあります。 カルデラとは、火山にできた大きな凹地のことです。ポルトガル語のカルディーラ(グツグツ煮るのに使う鉄製の深い大なべ)からきています。 −−「はじめに」(『立山カルデラガイドブック』(財)立山カルデラ砂防博物館発行)−−
美しい自然を誇る立山は富山の貴重な観光資源ですが、同時に壮年期の活火山でもあります。 カルデラ内には、噴火や天災により崩落した箇所が多々あり、大雨が降ると崩れ落ちた岩盤は下流に運ばれます。もし自然のままにしておけば、それらの岩石が富山平野を埋め尽くしてしまうと言われています。それを防ぐために砂防ダムが作られ、国の大きな事業として行われているというわけです。
行われている工事は、何かを作るためのものではなく、何とか現状を維持していこうとする種のものです。相手は生きて活動している自然ですから、工事したけれどもまた破壊、というようなことも決して少なくないでしょう。 「工事をする」というと、「自然破壊」とか、なんとなーくネガティブな印象があって、しなくても済むならしない方がいいのに、などと思うわけですが(「手術する」「投薬する」に対するイメージとちょっと似ています)、砂防工事は、自然と共存して人間が生きていくために行われているというのです(それを知るための見学会ですね)。 非常にシビアな仕事だと思います。「私」とは対極にある何かを見たようです。 工学部に進学しようとする/在学中の学生は、仕事をする前に見ておくといいのではないかと感じました。まさにcivil engineeringの本質ではないかと。 # もっとも高校生の時に見学したにも関わらず、すっかり忘れている人もいますが(笑)。
カルデラまでの行きはバス、帰りはトロッコ電車で帰ってきました。カルデラ内はみんな黄色いヘルメットの着用が義務です。りー氏のヘルメット姿がおかしくておかしくて笑いがとまりませんでした(と言いつつ私も自分で見ていやになったけど)。 作業用トロッコ電車(かわいい)はまるで箱のようで、乗り心地はあんまりいいものではないのです。リクライニングであるわけがない。 しかしレア感は満点です。
あ、りー日記みたいなことを書いてしまいました。そのうち写真込みであちらにアップされるでしょう・・・と思っていたら写真だけじゃんよ!(怠けとる!) # りー日記の写真は上から、幻の立山温泉跡、かわいいトロッコ電車、生々しい最新崩落現場(トロッコ車中より)。 ちなみに今回は、カモシカさんやクマさん、サルさんなどとの遭遇はありませんでした。やや寂しいですね(クマはまずいやろ)。 いちばんの心残りは、ツアーの案内をして下さったガイドの方(たぶんナチュラリスト)にお礼を言いそびれてしまったこと。本職は別にあって、ボランティアらしい。 何でも人に教えてもらってやってもらって当たり前だと思ってはいけません。 そして幸田文の『崩れ』を、もう一度読み直してみようと思います。きっとリアリティがあるはずです(幸田文が題材に選んだのも納得)。
立山町方面に行ったついでに、すごく遅いお墓参りに行きました。 私の母方の祖父のところへ。 なかなか点かない火に悪戦苦闘しているあいだに(墓地は田んぼの真ん中、風が強い場所にあるのです)、りー氏の好きな地鉄電車が2回通り過ぎて行きました。 私が子供の頃に亡くなった祖父は、地鉄の駅舎を設計していました。
2002年09月04日(水)
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