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■ 不健康な心の結びつきを断ち切るには
昨年から今年にかけ読み進めていた本がありました。 『不幸にする親~人生を奪われる子ども』 ダン・ニューハース著 講談社
不思議なことに、この本の中に書かれている回復のプロセスを、私は様々な本を通してだったり、様々な経験を通して、葛藤しつつも選択して実行してきたこと。 この本を手にする頃には、もう既に自分の中で認識して実行済みだった。 後付で、自分のやってきたことは間違いじゃなかったと確信を得られる結果になりました。
覚え書きのためにも抜粋して書いておきます。
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●精神的な分離にまつわる困難を乗り越える
最も難しいことのひとつは、家族の一員としてのアイデンティティーを捨てて、自分の新しいアイデンティティーを確率しなければならないということかもしれません。 心のなかに聞こえる親の声と、自分の本当の内面の声を区別するのは簡単ではありません。 それに、たとえそれが正しくて健康的な行為だとわかっていても、それまでの自分を捨てるのには大きな悲しみがともないます。
しかし、楽しい子ども時代がなかったことをはっきり認め、深く嘆き悲しむのは、心を癒すプロセスの中核となる最も重要なことです。 コントロールばかりする親の多くは、自分が体験した喪失をはっきり見つめて深く嘆き悲しむことをしなかったために、周囲をコントロールしていないと気が済まない人間になったのです。 「深い嘆きと悲しみ」には、その時にしっかり対面しておかないと、後々他人を自分の思うようにコントロールしたいという欲求となって現れます。
●その時の心理状態
たとえ有害な親でも、心を切り離すとなれば、次のようなさまざまな心理的反応が起こります。
①強い感情が生じる
悲しみ、幻滅、羞恥、無感覚、罪悪感、不安、焦燥、非力感、見捨てられる恐怖、怒り、うっ積感、舞い上がる気分、困惑など。
②強い渇望が生じる
「この苦しみがなくなってくれたらどんなにいいだろうか」という願い。 「心温まる幸せな家庭を持ちたい」という願い。 幸せな家庭や親子を見ると、「自分の家もああだったらどんなによかっただろう」と思う気持ち。 親に対する復讐心や「借りを返してもらいたい」という気持ちなど。
③強い不安が生じる
①の感情のうち、最も大きいのは「不安」かもしれません。 「いつまでも怒りが消えないのではないか」という不安。 「自分は身勝手なのではないだろうか」という不安。 「怒った親に『親子の縁を切る』と言われるのではないか」という不安。 「精神的に自立すれば親を傷つけるのではないか』という心配。 「親は恨みを抱えたまま死ぬのではないか」という不安。 「親に仕返しをされるのではないか」という不安など。
④心が繊細になる
人から言われることに過敏になる。 親のコントロールのお陰で自分がこうむってきた被害への怒りが増す。 自分を虐待した親がその事実を否定していることへの怒りが高まる。 あまりに長い間、親を満足させようとしてきたことへの怒りを感じる。 親の不健康な要求通りの人間になろうとしてきたことに悲しみを感じる。 親の言動がいかに安っぽいものであったかを知って苦痛を感じる。 食欲がなくなったり、過食したり、眠れなくなったり、寝すぎたり、突然わけもなく涙が流れたりするなど。
⑤内心の葛藤が生じる
確実なものを求める気持ちが強まる一方で自信がなくなる。 「次はどうしたらよいのか」と考えるとわからなくなるが、それと同時に自由を感じる。 親が困れば気分がよくなるが、そう感じたことに罪悪感を覚える。 自分に暗い部分があることを肯定する気持ちと、それをなくしたいと思う気持ちが生じる。 親を許すべきだと思う反面、それはできないと思う。 親を許すべきだと人から言われると怒りを感じる。
これらの反応はいずれも苦痛をともないますが、あなたの置かれた状況がどんなものであるかを教えてくれる貴重なインフォメーションになります。 どんなに強い感情がわいても、それは子ども時代からの心のなかに押し込まれてきたものが表に出てきているのです。 イヤでも苦しくても、そういう感情がわくということは、心の切り離しが効果をあげている証拠です。 あなたは10代の時にできなかった親からの分離を、今行っているのです。 時間はかかっても、いずれ苦しみは通り過ぎていきます。
どんな感情も自然にわいてくるものであり、そのことによいも悪いもありません。 感情がわきあがってくるのを止めることはだれにもできません。 大切なのは、抑え込むのではなく、どういう形で表現するかです。
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2009年01月26日(月)
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