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■ 物には思い出がある
ふと思い出したことがある。 私が中学生か小学高学年ぐらいの頃だったと思う。 母が、私と妹に焼物で出来たブローチをくれたことがあった。 旅行のお土産だったと思う。
私の気持ちはというとビックリしたのを覚えている。 (なんで、こんな物くれるの?) 嬉しい気持ちもなかった。 いつも私に辛く当たる母が、なぜ、そんな物をくれるのか不思議でたまらなかった。 でも何も言わず、ニコニコ笑っているだけの母には何も聞けなかった。
そして、それを持て余していた。 ブローチなので服に付けるべきかどうか… 付けると母は喜ぶのか? 付けた方がいいのか? 付けるなら毎日? それともお出かけの時だけでいいかな? ただ母の顔色を伺っては悩む日々… 結局、貰って嬉しい気持ちも湧かず、気を使うだけの重荷…
でも、他の人から貰った物は嬉しくて、いつまでも大事にした。 近所のおばちゃんや祖父から貰った物は、どんな些細な物でも宝物のように大事にした。 壊れた物(貯金箱)でもセロテープで修繕してまで使ってた。 キーホルダーも壊れて外れて、どこかに無くしてしまうまでカバンに付けてた。
でも、母から貰った物は使わないので、いつまでもキレイなままだったが、宝石箱の中で浮いていた。 使うに使えず、捨てるに捨てれず、どことなく寂しげな…疎ましい物。
あれは、まだあったかな? もう捨てたかな? まだ、あったりして!?
母がどんな思いで、あれを買い、私たちにくれたかはわからないけど、何の温かみもない、良い思い出もないそれは、私には重い鎖の付いた鉄の玉のようです。 貰って嬉しいのは、くれた人の気持ちなんだよね。 自分を大事に思ってくれる、好きでいてくれる人からの贈り物だからこそ嬉しいんだよね。
普通に無邪気に喜びたかったな…
2003年11月23日(日)
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