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■ 現場レベルで進化し続ける医療
私が看護師として働いていて思うのは、毎日一瞬一瞬、より良い方向へと検証し、進化し続けているのが医療の現場ということです。
今は総合病院の眼科外来にいるのですが、白内障手術とかで使用していた眼内レンズ。 うちの眼科医に聞いたんですが、ほんの数年前まで使用されていた眼内レンズは、年数が経つと濁ってきて再交換が必要になる代物でした。 でも、当時はそれが良いものとして、多くの患者さんに使用されました。
その後、この眼内レンズは問題ありということで、その眼内レンズを入れて交換が必要になった患者さんには、無償で交換(会社持ち)されることになりました。 しかし医師側に周知徹底されていなかったので、全ての患者さんが無償で再手術を受けられたわけではありませんでした(なんていうこと!) 今は良い眼内レンズが出ていて、半永久的に使用可能になっています。
あと緑内障治療で使われる眼圧を下げる点眼薬。 これも治療効果を病院側とメーカー側で意見交換をし、日々変化していってます。 薬の名前は一緒でも、中身は微妙に変わっているんです。 患者さん側には、そういう細かい情報はいかないですが、医師も様々な症例に対し試行錯誤しながら使用し、時にはメーカーに注文をつけながら開発をしています。 料金も新薬なのに低料金に抑えたりなど、良い薬が広く普及するように、実は設定努力されていたり(これは良い例)
この世界は日々日々新しくなるので、学校で1年前まで習っていた教科書の内容が、現場ではもう通用しないということもざらにあります。 それぐらい目まぐるしく変わる場所です。
公式文書として、こうだ!と発表して、普遍的にそれを実行するというのが難しい現場であるし、またそうであってはいけない現場であり、常に真摯に検証、研究していくべき分野であると思います。 それだけに、安易に事故と片付けてほしくない問題ではあります。
大野病院の件で今後、癒着胎盤という難しい症例の場合、どうするのか? これは大きな課題だろうと思います。
日本は医療が進んでいると言われるけど、ある大病院のことですが、ガンマーナイフなど最新の医療機器を何台も備え付け、どんな重症患者がきても、これで治せる!そういう謳い文句で開設された病院がありますけど、実は蓋を開けてみたら、それを使いこなせるだけの医師が足りません。
医師数が足りないのと、指導医が少ないのと、その機器を置いている施設が少ないので、それを使いこなすための技術がなかなか身に付かないのと諸々で… よって宝の持ち腐れ…
高額な医療機器を使えないのに持つに至った病院の医療費は高騰していて、そういう治療を受けられないのに(医師がいないのに)、その病院に受診する患者さんは高額の医療費を支払わないといけません。
ほんと問題は山積み。 私は一看護師として大したことはできないかもしれないけど、でも現場でできることは何でもやっていきたいと思っています。 毎日毎日が勉強です。
2008年08月31日(日)
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