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2006年07月25日(火) ■ |
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山に登るときの意外な「必需品」 |
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「もっとコロッケな日本語を」(東海林さだお著・文藝春秋)より。
【最近は中高年の登山がブームになっている。新宿駅などで、そういう中年男女のグループをよく見かける。 なかなか楽しそうで、ぼくもいつかああいうグループに混ぜてもらって、オバサンにモテたりしたらいいだろうな、なんていつも考えていたのだ。 今回の冬山登山がきっかけになって、少しずつ訓練していけば、ああいうグループにも混ぜてもらえるかもしれない。 そうしてそれが、やがて”白銀オバサンとの恋”に発展していくかもしれない。 それにしても、なにしろ冬山は初めてなので、いろいろ知識を仕入れておかなければならない。 装備もいろいろ揃えなければならない。 本屋さんに行って「快適登山入門」という本を買った。 「山登りの始め方」「山でピンチになったら」という本も買った。 装備のところを読むと、持っていくものとして、まず「着替え」が挙げられている。 そうなのだろう、着替えは意外に見逃しやすい装備なのかもしれない。 「思いがけない急な雷雨などで、全身ズブ濡れになる場合はどんな小登山にもありうる」とある。 「非常食」も大切だ。 「たとえ日帰りのトレッキングであっても、常に遭難の危険はあるので非常食は必携」とある。チョコレート、チーズ、バナナなどがよいようだ。 そのほか、水筒、救急用品、磁石なども必要で、骨折などに備えてのテーピング用品。 さらに高度な登山になると、酸素ボンベなども必要になってくるし、凍傷になった場合の手当ての仕方も知っておかなければならない。 沢登りの際は、不意の鉄砲水も頭に入れておく必要がある。 「不意に野犬の群れに囲まれた場合」とか「イノシシが突進してきた場合」というのもあり、読んでいるうちに緊張が高まってくるのであった。】
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実はこの話、東海林さんが『日本でいちばん低いなにわの七低山めぐり』というツアーに参加されたときのエピソードなのです。ちなみに、この「七低山」のうち、いちばん低い天保山が標高4.5メートル、いちばん高い鶴見新山が標高39メートル。まあ、「登山」というよりは、「ネタ」という感じなんですけどね。さすがに、天保山に登るのに、テーピング用品とかは要らないと思います。 でも、こうして、「登山の必需品」として最初に挙げられたのが、「着替え」と「非常食」であるというのは、僕にとってはちょっと意外でした。いや、意外というよりは「盲点」だったと言うべきか。 登山にほとんど縁がない僕にとっては、「必需品」としてまず思い浮かんだのは「登山靴」とか「ピッケル」でした。しかし、最も大切なのは確かに「衣食住」であり(まあ、「登山中では「住」というのはどうしようもないので)、「着替え」と「非常食」が「最優先の必需品」だというのは、当然の話なのです。もちろん登山靴やピッケルだって必要なのですが、対象がより身近な山であるほど、「着替え」や「食料」というのは、忘れられがちですよね。逆に、本格的にパーティを組んでの「登山」であれば、こういうものを忘れるということは、まずありえないのでしょうけど。 僕も旅行に出るときには、つい、パソコンとか道中読みたい本とかを選ぶことにばかり気をとられてしまいがちなので、まずは「生命維持に大切なもの」から準備するように心がけたいと思います。当たり前すぎて、「盲点」になりやすいものって、確かにあるんですよね。 まあ、平地であれば、「お金さえ持っていれば、大概のことはどうにかなる」のですけれども。
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