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■ 命の選別
訪問看護の仕事をしている時、多数の疾患を抱える患者の受け入れ先(病院)を見つけるのが大変でした。 もう在宅で看るには限界があり、家族も入院を希望していました。
かかりつけ医が紹介状を書いたにも拘らず、どこの病院も受け入れ拒否。 救急ではないのに… 専門医がいない、ベッドが空いてない、治療できない…
それで、患者の家族はかかりつけ医に泣きつき、それで医師がじきじきに知り合いの医師に電話して頼み込んでくれて、やっと受け入れてもらえました。 その代わり、何かあっても異議申し立てはしないという誓約書を家族は書かされました。
その患者さん、入院して1ヵ月後に亡くなりました。 院内感染でした。 でも、家族は文句の一つも言いませんでしたね。 受け入れてくれただけでも有難い。 仕方なかったんだって。
これが現実です。 誰のせいって言えないと思います。 院内感染って言っても肺炎でした。 抵抗力の落ちた、全身状態が悪い人なら簡単に感染して、急変してしまう。 家族はその辺のことは理解してくれてるみたいでした。
問題は、そういう複雑な事情を短絡的に判断して、責任の所在を追及し、糾弾する空気ですね。 そんなことを繰り返していたら、ほんとに医師たちは患者を選ぶようになってしまう。 今は仕方なしでも、今後は確信犯的に選別するようになるでしょうね。
日本もアメリカのように訴訟天国、さしずめ医療訴訟天国になってしまうかも。 そうなる前に、医師たちは逃げ出すでしょうね。 そして、医師たちが悪人にされてしまい、悪人にされるからこそ、ややこしい患者は受け入れなくなる。 そういう悪循環をどこかで断ち切らないとね。
2008年12月28日(日)
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