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■ 蟻一匹殺せないような内気でやさしい少年が、なぜ?
『組曲虐殺』 http://www.horipro.co.jp/ticket/kouen.cgi?Detail=131
母や弟や恋人や同志たちのもとへ、彼は死体となって戻ってきた。 コメカミの皮が剥ぎ取られている。 頬には錐(きり)で突き刺された穴がある。 アゴの下が刃物で抉(えぐ)られている。
手首に足首に縄目のあとがあるのは天井の梁(はり)から吊るされて拷問されたからだ。 下腹部から大腿部にかけてが、陰惨な渋色に変色している。 陰茎も睾丸も同じ色で、しかも、大きく膨れ上がっている。
同志の中に医者がいて、丹念に調べた。 「この変色は、弓の折れか棍棒(こんぼう)で、メッタ打ちに撲りつけられてできた内出血のあとです。 錐を突き立てたような傷あとが二十近くもありますが、これらは畳屋で使う針を突き刺して抉ったものでしょう」
右の人さし指が折れてぶらぶらしてる。 『蟹工船』のような小説を、二度と書けないようにするために、刑事たちがへし折ってしまったのだ。
同志たちは後日の証拠のために、何枚も写真を撮った。 おしまいに同志の千田是也と佐土哲二が、ていねいにデスマスクをとった。
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蟻一匹殺せないような内気でやさしい少年が、なぜ、三時間にも及ぶ拷問に耐え、しかも虐殺さえも怖れない青年になりえたのだろうか。
井上ひさし(作)と栗山民也(演出)と小曽根真(音楽)が、井上芳雄、石原さとみ、山本龍二、山崎一、神野三鈴、そして高畑淳子の六人の俳優と一体となって、二十九年と四ヵ月しか生きることを許されなかった作家、小林多喜二の、この「なぜ」に挑む。
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知らなかった…こんな酷い… 観なければ…
2009年07月31日(金)
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