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■ 九龍��
■歳暮
「ねえ、『お歳暮』ってどういうもの?」 葉佩九龍が尋ねた相手は、勿論皆守甲太郎だった。
帰国子女だという触れ込みで転入してきた葉佩だったが、それに違わず日本の年中行事には疎いようで、今日もそんな疑問をまだ1ヶ月程の知り合い―――葉佩に言わせれば「親友」―――の皆守にぶつけた。
「歳暮? そんなこと俺が知るか」
対する皆守の返事は冷たい。皆守にしてみれば、自分だってまだ学生の身だ。歳暮をやったことも貰ったこともない。 大体、何でそんなことを聞きたがるのかの方が不思議だ。
「…あ、あった。『世話になった人などに年末に贈り物をすること』だってさ」 「……辞書引くなら人に聞くな」
辞書片手に読み上げた葉佩を少しだけ睨んでやると、悪びれもせず笑う。
「年末か…まだ10月だから全然時期じゃない? ニアピン?」 「どこがニアピンだ。阿呆」 「ヒドイなあ、甲ちゃんったらその言い方」 「……で?」
唇を尖らせたものの、やはり冷たくあしらわれて葉佩は頬を膨らませる。子どもかよと言いたくなるが、言ったら言った分だけ更に子どもっぽく反論してくるんだろうと、あきらかに分かっていた皆守はあえて口には出さなかった。 代わりに「そんなこと聞いてどうしたいんだ」という意を込めて短く聞き返すと、葉佩は冷たいあしらいも忘れたように表情を変えて、「そうそう」と頷いた。
「お世話になった人に、贈り物でしょ。どうなのかなって」 「どうとは」 「だから、僕と、甲ちゃん」 「……は?」
この男は何が言いたいのだろうかと皆守は思う。皆守と葉佩との間で、歳暮の交換でもしたいということか、つまり。
「だーかーら、お歳暮交換しよ、甲ちゃん?」 「馬鹿言ってろ」
何で学生身分の自分たちが歳暮の交換なぞしなければいけないのか。
(大体誰が誰に世話になってるって?)
大袈裟でなく、世話をしたつもりはあっても断じて葉佩の世話になったつもりはない。そう確信を持って言える皆守ではあったが、そう言えれば苦労はしない。 どうせそんなこと口にしたら最後、今まで葉佩が皆守に対して世話をした(と言い張るだろう)ことを、転校してきたその日の分から、時間単位(もしかしたら分単位)で言うに決まっているのだ。落とした消しゴムを拾ってあげたとか、たまたま一緒に教室を出る時にドアを開けてやったとか、果ては「一緒に帰ってあげてるじゃん」とか言いそうだ。皆守の名誉のために言っておくと、皆守は今まで一度だって葉佩に「一緒に帰ろう」と言ったことなどない。葉佩の方が勝手に「一緒に帰ろう」と言って半強制的に寮まで(あるいはその他寄り道先まで)拉致していくというのが正しい。
「いいじゃない、面白そうでしょお歳暮」 「…断る。面白いとか面白くないとかの問題か」
皆守にしてみれば、面倒事など御免蒙(こうむ)りたい。 そう心の中で呟いたのを、まるでそれが聞こえたかのように葉佩は小さく舌打ちをした。それでも諦めきれなかったのか、「うーん」とか「でもなあ」とかぶつぶつ呟いている。 そして徐(おもむろ)に皆守の方を振り向くと、
「じゃあいいや、これ貰っておくよ」
と、吸いかけのアロマを素早く取り上げて、口に咥えた。
「おい」 「いいじゃない、間接キス。ゴチソウサマです」
妙に嬉しそうにそう笑った葉佩に、皆守はものすごく脱力する。 言うに事欠いて「間接キス」だと。何を言っているんだこの男はという完全に呆れた目で睨むと葉佩は「おーこわ」と首を竦めた。勿論口にしたアロマは返さない。
