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2013年08月31日(土) ■ |
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Vol.808 先生の訃報 |
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おはようございます。りょうちんです。
ひどく暑いその夜、中学時代の友人Sくんからメールが来た。「先生が亡くなったらしいんだけど、詳しいこと知ってる?」と。びっくりした。そんな話、初めて聞いた。一瞬あわてたが、とりあえず何かわかったら連絡すると俺は折り返す。 先生とは、俺の中学時代の恩師である。俺が中学校に入学した年に新任でやってきて、それから卒業するまでの3年間ずっと担任だった。今では考えられないが、当時は管理教育最前線で鉄拳制裁も黙認の厳しい学校生活を余儀なくさせられたが、温和で年齢もあまり離れていなかったせいか比較的打ち解けやすく、数少ない好きな先生のひとりだった。もちろんこっぴどく叱られた思い出もあるが、部活でココロが折れそうになった時や進路で悩んでいた時など、親身になって相談にも乗ってくれた兄貴的存在でもあった。だからこそ卒業してからも俺らの間では先生の話題は時々出てくるし、それが思い出話であってけして悪口ではない。さらに言えば、中学を卒業してもう25年もたつのに、今でもしょっちゅう俺らが集まっているのは先生のあの日の教えがあったからなのかもしれないのだ。 先生の訃報について、友人Oくんと電話で話す。何しろ詳細が全くわかってない。Sくんからの情報はあまりにも曖昧すぎて、先生がいつどこで亡くなったのか、いつまで教鞭を取られていたのか、どちらにお住まいだったのかすら俺は知らないのだ。すでに葬儀も終わってしまったかもしれないが、線香の1本でもあげに行きたい。Oくんのお姉さんが市の教育委員会で仕事をしているのをつてに、詳細を聞き出してもらう約束をして俺は電話を切った。 翌朝。友人Yちゃんからのメールで俺らは安堵する。先生は今も現役で元気に教職をされているとのこと。Sくんからの情報はまったくの誤報だったのだ。Sくんの人騒がせも甚だしいが、ウワサに踊らされた俺らも俺らだ。とにかく元気で良かった。今度みんなで集まる時は先生にもぜひ来てもらおう。一緒に飲んで懐かしい話がしたい。俺らももう、そういうことが抵抗なくできるような年齢になったのだ。
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