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2006年07月26日(水) ■ |
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恐怖のサバと「食料限界」 |
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「ほんじょの鉛筆日和。」(本上まなみ著・新潮文庫)より。
(本上さんが魚屋さんで買ってきたサバに起こっていた「異変」について)
【本日のサバは片手じゃ無理そうだったので、ひとまずあお向けにして両手でおなかを開けることにしました(どうしてトリガラ怖くて魚類は平気なんだろうって思いながら)。 ぐいっ。 赤い内臓に指をかけようとしたそのとき。 なんだか、見慣れない模様が一面に広がっていることに気付いたのです。 さあここからあなたは、心して読まなければいけません。 ケシゴムのカスが丸まったような、水玉。赤いマル。マルと、うずまき。 びっしりと1000個くらい。 それは、寄生虫アニサキスさんたちでした! たぶん、大量に繁殖した彼らは内臓を食い破って出てきたのでしょう。 私は<目黒寄生虫館>が大好きで、『おはよう寄生虫さん』という本も持っているくらいですが、まさかナマ寄生虫とこんなところで対面するとは思わなかった。 どしぇーっ! 私は大あわてで手を洗い、居間に避難。テレビのスイッチを入れました。何もなかったかのように、ミカンの皮をむいて食べた。 20分後、呼吸をととのえふたたび台所へ! ミドリのゴム手袋をはめて、目をつぶりながら徹底的に掘り出し洗い流す。 それから、こんがりと上手に焼きました。 何もなかった。何もなかった。 やっぱりサバは、おいしいなあ。】
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ぎえーーーっ! と僕はこの話を読んで驚愕してしまいました。日頃は外食ばかりで自炊をすることはほとんどなく、ましていわんや魚を自分でさばくなんてことがない僕にはわからないのですが、こういうことって、魚を料理する際には、そんなに珍しいことではないのでしょうか? そして、もしこんなふうにアニサキスさんたちがたくさんいらっしゃったときでも、よく洗ってから寄生されていた魚を食べるものなのでしょうか? 医学的見地から言えば、焼いてしまえばアニサキスが体の中で悪さをすることはまずないのですが、それでもやっぱり、あんまり気持ちのいいものではないような。 もしかしたら、僕が知らないだけで、料理屋などでは平然と「アニサキス除去後の魚」が使われているものなのかもしれませんが……
こういうときに、どこまでが「セーフ」なのかというのは、けっこう個人差がありますよね。例えば、お菓子が地面に落ちても「3秒ルール!」を宣言して泥を払って口に入れてしまう人がいる一方で、どんなにテーブルが清潔そうであっても、皿から転げ落ちた料理は「食べられないもの」と認定してしまう人がいるように。 そういえば、僕の大学の先輩には、昔、買ってきた弁当の白い御飯の中に小さなゴキブリが埋もれて死んでいたのを発見したとき、軽く舌打ちをして、そのゴキブリギリギリのところまで御飯を食べつくしたという伝説がありました。僕も以前、某カレーショップでカレーを食べていたら、なぜかハエが僕のカレーに特攻してきてズッポリと全身埋まってそのまま死んでしまう、という惨事を経験したことがあります。この場合、店の責任とも言いがたいですし、全部残して帰るというのも勿体なく、感じ悪いなあ、と悩んだ挙句に、3分の2くらい食べて、ハエの周囲を残して店を出ました。いま、こうして生きていますので、少なくとも猛毒ではなかったようです。 まあ、僕たちの見えないところで、食べ物というのは、いろいろと「汚染」されているのでしょうし、身体というのは、多少のことには耐えられるようにできているのでしょうけど。
でも、僕は正直、この「アニサキスサバ」はNGだなあ。 「アニサキストロ」なら、洗いまくって食べるかもしれませんが。
……やっぱり、いくら高級魚でもちょっと無理。
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