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2014年09月29日(月) ■ |
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Vol.821 20年の時を経て |
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おはようございます。りょうちんです。
「10年ひとむかし」という。10年も時がたてば時代は変わって、いろんなものが変化してしまう期間なのだろう。だからその10年の2倍、20年も時が過ぎると、街も人もすっかり変わってしまうのは言うまでもない。 20年程前、当時大学生だった俺は埼玉県北部の地方都市でひとり暮らしをしていた。学校までは原付で5分で行けたし、俺みたいにひとり暮らしをしている友達も近所にたくさん住んでいたし、スーパーやコンビニにもよく顔を出していて、たった2年間しか住んでいなかったけれど俺はあの街のことは良く知っていたはずだった。 今年の夏、久しぶりにあの街を訪れた。いや、車でなら数時間で行ける距離にあるあの街にはこれまで何度も訪れていたのだが。久しぶりにあの街の、当時俺がよく出没していた場所に行ってみたいと思ったのだ。学校がすっかりおしゃれできれいになったことはウワサで聞いていたので、まだそんなにびっくりはしなかった。だが、当時俺が住んでいたアパートに行くと、そこは建てられたばかりのオープンハウスになっていて本当に驚いた。表にいたスタッフに聞くと、前に建っていたアパートは今年に入ってすぐに取り壊しが始まったんだと言う。確かにショックではあるが、20年もたてば取り壊されても仕方ない話だ。 さて、あの頃俺は家庭教師のアルバイトをしていた。週に2回、教え子の家に通い勉強を教えていたのだが。あれほど通った教え子の家までの道のりがすっかりわからなくなってしまっていた。新しくできた道が昔の面影を失わせ新しい住宅も激増した。そんな街の変貌に反比例するように、俺の記憶は時間とともにどんどん曖昧になっていく。今となっては住所の詳細をなくしてしまったことが本当に悔やまれるのだが。たしかこのあたりだったはずと目星をつけた場所をしらみつぶしに歩き回ってみたが、とうとう教え子の家は見つけられないままだった。 俺のよく知っていたあの街は、20年の時を経てすっかり変わり俺の知らない街になった。自分では気がついていないけれど、もしかしたら俺自身も20年の時を経てすっかり変わってしまったのかもしれない。20年という時間は、それだけ長いものなのだ。
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