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◇◇サイ・セイ◇◇
りえ



 その後姿を追いかける。

ゆうさんがバイクに乗って帰ってくる。

今夜は、わたし一人なので 明日の朝。



わたしたちがくっついていると、小吉が必ず割り込んでくる。



「原付の練習する?」
きっと彼は明日、そう言い わたしはうなずくだろう。



「バイク見に行く?」
きっと明日彼はそうも言い わたしはまたうなずくのだろう。



年を取って、ひとつでも ふたつでも 一緒にできることがあるといい。
もし 若くしてゆうさんが先に死んでしまうことがあっても
バイクに乗りながら、彼が感じた風を
この髪に乗せることができるかもしれないから。



バイクに乗れるとカッコイイよね、なんていう ふざけた理由を言ったけど
わたしは昔と少しも変わらず ゆうさんに憧れていて
ただ真似して追いかけてみたい
それだけなんです。

2005年05月25日(水)
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