「まあこれがお歳暮代わりってことで。何しろ甲ちゃんには色々もらってるからさ」 「? 何かやったことあったか?」 「いいの、僕は貰ったと思ってるんだから」 「…あっそ」
何だかものすごく疲れた様子で、けれど皆守はそれ以上何も言わずに胸ポケットからアロマを取り出す。何にしろこれで葉佩が満足したのならいいのだろう。彼のテンションについていくのは大層疲れる。 呆れた顔でもう一度葉佩の方を見ると、喋り甲斐のない友人に飽きたように、もう隣の八千穂と楽しそうに談笑していた。 それを何だかひどく残念に思い、そしてそう思ってしまったことに驚いて、皆守は溜め息を吐いた。彼に聞こえないように。
いつものように部屋に入ると、机の上に何かが置いてあるのに皆守は気付いた。
「……?」
カレーパンと明太子。 多分、それは葉佩からの「お歳暮」なのだろう。あれだけ昼間「歳暮」「歳暮」と連呼していたのだから。それにしても組み合わせが妙過ぎて、笑うに笑えない。
「カレーパンはいいとして…何だこの明太子は」
多分。 皆守は自然に葉佩の職業を頭に描いて納得する。昨日もその前も墓地に潜った彼に、無理矢理拉致されて付いて行かされたのは皆守の記憶に新しい。確か目の前のコレも、その時に見た気がする。
「…余りものか?」
苦笑しつつそれを手に取ると、下敷きになっていたメモがひらりと机から落ちた。
「?」
それを拾って目を通した皆守の顔が、一瞬呆気に取られたものに変わって、それから「しょうがないな」という笑みの色を浮かべる。
『甲ちゃんへ 余りものじゃないからね! 辛いもの好きだと思ったから僕からのお歳暮。 追伸.今度カレーパーティーしよう! 九龍 』
「……ま、いいか」
葉佩の愛が通じる日は近い…かもしれない。
--------------------------------------------------------------- 毎日日記書いてることくらい珍しいことはないかもしれない…アワワ。ひとえに九龍萌えのせいですかそうですね(自己完結)。 多分に九龍は皆守から色んなものもらってます。アレですよ、形のないもの。友だちがいることのよさとか、学園生活の楽しさとか、そういう普通の幸せみたいなもの。だからあっさり引いたんだろうなーとか。でもアロマは貰う(笑)。そのへん皆守にはよくわからんでしょうなあ。いや、うっすら分かってるのかも。心に傷を持つ人ですからね(苦笑)。
髪が切りに行きたいです。伸びてきて鬱陶しい。そう思ったら一直線で帰りにさくっと予約入れて切ってきてしまいました…早すぎ。来週くらいにしよっかなーとも思ったんですが、色々仕事とか入ってて行けなさそうだったので。あーさっぱりさっぱり。
九龍、ようやく4話クリアしました。つーかアレは何ですか、ボウガンさえあれば簡 単 だ っ た ん じゃ …? …まあよいです。思う存分クエストやりまくってアロマの声を堪能しましたから。多分そのお陰で、皆守は今「九龍」って呼んでくれてます(笑)。あーなんかいいなあ、親友ぽくて(笑)! そいや屋上で「お前も寝るか?」みたいなことを聞かれて「愛」を入力したらひかれましたよ…「いいから離れて寝ろ」だそうで。かわいいのう、皆守(え)。 あ、そだそだそだ、皆守のジャージ姿にす ん ご い 萌 え !なんですけどーーー! 学生服も似合うけどさ、ジャージも似合う…私服の紫セーターも似合うけど(笑)。あと萌えだったのはアレですよ、斜め下を向いたちょっと憂いのある表情。多分今回初めて見た…思わず2分くらい見入ってしまいましたが。
進める毎に新たな萌えを発見する毎日です。くす。
2004年11月26日(金)
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