北斗の日記
北斗

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■ 九龍��

■背中


「お前って…案外たくましいんだな」

唐突にそう言ったのは皆守だ。

「何を突然…って、それ褒めてんのけなしてんの?」
「一応褒めてる」
「一応って何、一応って…」

喜んだのも束の間、皆守の言葉に葉佩はがっくりと肩を落とした。一応だろうが何だろうが、褒めてるんだから素直に喜べばいいのに、と皆守は思うのだが。

「不満か」
「不満っていうかね…甲ちゃんはもうちょっと、言葉を選んだ方がいいと思う」
「…次回からな」

どうせ次の機会(があったら)には忘れていること確実だったが、努力はしようという意味で皆守は薄く笑いながらそう答えた。
それを知ってか知らずか、目の前の転校生は手をひっくり返したり自分の胸を見てみたり、脚を叩いてみたりと、端から見ていて可笑しいくらいの動きを見せている。思わず喉の奥で笑うと小さく睨まれた。

「何してんだ?」
「え、だって案外たくましいって言うからさ、どこがどう見えるのかなって」

葉佩本人曰くの「大真面目」な顔で、言いながらも背中を見てみたり首を傾げたりを続けている。面白すぎる。

「…自分で見てわかるのか?」
「だって甲ちゃんが見てそう思ったくらいだから、わかるんじゃ……。そう言えば、案外って言ったけど、それって普段はそう思ってなかったけど、意外とそうだったんだなって意味だよね…甲ちゃん、いつそう思ったのさ」

思わぬ反撃に、皆守はうっと言葉を詰まらせる。それを悟られないようにと視線を逸らしてアロマを深く吸った。
葉佩はその様子をじっと見て「アヤシイ…」と呟く。

「まさかお風呂の時とか…だったら甲ちゃんってば人の体じろじろ見て、スケベ?」
「誰がスケベだ。…別に深い意味はねーよ。だから忘れろ」

この手の話は長引かせないに限る。葉佩の性格をよく知る皆守は、うんざりという表情を作って話を切り上げた。しかしそうは問屋が下ろさないのが葉佩の性格だ。その点では皆守もまだまだ読みが甘い。

「白状しないと、甲ちゃんがスケベ魔人だって言いふらすよ」
「………なんだそれは。子どものケンカか」
「子どものケンカで結構です。さあ、どうする? 白状するか言いふらすか!」

ある意味究極の二択。
皆守は大袈裟に溜め息を吐いて、思案した結果を唇に乗せた。

「…仕方ねぇな、じゃあヒントをやろう」
「ヒント?」
「俺がそう思ったのは、墓地に潜った時だよ。わかったか?」

それだけ言って、さっさと踵を返す。100%の答えなんて自分で考えろ。そう言外に含ませて。

「えー? 墓地に潜ったときってどういうことさー。甲ちゃんもっとヒント!」

究極の二択だった筈が、何だか途中ですりかえられていることに気付いているのかどうか。
それ以上答えるつもりも口にするつもりもない皆守の後を、葉佩が追いかける。

―――俺はただ、戦ってるお前の背中が、思ってたより強く見えただけだ。

銃を片手に、前を真っ直ぐ見据える瞳が。
普段の学園生活では見られない、頼もしい背中が。

―――安心出来る、なんて…口が裂けても言わねぇけどな。

追いついた葉佩が傍らでぶつぶつ考えているのを見ながら、皆守は小さく笑った。
どうやら自分はこの転校生を、思ったよりも気に入っているのだとそう確信し、そしてそれを不快に思っていない自分に気付いて。


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 思わず思ったことを口にして、しまったと焦る皆守氏です。
 これはアレですね、某攻略本を買ったら中にイラストがありまして、その中の葉佩の背中にずきゅんときて書いちゃったものです(ずきゅんて…)。だってあの背中を、バディでついてく二人は漏れなく見てしまうわけですよ。それも間近に(多分)(バディのシステムがよくわかってないから勝手に捏造)。あー、この背中に守られてえ!と思いました…。皆守、君が羨ましいヨ!
 うちの葉佩九龍設定は、皆守よりちょっぴり背が低いです。2センチくらい。体重も何キロか軽めで。でもちゃんと筋肉はついてるの希望。だってそうじゃなきゃあんな化人相手に戦えないし生きて帰ってもこれなさそうですよ。うん。銃の反動とかね。ジャンプの距離とかね(どんどんみみっちく…)。でもそんな葉佩でも、皆守はその背に安心感を得てしまうという萌え設定でお送りしました。あーもうホント萌える。

 図書館から連絡があって、あさのあつこさんの「NO.6」の1と2を借りてきました。ヤバイ。うっかり1の半分くらい読んじまった…。どうも最近そういうの多いな。
 つかバッテリー5巻早く読みましょうよ…自分。




2004年11月28日(日)
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